16.クロト捜索
ジョナサンはクロトを助けるべく、周辺の村々の人にまで絶倫と巨根について語り、もうこれで十分だと判断し、クロトの軟禁されている冒険者ギルドにきていた。
しかし、そこにはクロトの姿はなく、代わりに討伐隊の連中がいたのだった。
ジョナサンは冒険者ギルトに入っていく。
「おい、これはどういうことだ説明しろ、ロッキー」
疲れ切ったロッキーが、ジョナサンをみる。
「ああ、ジョナサン…じゃないですか…クロトは生きてるんじゃないかな?」
ロッキーがいびきをだして寝てしまう。
ジョナサンはロッキーにバケツで水をかける。
「何すんですか!」
「起きたか。クロトの行方をはけ」
ロッキーはクロト誘拐事件の事情を話し、今は討伐隊がクロトの行方を捜査中だということを伝えた。
「その討伐隊の連中はどこで探してるんだ?」
ロッキーが指さす。そこには30人くらいの団体が酒盛りをしていた。
「………あれが討伐隊なのか?」
「ええ…そうですよ。ドーラ婆さんからギルドの被害金回収したということで酒盛りしてるんですよ…」
「捜索してるやつは?」
「ゼロですよ。そこに木札で情報提供求めると書いただけで」
そういうとロッキーは再び眠りだす。
ジョナサンは怒りに満ちた表情で酒盛りで盛り上がっていた連中の輪に入っていく。
「おい兄さん、無言で入ってくるって失礼じゃん」
「お前らの仕事は何だ?」
ジョナサンの足元に空の瓶が投げつけられる。
エルフの女がジョナサンの前にたつ。
「私らの仕事は見ての通り酒宴じゃん。目ん玉ついてんの、ボケ」
「お前らが遊んでる間に子供の命が…危険にさらされてるんだ。
こんなに人数がいるなら探索系のスキル持ちもいるだろ。
早く探せ!!!」
「ちゃんと探してるわよ。後で分かるから、黙ってみてな」
ジョナサンは話しても無駄だと判断し、自力捜索のために聞き込みを始めることにした。
翌日、ドーラ婆さんが慌てて、ギルドにきていた。
「小僧の情報を仕入れてきたぞい。だから約束通り、わしの財産返しておくれ」
エルフの女が、ドーラ婆さんの目をみる。
「どうやら嘘でないらしいね。その掴んだきた情報の真偽は不明だけど」
「話が違うではないか!!!」
「だから、婆さんにそこまで案内して貰うよ」
「よかろう。でも、わしぁの財産から酒宴代引いた状態で返す約束は守るんじゃ」
討伐隊は馬車にのって移動開始したが、飲酒運転状態だった。
何か大きなものに乗り上げたようで馬車が大きく揺れる。
「年寄りが乗っ取るんじゃ、丁寧に運転しろ」
ドーラ婆さんが悪態をついている。
馬の手綱を握り、そして酒を飲みながら
「いいゆれじゃないですかぇ」
と顔を真っ赤にしながら陽気な表情で答える。
ドーラ婆さんの案内で山賊たちのアジトの近くにまでついた。
隊長と呼ばれていたエルフが真剣な顔をして一人でアジトに向かって走っていく。
他の討伐隊のメンバーは隊長が行ったことを確認すると
その場で酒を飲みつまみを食いだし始めた。
「お前らわしぁの金でどんだけ飲み食いする気じゃ!」
ドーラ婆さんは叫ぶが、討伐隊の連中は関係なく酒宴を続けた。
山賊のアジトの中では
クロト歓迎会が行われていた。
「山賊としての一歩を踏み出したクロトを歓迎するために宴をやるべぇ。。
おめぇら、まずは敵討ち成功したクロトの胴上げだべぇ」
山賊たちはクロトの胴上げを始める。
クロトは転生前も転生後もこんなにも歓迎されたことはなかった。
転生前で言えば、胴上げをみても何とも思わなかった。
しかし、実際に自分が受けてみるととても気分が良くて、感涙の涙が溢れてきた。
「クロト、どうしただべぇ?」
「いえ、嬉しくて涙が止まらないんです」
それを聞いたらギードもクロトを胴上げしだした。
それを隠密スキルで見ていたものがいた。
討伐隊の隊長の女エルフだ。
誘拐されたはずなのに熱烈に歓迎された光景を見せられて、笑いを堪えるのに必死だった。
討伐隊の酒宴では
隊長の戻りが何時間後になるかの賭けをし始めていた。
4時間後5票
8時間後4票
1日18票
穴場 敵に捕まって帰ってこない 1票
胴元をしている隊員の袋に投票の木札と1口分の掛け金を集めていく。
全員から集め終わると突然背後から
「私の勝ちだね」
何故か隊長がいて、その袋を奪い去った。
「隊長、その…これは…遊んでいたわけでなく」
隊長は木札に書いてある時間と名前をみていく。
隊員たちはの中には酒で酔いつぶれたことにしてやり過ごそうと寝たふりをとっさにしだすものもいた。
「今から仕事だよ。寝てる連中は今回の報酬ゼロでいいんだよね?」
すると寝たふりをしてた連中も起きだす。
「よろしい。賭けは勝った連中がいないってことで全部私のもんだよ。異論はあるかい?」
「……」
「無言は肯定と捉える。ターゲットのクロトはすぐに見つかった。
胴上げされて歓迎されていたからすぐだったさ」
思い出し笑いで、いきなり笑いだすので、周りはなんと反応したら良いか分からない。
そもそも賭けをしてたことは怒ってないようだというのは伝わった。
「今すぐと言いたいところだけど、襲撃は3時間後だよ」
「……何故ですか?」
「山賊たちが歓迎会の料理を作っていたからね。酒宴で酔いつぶれている連中が居るときを狙う」
「お前らも酔いつぶれてるのが既にいるようだから、あたしが快方してあげるよ」
隊長は顔が赤くなっている隊員の腹を思い切り殴りつけて、胃の中のものを全て吐かせ始めた。
下戸で飲めない奴もいたが、難癖をつけて腹を思い切り殴りつける。
隊員全員地面に這っている。
「あんたら軟弱だねぇ。これだから若造は気合が足りないんだよ」
「た…たい…ちょう、二日酔いに効く薬草をください」
隊長は周りを見る。隊長に腹を思い切り殴られたせいで、皆ダメージを受けていた。
「確かに酷い状況ね。ちと待ってな」
すると、隊長は森に何かを探しにいった。
回復薬持ちや治癒魔法を使える者たちが、まずは自分自身の手当を始める。次に、回復手段のない者たちを回復させた。
「あのままでは俺たちは山賊を狩る前に隊長に狩られるところだった」
「仲間殺しで有名なS級冒険者様だからな。今回組まされた時は自分の不運を呪ったぜ」
「仲間に対してやってることが全て善意だから、ギルド側が罪に問えないといって、毎回無罪放免」
「毎日酒宴で現実逃避しないとやってられんよ」
「依頼は必ず成功させるから、例の少年を殺して終わりだろ?」
「いやそれが、その少年が持つレアスキルは聞いたことないのが2つあるから
王都にあるギルドまで連行するってロッキーと話してたぞ」
隊長が様々な葉をもって戻ってきた。
「あんたたち運がいいね。たくさん薬草が生えてたよ」
薬草に詳しい隊員はそれが毒草ばかりであることを見抜く。
仲間に、あれは絶対飲食してはいけないと合図する。
「隊長、見ての通り、皆元気いっぱいです。先ほどの快方ありがとうございました」
カラ元気で剣を振って見せたり、腕立てふせをしてみせたりと皆元気なことを表現し始める。
「なら良かった。でもこれ折角摘んできたから、あんたちの荷物にいれとくから」
そういうと隊員たちの荷物に毒草を適当に入れ始める。
隊長は安心して気が緩んだようで、鼻くそをほじくりだす。
善意モードから通常時のダルそうな表情に戻る。




