死なないでね
「もう町の中まで入り込んできてる」
ザシュ!バシュ!シャキン!
ロアルの剣の扱いは相当のもので、魔物を瞬時に闇に葬った。
「ここは私の範囲魔法で抑えるわ、二人は町の出口のほうへ」
「わかった」
シュイーーーーーーン、パチパチパチ!
シュイーーーーーーン、パチパチパチ!
ルビアの雷魔法はあたりにはじけ飛んで、魔物の群れを闇に葬っていった。
◇
「ここまでくれば……」
「おう、来たか。出口の魔物は何とか他の冒険者と協力して塞いでいる」
「さっき中に漏れてた奴らも、ルビアが一掃してくれたよ」
「二人とも、落ち着いて聞いてくれ。ここからそう遠くない北の方角からこちらに向かっている魔王軍の幹部が見えるぜ」
「!」
「敵の数は……敵の幹部が魔物の群れを、ざっと百体は引き連れている」
「敵の幹部はどんな奴なの?」
「でかい図体をした、硬い鎧に身を包んだ獣人だ。魔神の斧ラビスを携えている……」
「……」
「ここで、みんなで待ち構えることもできるが……」
「そうだね、それが良さそう。とにかく私がみんなを回復するよ」
きゅるるるるるるる、ピカーーーン!
アイラの回復魔法はあたりにじんわりと馴染んで、冒険者たちを光に包み込んだ。
「おお!僧侶さん助かった。これでまた戦えるぜ」
うおおおおおお。
「まだまだ回復するから、みんな頑張るんだよ」
「……!?ちょっと待て。……ロアルさん本当に一人で行くのか?」
「話がある。魔神の斧に興味が湧いた」
今、無心でいるんだからなるたけ話しかけないで。魔人の斧とか絶対強そうだから無理。
「そうは言ってもやっぱり一人では危険だぜ……。
これを持っていってくれ。俺が持っているありったけの薬草だ。
危なくなったら逃げる。町に向かって走れ!約束な!」
「まいる」
行きたくない。
「ロアル様本当に行くんだね……。私では足手まといになるからついてはいけないけど……
せめてこの攻撃力が上がる魔法をかけてあげるね、必ず戻ってくるんだよ」
アイラのバフ魔法はロアルの体にじんわりと馴染んで、全身を光に包み込んだ。
「助かる。攻めて攻撃あるのみだ」
助からない。せめて防御力上げて。
「うん、うん……死なないでね」
そしてロアルは一人、魔王軍幹部のもとへと駆けていった。
◇
ザシュ!バシュ!シャキン!
ロアルの剣の扱いは相当のもので、魔物の群れを瞬時に闇に葬った。
話では、このあたりに敵の幹部が?
「ぐわははは、誰が来たか思えばたった一人の冒険者か」
「精々喋るんだな。私は正常だ」
喋るな。俺の感情を乱すな。
「どうやら言葉は何もいらないようだな……いざ」




