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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
閑話:異世界酒騒動
30/217

0030:死守の構え


全ては終わり、シャルリア様もテレーザも正しく向き合うことになった。

コレでもう神託だ神だの話は無くなった。


世間の目と言う、外見の問題も解決し俺達もホッと一息。

そのままテレーザの自己紹介と自分達の紹介へと移り変わる。


人の意識や内面を見通すことが出来る妖精であるのもあり、サクサクと進んでいく。

というより、ここに居るメンツが綺麗な連中ばかりなので、信頼関係は本当に簡単に結んでいく事になる。


一人、また一人と紹介を終えて行き、ついに自分の番。


紹介の段階となり、再度向き合いニカッと笑う。

大丈夫、おふざけはするけど悪人でも変態でもないから!


それが伝わったのか、おずおずとだが手を差し伸べてくれた。

俺は指と、彼女は手とで握手をする。

小さい相手というのが困惑するが、問題ない。


でも握手しながら内面を見られるなんて、頭がフットーしそうだよおっっ!


即座に逃げられあやめにべこんぼこんにされた。

こんな き゛ゃく゛に まし゛になっちゃって と゛ーするの。




 ~~~




顔中痣まみれや!

なんて思いつつまもなく昼食の時間。


とは言え料理しなければ食事は無い訳で。

その為にテクス氏とあやめと共にキッチンへと向かう。

対する子供連中とシャルリア様、そしてついでにドワーフと妖精もテレビに向かった、せめて働けと。

まぁ別にいいけどさ。


テレーザの分が増えると思ったが、彼女曰くそれ程食べられないとの事。

前回来て食べた時は、小さめのから揚げ一個程度で一杯だったそうで。

道理であの時から揚げが一個消えた訳だ。


まぁ物理的に小さいし、そう入る訳ねーわな。

ちっこいし、そらそうやな!

どこがとは言わんが!言わんが!


そう思いつつ、テレーザに後頭部をぺちぺち叩かれつつ思考を続ける。

サッサとエプロンをつけたあやめは土鍋と炊飯器を弄り米を用意。

…ただ、ご飯は土鍋があるからいいとして、問題はオカズ。


テクス氏と共にがちゃりと冷蔵庫を開け、中を確認する。

冷気がフワリと顔を撫で、それを受けたテレーザは姿を消した。


「…肉も少しで野菜もほとんどねーなぁ……」

「買いに行かないので?」

「まず手持ちの金がね…その後でとなると、料理時間込みだと…後数時間ずれ込むな」

「でしたら前に買った白身魚では…」

「この量だと一人一切れだし…全然足りんでしょ?」

「ぬぅ……」


上を閉じ、そのまま下の冷凍庫を開ける。

ある物といったら冷凍餃子の袋だが……


「餃子…餃子は夜かなぁ……」

「さよなら天さん…」


餃子だっつってんだろ米研いでろ。

さらっと会話に混じんな。


「…何故夜なのか聞いても?」

「いや、餃子は米にも合うけど、やっぱりアレに合うのよ」

「…アレ?」

「御ビール様に」


チューハイ派な俺でも、コイツにはビールが欲しくなってくる。


熱々の餃子にキンキンに冷えたビール。

醤油をつけて口に放り込み、味わいながらそこにビールを流し込む。

…思い出しただけで胃にクるな。


「…昼でいいのでは?」

「昼間から飲むってのもどーなのよ?」

「…言われてみれば」

「なら落ち着いて夜に、って事ですわ」


そう言って冷凍庫をベシンと閉じた。

あやめに向き直ると、米の準備は終え何を作るか悩んでいた。

そういや調味料や卵はあるんだよな……


「はい!」

「はい悠馬君」

「卵あるんでオムレツはどうでしょ!」

「んー…ならご飯炊いてるし、チキンライスにしてオムライスにしよう」

「あ、夜は餃子で」

「さよなら天さん…」


二回も自爆せんでええがな。


あぁ餃子の晩酌が待ち遠しい。

テクス氏も味を想像しているのか、ゴクリと唾を飲み込んだ。


こりゃ後で宝石作って、換金して夜用に酒追加購入……

いや追加購入は止めておこう。


「…ビール一本だけでいいから頂戴」

「それぐらい買ってくればいいのでは…?」

「いや、酒に反応しそうな輩がいるでしょ?」

「今酒と言わんかったか!」

「いえ別に」

「そうか……」


酒って単語に真っ先に反応しよったぞあのドワーフ。

テレビ見てた筈なのになんちゅう耳してるのかと。


「…ドワーフって…やっぱりアレ好きなの?」

「個人差はあるそうですが、苦手な者も水同然に飲んでいた、と聞いてます」

「苦手で水同然…?」

「…噂ですが、一本のヴィンテージの為に村同士で戦争が起きたとも聞いたことが……」

「…確実に飲み干される」


それ以前に存在を知られたら大騒ぎになりかねん。


第一異世界の酒だ。

見つかったら見つかったで、間違いなく……


「…冷蔵庫の一番上に置いて隠し通そう」

「…ですな」


静かに自分達の分を上の段に隠す俺達であった。

悲しいけど、俺達も酒飲みなのよね……


酒、酒、酒!

ドワーフとしてはずかしくないのか!

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