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大事な話がある


「王宮に報告するにも、まずは王都に行かなきゃならないんだよな?」


「ルクスは何にも知らないのね、王宮は王都の中にあるに決まってるじゃない」


「そうだ。都会の者は知っている」

 そうだったのか。田舎者だから知らなかった。


「そうだよねぇ。私たちは日々、都会の人間になりつつあるんだもんね」


「俺は田舎者だから知らなかったんだよ……」


「どちらにせよ、王都に行かなきゃね。でもその前に近くの町をまず目指しましょう」


「さっきの戦闘で、だいぶ疲れちまったしな」


「町で少しでも休めるといいよね」


「そうね。次の町は割と大きい町だし……。

急ぐ気持ちはわかるけど……。ここは一日、休んでいきましょうか?」


「私はまだやれる」

 俺も休みたいかな。


「ロアルさんはそうかもしれないけど……。悪い、正直俺たちはそれなりに疲労している」


「うん……。幹部クラスと戦うのは、やっぱりとっても疲れるんだよね……」


「そういうことだから……。みんな、今日はしっかり休んで明日こそ王都に行きましょう」



「……じゃあ明日の朝、町の出口付近に集合よ。できれば朝早くに出発しましょう」


「ほーい」


「この町にはどんなお店があるのか……。わくわくだね」


「各自、自由行動時間だけど、時間を有効に使ってね。それでは解散!」


「じゃあ、俺はお先に!」


「……ねぇルビア、一緒にこの町を見て回らない?」


「え……?ごめんね、今はちょっと……」


「ああ……そういうことね。じゃあまた夜にでも」


「うん……。夜に宿屋で話そうね」


「おスイーツ、おスイーツのお店はどこだあ!」


「……」

 無心。無心。


「ロアル……大丈夫?」


「問題ない」

 普通に疲れた。


「さっきの戦闘で怪我はしてないまでも、体力を消耗したでしょ?」


「そうじゃない……」

 そうそう。スキル天邪鬼に勝手に行動されても疲れるんだよな。


「もう……これ以上無理しないでね。あと少しできっと普通に話せる日が来るんだから」


「良くない」

 だといいけどな……。


「ねえ、あそこのベンチで、少し休みながら二人で話でもしない?」


「いや……」

 ああ。



「それでね……」


 ルビアの話は聞いているつもりだった。

 でも迂闊に発言できなかった。

 俺は話しをしているルビアを横目に、自分の考えを整理していた。


 俺は薄々気付いていたんだ、ある問題があってな……。

 スキル天邪鬼を消そうとしたら、やつはその逆で消させないように反発するんじゃないかって思ってる。

 俺の行動にすら制限をかけて。

 そしたら仮に王都で伝説の魔法使いを見つけても、意味がないんだ。

 いや、その前に見つけれないように仕向けられるかもしれない……。


 一つ希望があるとすれば……。

 俺は最近、無心でいることにも慣れてきた。

 だから、何とか伝説の魔法使いに会いに行くまでの間、無心を貫き……。

 そして……その時がきても無心でいて、あとは仲間に助けてもらい何とかしてもらう。

 それしかない気がするんだ……。


「ねえ?私の話ちゃんと聞いてた?」


「ああ、聞いていた」

 ごめん、聞いてなかった。


「今は反対の事言ったんだね……。わかるよ、私」


 今この場で、言っておくしかない気がするんだ……。

 なぜなら、俺にもルビアの心が見えたから。


「……どうしたの?」


「どうでもいいことを言わない」

 大事な話がある。


「うん。……わかった。ちゃんと聞いてるね……」


「……協力するな。ぐちゃぐちゃに思わない」

 協力してほしい。なるたけシンプルに思いを込める。


「うん……」


「以前は、とっても考える……」

 今後は、無心にならなくてはならないんだ。


「わかったよ……。理解……出来たよ……」


「とても話す」

 話せない。


「うん……。もう話さなくていいんだよ……」


「……」

 無心。無心。


「仲間には……あとで話しておくね。明日はきっと……本当のロアルに会うからね」


「……」


「泣いても許さないよ」


「……」


「私も天邪鬼してみたの?どう?」


「悪魔」

 天使。


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