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RPGの世界

「はっ!?」

俺は目を開ける。目の前には青い空が広がっている。どうやら仰向けになっているらしい。

「くそっ。あのおっさん…。強引すぎるだろうよ」

俺は目をゴシゴシと擦り、深いため息をつく。

「なんか気だるいな…。肩も痛いし」

俺は背伸びをする。ほのかに感じる風が心地よかった。

「とりあえず、起き上ろう」

そして近くにあったものに手を置き体を起こす。

「んっ。こんなのあったっけ?」

手で感じる感触は、まるで大理石のようなものだった。さっきまでいた通路にはそんなものはなかった。

「て、なんだこりゃーーー!!」

立ち上がった俺に広がる光景は、まるでRPGで出てくるような村そのものだった。俺が立ち上がるために使ったものは、その村の中心であろう場所に存在する噴水だった。

「な、何事だ。俺に何が起こったんだ」


「それがあなたの望む世界と言うのなら、あなたをお連れいたしましょう」


「あっ…」

思い出したあのおっさんの言葉。

あなたの望む世界。たぶんそれは俺のRPGの世界、というものだろう。

そして今ここに広がっているのは、

「RPGの世界…なのか?」

確かにこの村には、数人の人間が歩きまわっていた。

が、その人たちはゲームで見るような規則的な動きはしていない。

「みんな…まるで生きているように自由に動くな」

俺は歩きまわっている人たちを見て不審に思う。

ここがRPGの世界。まだその実感がわいていない。


『この世界の説明』


考えていると、目の前にロゴが浮かぶ。

「はぁ、なんだよこれ」

どうやらボタンのようなものらしい。とりあえず押してみる。


『今あなたがいるのは、RPGの世界です』

「なんか適当だな。なんか名前ぐらいつけろよ」

『まずはメニュー画面の開き方です。右手の中指を伸ばして下にスライドしてみてください』

「こ、こうか」

言われたとおりにスライドする。すると、一番上に「メニュー」というロゴが付いており、その下にはいろいろなロゴがある。

『まぁ、後は慣れてください』

「雑だな!」

何なんだよ、いきなりあらわれて!

「くそっ…。どうしたもんか…」

俺は噴水に腰をかける。俺は中指を上下にスライドさせながら、メニューの出し入れをした。正直つまらない。

『以上で説明は終わりです。最後に一言』

説明なんて仰々しいこといいやがって…。結局説明も心許なかったし…。


『あなたが世界の中心だ。存分に楽しみなさい』


「……」

沈黙…。風によって揺れる草草の微かな音が聞こえるぐらい、俺は心が真っ白になっていた…。

「世界の中心…か」

世界の中心…なんと重々しい言葉だろう…。今まで何かの中心となってやってきたことがあるか?

「ま、そんなことより現状だろう」

胸に突っかかりを覚えた言葉はほっといて、俺は今の俺が置かれている状況を考えた。

が…、

「ま、なんとかなるのかね」

俺はいつもそうだった。テストや学校生活など。いろんなこと、時間が経てばどうにかなると思っていた。

だからだろうか。いつも他人任せ。中心になることを、さらには中心に近づくことさえ拒んでいた。

そうあのときでさえ……。

「ん……」

ふと喉の渇きに気づく。そういえば徹夜した時もなにも食わなかったな。

とりあえず喉の渇きぐらいどうにかしよう。

「噴水の水…。飲めるよな」

俺は手で水をすくい口に含む。すると…

「うぉっ!?」

突然目の前が虹色に包まれる。そして俺の眼の前にメッセージログが出てくる。

「MPが1回復しました…、だと!?」

な、いきなりRPG要素!?ここで発揮しますか!

俺は急いで中指を下にスライドし、メニューを開く。その中のステータスを開く。

「な、なんだよ。MP最初から満タンかぁ‥」

ま、そりゃそうか。

「でも、美味いな…。もうすこしいただこう」

俺は何回も手で水をすくい口に含む動作を繰り返す。そのときに出てくるログがピコピコうざい…。

と、俺の視界に青いコップが見える。

「そんなに手ですくわなくてもいいじゃない。はい、コップ」

差し出された方を見ると、そこには長髪の綺麗な茶色の髪が目立つ一人の清純系美少女が立っていた。

「え…と」

俺は頭の中が真っ白になる。目の前の美少女には見覚えがない。

「もうっ…。変な冗談はやめてよ。ルルだよ、ルル!」

「ル…ル……」

「そう、ルルだよ」

目の前で微笑むルルと言う美少女はまるで天使のようで…。

その時からだ。世界の歯車が動き出したのは。

ロゴって言葉であってるのかな…。

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