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走る。草木を分けて少女は走った。

だが、辿り着いたそこで彼女が見たものは余りに無惨な光景。

少女の口から声が漏れる。

手で押さえた口から、言葉にならない言の葉が零れ落ちていく。


「・・・・・・・ぁ、マァー?..........マァ....マ?ぅあ、。」


赤黒い液体が地面に広がり、その中央には一人の血ぬれの青年。

そして、青年の足元には吸血大熊と吸血熊の死骸。

だけど、少女には分ってしまった。それが、自身の愛する家族であると。

ここまで育ててくれた母親と兄だという事に。


「......ぃ....!か...ぃ....せ!返して!!」


その場に蹲ったまま少女は青年に叫ぶ。

今まで気付かなかったのか、驚いた顔で青年はこちらを見た。


「あ、君の獲物?ゴメンネ、殺しチャッタ。泣くほどのことカナ?たかが獣一匹。・・・・・!イイコト、思い付いた。返すのは無理だから、一緒にシテアゲル。」


青年は、刀を振り上げて少女に切りかかった。


           ―――――――――――――――――――


人形の魔力が消えた。

あまり強いものでは無かったしイイや。

その場所に行ったら、吸血大熊と吸血熊がいた。

強い魔核(コア)を持ってソウダ。

魔核(コア)を取り出してたら、まだ若い女の声が聞こえた。


「......ぃ....!か...ぃ....せ!返して!!」


艶やかな銀色の長い髪に黄水晶(シトリン)のような瞳。

魔人であるボクが一瞬見惚れた。それほどの愛らしさを持った少女。

ホシイと思った。この少女を使えば最上級の人形(ドール)が出来る。

ダイアモンドのような美しさを持つ涙を堪えた、憎しみが混じる瞳は今はボクを見てる。


「あ、君の獲物?ゴメンネ、殺しチャッタ。泣くほどのことカナ?たかが獣一匹。・・・・・!イイコト、思い付いた。返すのは無理だから、一緒にシテアゲル。」


持って帰るのに暴れられたらイヤだし、半殺しにシヨウ。ボクは刀で少女に切りかかった。



          ―――――――――――――――――――――


振り上げられた刀が、イノに向かう。

イヤダ、もう、失くすのは、イヤナンダ。

走る。少女の下へ。

妹と同じ瞳を持つ少女の下に。


モット、早く。モット ハヤク!!


何でもする、何でもやる!だから、また守れないのは嫌なんだ!

あの子を守る力がホシイ!


「・・・・・・・ッ、イノちゃん!」


必死に手を伸ばす、いきなり目の前が暗闇へと包まれた。


漆黒の空間に紅い光が一つ。

僕以外は居ないみたいだ。後ろに居たルイスもデビットも精霊達すら居ない。

いきなり、頭に直接、言の葉が聞こえてきた。

魔核・・・上級魔物になれば、なるほど大きな魔核がある。所謂、心臓。

     魔力の大きな人間から時たま取れる。


魔人・・・魔族の中でも上級種

獣魔人・・魔獣から魔人になるまで力を蓄え進化した種のこと。


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