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ボクの振り上げた剣は、少女に届くことは無かった。
剣ごとボクの腕が燃え上がったカラ。
ナゼ?
簡単なこと。
犯人はさっきの光のヨウダ!闇と炎の二つの属性の二つの魔力が一つにナッタ。
こっちに駆け寄ってきてた騎士。
伸ばした手先から別空間に数秒、ダガ閉じ込められたヨウダ。
回収し損ねてた吸血熊の魔核が魔力の風圧の中に飛び込んでいった。
オモシロイ実験体になったようだね。
国に仕える騎士が魔堕ちスルナンテネ。
まぁ、半獣魔人みたいな扱いでイイのかな?
早く姿を見せてヨ。どんな姿なのかを!
―-――――――――――――――
衝撃を待っていた。
いっこうに来ない痛みに瞑った瞳を開けば、青年が剣ごと燃えている左手を自ら魔法で切り落とすところだった。
【見ないでいいよ。】
後ろから、懐かしい声と優しい人の声が重なって聞こえて目を隠された。
【大丈夫だからね。だから、少し目を瞑ってて。】
彼はそう言うと先程までと同じように頭を撫でた。
彼の手はあんなに大きかっただろうか?
私はコクリと頷く事しか出来なかった。
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『ウソダ!ヤメッ!クソ!!! 』
何が起こったのか分らなかった。
いつもなら無茶しないアイツが突っ走り何かに捕らわれた。
そして彼の精霊も、もがく様にしたが黒い霧の中に閉じ込められた。
こっちからすれば数秒だったが。
アイツが魔力に包まれ炎から出てきたとき、それはアイツじゃなかった。
蜂蜜色の髪は黒髪と混じり、少し毛自体も伸びていた。
そして何より、コッチを一度振り返ったヤツの目はオッドアイへと変わっていた。
彼の耳は獣の、しかもあれは吸血熊の耳に。鋭い犬歯がチラリと見えた。
魔堕ち。もう、彼は騎士では生きていけないだろう。
アイツは、少女の元に走っていく。
アイツが獣に堕ちてしまったのかもしれないと後ろから追うが。
【見ないでいいよ。】
【大丈夫だからね。だから、少し目を瞑ってて。】
あぁ、姿は変わってもアイツはアイツのままだった。
優しく少女の頭を撫でていた。
「た、たいちょ。」
後ろを向けばルイスが蒼白になっていた。
そういえばコイツは最年少で入ったんだよな。
「大丈夫だ。姿は変わったがアイツは騎士の誇りを失わねぇーさ。」
「そ、うっすね。」
俺はルイスの頭を撫でた。
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体が燃えるみたいだ。
熱くて熱くてたまらない。
右目に入った魔力の塊が、体の内にある魔力と混ざり合う。
イノに振り上げられた剣をどうにかしたかった。
魔法は剣を持つ腕ごと燃やしていた。
ふと、後ろのデビットたちと目が合った。
驚愕で彩られた瞳をしていた。でも、ごめんね。後悔したくないんだ。
【見ないでいいよ。】
後ろから、ゆっくりと近づき少女の目を手で覆った。
【大丈夫だからね。だから、少し目を瞑ってて。】
彼女が目を閉じたのを確認してから頭を撫でる。
そして、僕はこの元凶である青年を睨んだ。
青年は、さも嬉しそうに此方を見ていた。
自身で切り落とした腕を喰らいながら。
魔堕ち・・・・人から魔人などなったものや悪魔憑きのことを言う。




