気になるあの人
私には最近気になる人が居る、しかも女の子だ。その子は普段ちょっと乱暴だけど優しい女の子だ
いつも私に美味しい煙をくれるし妖怪ってばらした時も怖がったりしなかった変わった子だ
むしろ煙草を吸って変化した私の姿を綺麗とまで言ってくれた
今日は仕事が休みだ、だからその子を眺めてみようと思う、私は煙だからその気になれば壁や床と同化出来る。我ながら便利な能力だ
美煙「・・・」
そーっとその子に気づかれないように壁と同化する。時刻は午後14時頃、タツキちゃんは朝早くから仕事にいってこの時間に大体帰ってくる・・・と言ってたら帰ってきた。コンビニかスーパーで買い物をしたのだろう、いつもの作業着にビニール袋を持っている。
タツキ「あ~、疲れた・・」
そう口にしポイポイと服を脱ぎ洗濯機を回すたつきちゃん、う~ん、いつ見てもワイルド
引き締まった体に耳に付けたピアスがきらりと光る、ふへへ、良い身体しちょりますなぁ
よだれが出かかる、危ない
たつきちゃんが全裸のまま風呂場に向かう、すぐシャワーの音が聞こえてきた
今のうちにちょっとビニール袋の中身を拝見・・たばこに焼き鳥、アイスですか、もしかして前に私がアイス食べたのやっぱり悔しかったのかな?ま、そんなわけないか
風呂のドアが開く音がした。ヤバッ
たつきちゃんがガシガシと頭を拭きながら戻ってくる。私は間一髪で壁に戻る
タツキ「ふ~~、すっきりしたぁ・・・ん?煙の匂い?・・気のせいか?」
なんでそこで気づけるのたつきちゃん!?エスパーか!?
思わず口を塞ぐ、そんな心配をよそに床に胡坐をかいて座り、煙草をふかしアイスを齧り始める
うう・・私もそのアイス食べたい・・たつきちゃんの呼気煙吸いたい
その気持ちをぐっと我慢する。タツキちゃんが煙草を吸う姿を見る、ちょっとだらけているが不思議な雰囲気だ、黙々とアイスを齧り、煙草をふかしているその姿は少し寂しそうにも見えた
タツキ「・・・」
ふーっとタツキちゃんが煙草の煙を吐き出す。視線は窓の外を見ていた、いったいたつきちゃんは何を思って煙草をふかしているんだろう
タツキ「美煙・・」
唐突に名前を呼ばれて心臓が口から飛び出しそうになる・・堪えた
タツキ「あいつ・・今日はまだ起きてこないのかなぁ」
はぁぁぁぁ!?煙草をふかしてもの憂い気に考えてたことが私いいいい!?え、なに、可愛いんですけどーー!!
そういえばたつきちゃんってよくよく考えるとなんかイヌか猫みたいな時が時々あるなと思った
少し寂しそうでどこか元気のない様子を見続けてしまって、気づいたらタツキちゃんの前に姿を現してタツキちゃんの煙を吸っていた
美煙「あんむあんむ」
突然現れた私にタツキちゃんがまたかぁみたいな顔をする。うん、知ってた
タツキ「今起きたのかぁ?寝坊助さんめ」
少し嬉しそうな眼を私に向けてくれる、ああ、この笑顔、たまんないなぁ
私は隣に座る。そして煙草を吸う、私の髪色が白く染まっていく・・鬼火も灯る
そんな私を綺麗な金色の眼で見てくれるたつきちゃん、正直ちょっと恥ずかしい
けれども私のこの姿が好きなたつきちゃんに認めてもらえたから・・見とれてもらえるから別にいい
タツキ「相変わらず綺麗だねぇ」
たつきちゃんはさらっとそういうこというから少しずるいと思う、
美煙「たつきちゃんも綺麗だよ~!引き締まった筋肉が特に!」
あれ?なんか体を隠すように恥ずかしがっちゃった・・なんで?
タツキ「褒め方が違う!なんか・・・なんかスケベだ!」
失礼しちゃうなぁ、そんなつもりで・・言ったかも
改めてマジマジとたつきちゃんの身体を見る・・今時珍しいプリン頭の髪色はわざとなのか、でも毛並みは綺麗だ、それに加え長いきれいな眉毛にちょっときつめな目つき、でも唇は薄くきれいなピンク色
割れた腹筋、私とは正反対の茶色に焼けた肌、細いけどしっかり筋肉の付いた足
美煙「・・ゴクリ」
タツキ「おっおい・・なんかお前目が怖いぞ美煙・・」
視線を感じで壁際まで後退するたつきちゃん、
美煙「フフフ・・だがもうおそぉい!!」
私は即座に髪の毛(実際は煙)をたつきちゃんの足に這わせる
タツキ「ひゃあ!?」
ぐへへへ、ひゃあなんて可愛い悲鳴ですこと・・さあその引き締まった二つの御山をいただこうかっ!!
私は迷いなく両手をたつきちゃんの高くそびえる二つの御山に伸ばし・・
ガッ!!
美煙「あん♪」
アイアンクローを喰らった・・フフ・・しかし目は見えぬども位置は目視済みいだだだだだ!?
タツキ「こん・・のッ!!」
メギギギ
美煙「あたたたた!?痛い!?ちょ・・たつきちゃん!?なんか威力上がってない!?」
私は伸ばしかけた両手をアイアンクローの解除に回す・・が外れない!
タツキ「美煙が散々襲ってくるからな・・密かに訓練してたんだ・・よッ!!」
立ち上がり私を宙ぶらりんにしたまま自慢げに説明してくれるたつきちゃん
言い終わると共にさらに強く締まる私の頭蓋、煙だから物理無効じゃないかって?・・そうだよ!私煙じゃん!!
すかっ
タツキ「えっ!?」
突然私が霧散したことに驚くたつきちゃん、チャーンス!
私はタツキちゃんの立派なお山に手を伸ばし・・キャッチ!!
タツキ「ひっ!?」
う~ん驚いてる驚いてる、フハハハハハ大人しくこのまま堪能させてもらおう
タツキ「こ・・・のッ・・スケベ煙がぁああ!!」
大声を上げたかと思うと全力で私の実体化してる指をひねられた
美煙「きゃー!?!?痛い痛い!!」
タツキ「私に触れられるってことは私も触れられるってことだもんなぁ・・!!」
タツキちゃんが手の甲の皮をめっちゃつねってくる、めっちゃ痛い
美煙「わかったぁー!!ギブギブ!!ギブ~~~~!!!」
私は観念したので煙化を解く
美煙「たつきちゃん力技すぎぃ~~」
私はその場にへたれこむ、たつきちゃんが煙草を咥えながらめんどくさそうに言う
タツキ「お前が変な気起こすのが悪いんだろーが」
まあ・・そうなんですけど
タツキ「ン」
私の対面に座りぶっきらぼうに煙草を一本渡してくる、私はその煙草を受け取り火を付けて吸う
私の髪が白く染まり本来の私の姿が露わになる。あー、煙草おいし
美煙「誰かさんのせいで疲れたな~」
タツキ「それはこっちのセリフだ」
互いに顔を見て・・笑う、その顔にはもう寂しそうな面影はなかった




