206. 本と料理とみんなでご飯
平日の夜はずっとペンの試作をしてたし、お休みの日はルシカやゲオーグとお出かけしたり、魔術の勉強をしてたけど、来月には出立する。
その前に料理とポーションの作り方も勉強したいと思って、お休みの日に図書館へ行った。
騎士団にも図書館はあるけど、武器とか魔術とか、魔獣とか、戦いに関する本は置いてあるし寮に借りて帰ることもできるけど、料理やポーションの本はなかった。
まずポーションの本を選んだ。
色んな薬草をすり潰したり煮たりして作るみたい。薬草の量や手順をしっかり守らないと上手くできないし、変なものを混ぜると成分が反発して危険みたい。
たくさん種類があるし、これは全部書き写すのは無理だと思った。
ポーションの作り方は本を買おう。
寮に置いておけばいいし。
次に初心者用の料理の本を選んだ。
切って混ぜて挟むだけのサンドイッチの作り方とか、スープの味つけのやり方とか、野菜の切り方も載ってた。
僕は切って混ぜて挟むだけのサンドイッチの作り方をメモして、図書館を出た。
本屋さんに行って、ポーションの作り方の本を買った。本って高いんだ・・・
銀貨1枚だった。
本を鞄にしまうと、次はパン屋さんでパンを買って、野菜屋さんでキャベツを買った。
加工肉屋さんで、塩漬けされた肉を茹でてほぐしたものを買って、ハーブとか小麦粉を売ってるお店で、塩と乾燥したハーブを買った。
あとはオイルとビネガー。
どこに売ってるんだろう?
「あれ?シュペアどうした?荷物重そうだな。」
「コッホ、僕サンドイッチ作ってみようと思って、材料買ってたんだけど、オイルとビネガーがどこに売ってるのか分からなくて探してたの。」
「おーそうなのか。オイルはオイル屋だ。ビネガーは酒屋にあるぞ。」
「そうなんだ。ありがとう。
コッホは何してたの?」
「俺は別に何もしてない。暇だから街で何か面白いものがないか探してただけだ。」
「そうなんだ。」
「サンドイッチ、一緒に作るか?」
「いいの?1人だと少し不安だったから嬉しい。」
「じゃあオイルとビネガーを買いに行こう。」
「うん。」
僕たちはオイルとビネガーを買うと寮に戻った。
食堂のテーブルに材料を置いて、図書館でメモした作り方の紙も出した。
「たくさん買ったんだな。」
「買いすぎたかな?」
「キャベツは余ったらスープにすればいい。それでも余ったら乾燥させて旅に持っていってもいい。」
「そっか。」
パンを切って、キャベツを細く切って、オイルとビネガーと塩とハーブを混ぜた。
あとはそれぞれ挟むだけ。
簡単だった。料理って簡単なやつは僕でもできるんだ。それが分かっただけで嬉しい。
野菜を刻む時の木の板と、野菜を切るナイフはコッホが貸してくれた。
そっか。道具も必要なんだ。
スープも作った。スープに入れるハーブと、コッホが作ってる乾燥野菜をもらって入れて、スープは完成した。
たくさんできたから、ゲオーグにもあげようと思って部屋を訪ねたけどいなかった。
ルシカは彼女のところに行ってるからいない。
食堂に戻ろうと歩いてたら、前からメーヴェとシュヴェアトが歩いてきた。
「おーシュペア。何してんだ?お前も一緒に行くか?」
「メーヴェとシュヴェアトはどこかに出かけるの?
僕はこれから食堂でご飯食べるの。」
「今日は食堂は休みだよー」
「うん。だからパンとか買ってコッホに教えてもらってサンドイッチとスープ作ったの。それでたくさんできたからゲオーグ探しに来たけどいなかった。
メーヴェとシュヴェアトご飯まだなら食べる?」
「食べる〜
シュヴェアトー、今日の昼代浮いたー。」
「シュペア、俺たちが食べていいのか?」
「うん。余ったらどうしようかと思ってたから、食べてくれると嬉しい。」
僕はメーヴェとシュヴェアトを連れて食堂で待つコッホのところに行った。
「あれ?ゲオーグを呼びに行ったんじゃなかったのか?」
「うん。いなかったから、寮にいた2人を連れてきたの。」
「そうか。じゃあ食べるか。」
「うん。」
みんなで食堂のテーブルで食べた。
誰かに食べてもらうのはドキドキしたけど、美味しいって食べてくれたから嬉しかった。
「僕、みんなの制服じゃない服着てるの初めて見た。」
「あれー?そうだっけ?」
「みんなお洒落で格好いいね。似合ってる。」
「あぁ、メーヴェはな。」
「メーヴェは確かに格好いいけど、コッホとシュヴェアトも格好いいよ。」
「そうか?」
「可愛いシュペアに言われると嬉しいねー」
「メーヴェは今日は髪の毛ちょっと編んでるんだね、それ凄く可愛い。僕ももっと長くすればできるかな?」
「でしょー、これシュヴェアトにやってもらったんだー、シュシュシュって一瞬で編んでくれる。」
「シュペアの髪でもできるよ。やってあげようか?」
「いいの?やってほしい。」
「シュペアは長さがないから紐で縛るよりピンで止めた方がいいな。ピンを持ってくる。」
シュヴェアトはピンってのを取りに行った。
「シュヴェアトはお姉さんがいて、髪を編んだりするのをよくやらされたんだって。
だから上手いんだよー
休みの日とか、シュヴェアトに髪を編んでもらって、その代わりに俺が服を選んであげてる。」
「そうなんだ。」
「へぇーお前ら休みの日によくつるんでると思ったら、そういうことだったのか。」
シュヴェアトはすぐに戻ってきた。
「これがピン?」
「そうだよ。これで髪を留めるんだ。朝に顔を洗う時とか邪魔な時に髪を留めておくこともできる。」
「そんなのあるんだね。」
「花とか飾りがついたのは、女性がよく付けてる。」
「見たことあるかも。街で頭に花付けてる人はピン付けてたんだ。」
シュヴェアトは、クシというので髪を梳かしてくれて、左側の髪を編んでピンで止めてくれた。
「どう?似合う?」
「うん。似合ってるよ。シュペアはやっぱり可愛いなー」
「あぁ、似合うな。」
「似合ってる。」
髪の毛を編むのゲオーグもできるかも。
ゲオーグは前に草を編んでたし。
「シュヴェアトの服はメーヴェが選んでるの?」
「あぁ、そうだ。
俺は服のセンスがないから、メーヴェに買う時も一緒に行ってもらって、選んでもらっている。」
「2人は仲良しなんだね。」
「そうだよー」
「うん、まぁそうかな。」
「シュヴェアトはなんていうかー、こう立ち姿がシュッとしてて、キリッとしてるから、一緒に歩いてると女の子が寄ってくるんだよねー」
「俺ではなくて彼女たちはメーヴェに寄ってくるんだろ。」
「お前ら、そのためにお洒落してたのか・・・。」
「そうなんだ。嫌じゃないの?」
「んー?なんで?」
「中隊長がラジリエンの王都で、いっぱい女の人に声かけられたり触られそうになって、嫌がって結界で弾いてたから。」
「あ〜中隊長は次元が違うからなー
それにしても結界で弾くって、あの人は街でも結界張ってんのかー」
「うん。軽く雷が落ちるやつで、バチってなって女の人はみんな逃げていってた。」
「まさかの攻撃付きか。」
「中隊長は奥方様以外の女性が嫌いだからな。」
「そうなの?そっか。それで結界で防いでたんだ。」
「だな。」
「モテ過ぎるのもしんどいんだなー。」
「俺は嫁だけでいい。」
「え?コッホは結婚してるの?寮に住んでるよね?」
「あぁ。嫁は領地にいる。今回は戻らなかったが、だいたい週末には領地に戻る。通うには遠いからな。
1人で王都の邸に住むのも寂しいから寮に住んでるんだ。」
「そうだったんだ。領地もあるんだ。」
「小さいがな。」
なんか今日は、みんなの色んなことを知った気がする。
「じゃあ俺たちは街に遊びに行ってくるねー、シュペアお昼ご飯ありがとうねー」
「シュペア美味しかった。ありがとう。」
「うん。食べてくれてありがとう。行ってらっしゃい。」
メーヴェとシュヴェアトは出かけて行った。
「さて、俺らも片付けるか。」
「うん。そうだね。」
片付けが終わると、僕は部屋に戻ってポーションの作り方の本を読んだ。
これは僕が初めて買った本。
大切にしよう。
閲覧ありがとうございます。




