13.山賊のアジト
クロトは山賊に連れていかれた。
町を出るときの憲兵たちは、出る時は全く注意すらしてなかったため、荷車の確認はなかった。
どれくらいたっただろうか。トイレ休憩もないため、し尿垂れ流しの状態だった。
「お前ら、早かったじゃねぇか」
山賊頭のギドーは部下たちに声をかける。
「へい、お頭。この通り連れてきやした」
ギドーは近くにいた部下の頭を握り、地面に叩きつける。
「丁重にといったべ。これはどういうことだべよ?」
急いでクロトの拘束を取る。
そして、タオルや着替えを持ってくる。
ギドーは不機嫌そうな表情でその様子を眺める。
一通り、クロトが着替え終わるとギドーが近づいてきた。
「おらぁの部下たちが、迷惑かけてすまなかった」
クロトはいきなり謝罪されたので、驚いている。
「単刀直入に聞くが、おめぇのノーマルスキルの絶倫と巨根のスキル習得の秘伝のレシピを教えてくれだべ」
「………レシピ」
「そうだべ、まさか知らんのか?」
「実は両親が殺されて…」
クロトは出身の村で両親と兄弟が殺された話をし、レシピを知っているとしたら両親だと、事実の中に
嘘を混ぜて説明した。
「おめぇも苦労したんだな。手がかりがあるかもしれんから、その村のいって村長を血祭りにしてやるべぇ」
ギドーは部下たちに指示を出す。数人の部下がアジトから出ていく。
「とりあえず、外に出ている部下たちを呼び戻して、全員で襲撃するべ。俺たちを新しい仲間だと思ってくつろぐといい」
そういうと、部下の一人をクロトにつけて、アジトの奥の方に集落襲撃のための準備のために行くのだった。
アジトには山賊の家族も住んでいた。普通に女の山賊もいるし、彼らの子供たちもいた。
男の子たちは戦闘訓練をしていた。クロトもその訓練に混ぜて貰った。
クロトは自分よりも年下だという、自分よりも小柄な子と模擬戦をした。
結果は惨敗だ。単純なステータスではクロトの方が高いが、木刀の扱い方や喧嘩の経験の差がありすぎて
試合にすらなっていなかった。
ギドーはその様子をたまたま見ていた。
「おめぇ、そんな訓練しなくてもいいだべ」
「いえ、強くなりたいんです」
ギドーはクロトの目を見る。何か納得したような表情になる。
「おめぇの気持ちは良く分かったべぇ。朝は男子、夕方は女子と訓練時間分けてるが両方に参加していいぞ」
「はい」
「それと、おめぇの村の襲撃は2週間後だからな。もちろんおめぇも参加だ」
そういうとギドーは訓練場から去っていく。
クロトは、見張りなしの小屋を与えられていた。
近所の人が食事当番になっていて、朝晩しっかりとした食事が提供された。
貧乏な孤児院では食えなかった、ウサギ肉料理も出てきて、とても快適な暮らしだった。
「誘拐されて最高」
と心の中で叫ぶクロトだった。




