なんて慈悲深いの……
「本当に今回はどうもありがとう、おまけにやつを転移までしてもらって……」
「困ったときはお互い様ですよ」
「優秀な冒険者がこんなところにいたとは……」
「でしょでしょ?」
「ゴスロリに言われても、全く信用性がないぜ」
「どうか、これを貰ってくれ。今はこんなものしかなくて申し訳ないのだが」
「そんな……」
「出されたものは、もらっておいたほうがいいぞ」
「ご厚意は、有難くいただきましょ」
「そんなものは、手持ちの邪魔になるだけだ」
お礼は、ありがたく頂こう。
「もー、ロアル様ったら。こういう時いつもツンデレになるんだから」
「俺は前に聞いた、私は剣しか持つ手はないのだ。……の方が好きだったぜ」
「戦士様、気になさらないでください。ロアルは本当はお礼を言ってるんです」
「ああ……そうなのか?では……これを」
「……これは!お金と、魔力回復の実と、金塊!?」
「わお!」
「こんなにたくさん貰っていいのか!?」
「もちろんだ。むしろ、それ以上の働きをしたと私は見ている」
「ありがとうございます」
「助かります!」
「ああ……。これが夢にまで見た本物の金塊なのね……」
「私は礼は言わない」
ありがたい。
「もし王都のほうに行くことがあったら、何でも言ってくれ。力になろう」
「ありがとうございます。何かあればそうさせていただきますね」
「何か、色々と無事に済んで良かったな……」
「ルビア、金塊をもっと近くで見せてよ……」
◇
「ふう……。一時はどうなることかと思ったぜ」
「無事に事件を解決できて、本当に良かった」
「これでお金にも魔力にも余裕ができたね。さいこー!」
「……しかし、何故あんなところに獣人がいたんだろうな」
「それにここは賢者様が結界を張っているはずなのに、たぶん力が衰えてなかったよね」
「奴は雑魚だった」
とても強かった。
「確かにロアル様にとっては、そうだったみたいだよねぇ」
「まさか、賢者様自身の力が衰えたとか?」
「いいえ、その考えは当たってないわよ。確実にこの辺りには結界の力が張り巡らされているわ」
「そうかぁ、じゃあなんでなんだろうな」
「もしかしたら、回復の泉が暖かかった事と何か関係があるのかしらね?」
「普通じゃない、ぬるいお湯だった」
いつもなら冷たい水なのにな。
「確かにあんな回復の泉は見たことがなかったな」
「きっとそうだよ。あの獣人が回復の泉に何かをして結界の効果を打ち消したんだよ」
「おぅ……。それってひょっとして、早く王様とかに報告しないとまずいんじゃないのか?」
「確かに、もしまたこんなことが起きたら一大事かもしれない……」
「報告は必要だ。ゆっくりでも王宮へ行き、普通の兵に話そう」
報告は必要ないから、早く王都へ行って伝説の魔法使いを探そう。
「ロアル様……なんて慈悲深いの……」
「さすが、ロアルさんだぜ」
「……確かにこの事を早く知らせて急いで対処しないと、王国は大変なことになるかもしれないわ」
「私は言葉にできない」
まあみんながそこまで言うのなら……。
「そうだな、詳しい事はルビアから話をしてもらおう」
「こういう時は、ルビアが一番頼りになるんだもんね」
「そ、そう?みんながそう言うのなら、私が話す役目を引き受けるけど……」




