なんて人たちなんだ……
◇
「まさか、こんなところで幹部クラスと出会うとはな……」
「獣人!」
「どうしてここに!」
「俺は魔王軍じゃない、信じてくれ。ただ回復の泉で休んでいた、ただの獣人だ」
「本当か?」
「戦士様、信じちゃダメ。こいつ絶対何か企んでるよ」
「自分を信じろ」
相手を信じるな。
「……確かにそうだ。何故獣人がこんなところにいる。場合によっては……」
「ほんとだって、異種族だからって魔王軍じゃない者もたくさんいるだろ?」
「気をつけろ!みんなの言う通りだ!服の隙間に隠し持っている槍が見えているぞ!」
「何!?」
「ふふふ、見破られたら仕方ない、今だっ!」
「みんな、伏せろっ!」
どかーーーーーーーーーーーーーーーん。
◇
「……何とか、バリアが間に合ってよかったわ」
「魔法使い殿、助かりました」
「あれは、魔神の槍ラビルニルじゃないか!?」
「通りでこんなにも強いわけね……」
「……こうなったらここでやるしかない。すまない、皆さん手を貸してくれるか?」
「もちろん」
「そのつもりだぜ」
「敵の魔弾に気を付けて、戦いましょう」
「あなたは弱い。わたしがやる!」
戦士様はお強いんでしょ?頼んだ。
「なにっ?」
「あ、ロアル様また一人で突っ込んでいって……」
「こうなったら、ロアルをみんなで全力で援護よ」
「よしっ!」
ザシュ!バシュ!
ザシュ!バシュ!
きゅるるるるるるる、ピカーーーン!
シュキン、シュイン!
シュキン、シュイン!
「やるな」
「私はやれない」
お前もやるな。
「俺を斬れないとな?」
「お前の魔弾なんて、全然平気だ」
魔弾、それに触れると人の細胞は壊死すると聞いた。とても怖い。
「なんだと?」
「悔しいなら、やってみろ。ははっ」
違います、怒らないでね?
「……なら、ご希望通りやってやるぜ……おらあああああ!」
獣人は槍を振り翳し、魔弾を放った。
ぎゅるるるるるるう!
さすがにあの魔弾の一撃はやばい。ここは逃げるしか……。
バシュ!シャキン!
ロアルの剣の扱いは相当のもので、魔弾を瞬時に闇に葬った。
「俺の魔弾を真っ二つにしただと?」
◇
「皆さん、聞いてくれ。誰か拘束の魔法は使えるか?」
「私、少しだけなら……」
「そうか……やつを殺すわけにはいかない。
捕えて情報を聞き出さねばならないんだ。
少し使えるだけでも、相手を十分に弱らせれば捕まえることは可能だろう?」
「はい……おそらく」
「なら、俺たちは全力でサポートするだけだな」
「仕方ないね」
「では剣士君と私でやつを弱らせる。そしてその後は魔法使い殿、頼んだよ」
「わかりました。できるだけやってみます!」
「ルビア……頼んだよ!」
◇
ザシュ!バシュ!
ザシュ!バシュ!シャキン!
ロアルの剣の扱いは相当のもので、獣人を瞬時に闇に葬った。
「私も加勢する……!ん?敵が見当たらないが……?」
「まだだ、まだ終わらんぞ」
もう、終わりましたよ。
「え?」
「ルビア!敵はその場に倒れている!今だよ!」
しゅわわわーん、カチ!
獣人はルビアの魔法の檻によって、捕らえられた……。
「やった!」
「ついにやったんだな?俺たちが……魔王の幹部を捕らえた!」
「ふぅ……何とかなって良かった……」
「なんて人たちなんだ……」




