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【人の子よ】


何かが頭の中に響いてくる。

低い男の声だ。


【人の子よ、聞こえぬか?】


「誰、かな?」


僕は声が聞こえる紅い光を見た。

何故か分ったのだ。それが話しかけている・・・・・・・・・・・・・・のだという事に。


【力が欲しいか?】


紅い光は小さく煌いた。

まるで強い意志が宿っているように見えた。

そして悪魔の誘い(・・・・・・)のようだ。


「・・・・・・・ほしいよ、」


【奪う力をか?】


頭、いや、その空間に響く声は楽しそうに問いかけてくる。


「奪う力は要らない!!・・・・・・ただ、あの子を、守る力が、スピードが欲しい。」


拳を爪が食い込むほど強く強く握る。ピリっと刺さる痛みはしたが気にはしなかった。


【奪う力も 守る力も 同じ力だ。

     そのどちらも同じ力なのだ。】


「そ、それでも!守るために僕は!力を振るってきた。」


声はからかう様に楽しそうに話しかけてくる。


【人の子よ

 過ぎたる力は身を滅ぼすであろう。】


「分っている。」


【それでも力を欲すか?

 それでも力を求むるか?】


「あの子を救えるならば、」


【ふむ。

 人ならざるモノに堕ちたとしてもか?

 それでも、力を求めるか?】


「うん。もう、後悔はしたくない。」


握った拳からは血が滲み数滴、地面に落ちていく。

爪を切ってなかったのが悪かったらしい。

血が地面に落ちた瞬間、赤と黒で光る魔法陣が展開する。

黒い霧のようなものと炎が上がり紅い光と僕を包む。


 【求むなら応じよう。

  欲すなら応えよう。

  人を捨ててまで力を欲すなら

  生を捨ててまで力を求むなら

  貴様にその覚悟があるのならば!】


紅い光は高らかに叫ぶと、片目の吸血熊になり目の前に座った。

ルビーのような片方しかない瞳に強い意思が宿っていた。


【人の子よ。 

 等価交換ジャッチでいこう。

 吾の出す条件は一つ

 吾の愛し子を命尽きるまで守ること。

 なに、簡単だろうて。貴様の守りたい子と吾の愛し子は同じだ。】


艶やかな銀色の長い髪に黄水晶(シトリン)のような瞳の少女が脳裏に過ぎった。


「僕の剣にかけて。」


答えは決まってた。

吸血熊は紅い光の玉になり僕の右目に入ってきた。

体の中の魔力が膨れ上がり爪が伸びているのが分る。

尾骶骨の辺りがムズムズするし、耳は感覚が鋭くなっていく。


【人の子よ

 のぞみは

 生をかけて

 として捧げよ

 ひりきな子よ

 きさまは何故に欲する

 かじょうな力は身を滅ぼすというのに

 えらべ人の子よ

 にえを捧げてまで

 力を求むるか

 をのれを捨ててまで

 欲すというのか

 せつなに生きる資格を捨ててまで

 契りを交わすか

 約束は取り消せぬ


  内に炎を宿した子よ

  よび水となるか

  うその蔓延る世で

  はワ言の葉になりて

  吾の知るところではない

  のぞみは一つ

  愛しい子

  しずかで美しい聡明な吾の妹

  子供だ まだまだ庇護のいる幼子よ

  をのれの肉体が滅んでも守りたき子

  守ってくれ

  るいやの中

  ことの葉を紡ぎて

  と切れる事なき絆を        】



「僕の剣にかけて誓おう!動揺しない守護者(リアン)の名に絆を!」


【吾が名はグゥーグ。貴殿と共になるもの。】



深紅の炎が空間を飲み込んだ。



等価交換ジャッチ・・・公平にするときに使われる

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