第2話 地獄の入り口
何を言われたか理解できなかった。
「は....?いやいや!死にますって!」
「御託はいいからさっさと行け。」
男に蹴って落とされた。
叫ぶ時間もなく衝撃もなく恐怖で目を瞑るとすぐに床についた。目の前には対面の形に置かれたソファとかなり重厚でがちがちに施錠された扉があった。いつの間にか男と女はソファに座っている。
「面接と説明するからお前はそっちの席に座れ。」
「はい....」
対面の形に座る。
「まずは自己紹介だ。俺がゴルゴン。こいつがカマンベールだ。」
「えっと....ふざけてますか?それとも海外の方?」
「ああ....この名前は....この組織の一番上の奴につけられたものでな....俺らが入った時そいつがチーズにはまってたからこうなっただけだ。」
「つまりコードネーム的な?」
「まあそんなとこだな。お前の名前は?」
「高峰律です。」
「律か。じゃあ俺たちの組織の説明をするぞ。俺らは噂を狩ってる。噂を喰らうでウワバミだ。」
「あなたは何を聞いてここに来たの?」
「そ、そうでした!あなた方と同じような格好の男が僕の学校の生徒の首を....あれは何なんですか!」
「なるほどな。お前が見た生徒ってのはあんまり良くないことをしていたんだろ。その生徒こそが噂だ。お前の学校内で噂が回ったか何かで実体化したものだな。」
確かにあの女子生徒は実際はどうなのか知らないがはたから見ればいわゆるパパ活のような動きをしていたように見えた。
「ほかに聞きたいことは?ないなら面接に進むけど。いや....やっぱ面接後に聞くとかでもいいから面接に進んでいいか?というか進むぞ。」
「噂に耐性がある....つまり世間の噂をあんまり信じない。もしくはぶれない自分があるものにはこの袴を着たものが見えるし俺たちの声が聞こえる。そして噂が目の前で消えてもその記憶を失わない。だから大声でこの住所を言ってそういう才能があるやつをスカウトしてるんだよ。人手不足でね。」
「私たちの仕事は主に人に被害が出る前に良くない噂や都市伝説を倒すことと宗教施設などと連携して伝説が被害を出さないように対応をすることです。私たちにはそういう仕事を任されるのでかなりの特権が政府から認められています。」
「その特権とは例えばどんなものなんですか?」
「主なものをあげるとかなり多くなるのでそれはゆくゆく。今はスパイ活動以外の殺人を含めたすべての行為が犯罪に問われないと思っててください。」
「殺人....?したことがあるんですか?噂ではなく本当の人を....?」
「ある。」「ありますね。」
いかれてる。やっぱりおかしい。逃げないと早く!
「...じ、じゃあ僕はこの辺で....あんまりこの組織はあってなかったということで....」
「噂の存在を知ったうえで日常に返すことはできない。理由は簡単、噂を使えば容易にそして意図的に出そうと思えば全知全能の存在すら出せるからだ。だからお前の選択肢は死ぬかこの組織に入るかだ。」
「....記憶を消すとかしたらいいんじゃ?」
「それをするにはこの施設の最深部の祠を使わなければならない。どうせ使ってもそこから帰る段階で記憶が戻ってしまう。」
「それで例え僕がここで死んでもあなた方は治外法権の存在だから世界に名にも影響がないと....じゃあ....まあ死にたくないので入ります....」
「よおし!じゃあこの契約書にサインな」
有耶無耶の内に逃げればいい。そんな甘いことを考えながらサインを書いた。
「おっけい書けたな。じゃあこの契約書通り戸籍はなくなるから。お前の名前は今日から正式な与名式が行われるまで新入り2号だからそこんとこよろしく。」
「は....?」
戸籍の消滅?冗談じゃない!そう思いながら焦って契約書を読み直す。別に小さくもない文字でしっかり戸籍の消滅と契約の破棄は双方の同意がないと行えないことがかかれていた。
「はは....」
顔を真っ青にして足の力が抜けソファに沈み込む。
「これからよろしくお願いしますね。新入り2号さん?」
このチーズの名前の二人が地獄の門番のように見えた。
「よし、挨拶回り行くぞ。」
ずっと見えていた重厚感のある扉が開かれた。おそらく僕にとっての地獄の入り口だなとそう思った。




