199 何? バイトというものは働かなきゃ駄目なのか?w
ひゅるりら~
まさに今の僕とエリスの周りはそんな状況。
それに比べて、孔明コスR-1号、呂布コスR-2号のの周りは黒山の人だかり。
「はいはいはいはい。道を開けてね」
「おさわりは駄目よ。おさわりは。下総屋で買い物してくれた良い子には後で握手ができるからね」
女性陣がR-1号、R-2号に触らないように仕切る老谷のじいちゃんと三太さんの義兄弟は盛んに仕切り、後ろでは貂蝉コスのねこや先生がR-2号に近づく不届き者がいないか、鋭い視線で絶賛監視中だ。
R-1号、R-2号と握手するための商品購入でレジカウンターは大混雑。
「すみませーん。レジ応援お願いしまーす」
先輩バイト有象さんは思わず悲鳴。大慌てで駆けつける悪役令嬢コスの琴理さん。うーん。おちゃらけてはいるけど仕事ぶりは真面目なんだねと感心する僕。
犬咲店長は言えば、R-1号、R-2号の握手会に備え、大急ぎで長テーブルと椅子の用意。追加でチェキとかサインとか老谷のじいちゃんが言っちまうもんだからそっちの準備もいるよね。
ってエリス。考えてみれば、僕とエリスだって下総屋のアルバイトじゃないかっ! こんなところでプロレスごっこしている場合かっ! エリスッ! すぐに卍固めをほどけ。犬咲店長を手伝いに行くぞっ!
「何? オキムネ。ギブアップか? おとなしく『金塊』を渡す気になったか?」
アホか? んなこと言っている場合かっ! 僕たちもバイトなんだから仕事しなきゃ駄目なの!
「何? バイトというものは働かなきゃ駄目なのか? あたしは皇帝だぞ」
その言葉に全身の力が抜け、床に倒れこむ僕。その拍子にエリスの右手と右足のフックが外れた。チャンス!
僕はゴキブリのように四つ足でカサコソと脱出!
「あ、こら。オキムネッ! 逃がさんぞっ! 誰か殺虫剤持ってこいっ!」
残念ながらR-1号もR-2号も老谷のじいちゃんも三太さんも取り込み中だよん。それ、逃げろー。
「待てー。待たんか。オキムネーッ!」
ふははは。待てと言われて待つ奴はおらん。
四つ足走行はかなり恥ずかしいが、はっきり言って誰も見ていない。全員がR-1号、R-2号ご一行に注目か、レジの順番待ちか、下総屋で買う品物選びに夢中だ。
犬咲店長―、セッティングの手伝いに参上しました。
「ああ助かるわ。じゃあね……」
「待てー。オキムネッ! デートはまだ途中だっ!」
エリス。どこの世界にバイト中にプロレス技をかけるデートがあるというのだ?




