第一章ー「五月雨」ー(5)
起きたら外はきれいな夕暮れだった。僕が起きたらすぐ君は起きてしまうので、めったに君の寝顔を見ることはできない。
「おはよう…。」
まだ少し眠そうな目をこすりながら君は僕の方を向くように寝返りを打った。
隣に彼女がいるという現実を改めて感じた。こうやって二人で昼寝するのはいつぶりだろう。布団の中で君は腕をそっと僕のほうへ回した。僕も右腕を回して君を引き寄せた。
そうして…少し悩んだのだけれど、僕は右手を君のシャツのボタンにかけた。君は少し驚いた風にも見えたが、すんなりと受け入れてくれた。
約3ヶ月ぶりのご対面なのだが、その間いやらしいことを全く考えなかったと言ったら嘘になる。だけど君の身体を見ると、いやらしい気持ちよりもただ純粋な気持ちで触れたいという気持ちのほうが大きくなっていった。陽は赤々と部屋を照らした。ゆっくりと、布団の中で君の衣服はほどけていった。僕の脈は速かった。
「あたしな、ちょっと大きくなってん。」
高校生の頃から付き合っていた僕らだが、彼女の胸はとても小さかった。というよりも全体的にかなり痩せている。しかし胸が小さいことは彼女のたくさんある(らしい)コンプレックスのひとつだった。こっそりと彼女が発した言葉はつまりそういうことである。
君にそっとふれた。確かに大きくなっている…か?…
徐々に身体は熱くなっていく。こうして長い時間二人は愛を確かめ合った。
実際長いと感じた時間は1時間もなくて、それでもお互いの肌を感じられたので幸せな感情が膨れていった。少し息が上がった君は上の服だけ着ると恥ずかしそうに布団の中にうずもれた。布団から顔だけちょこんと出ている君がかわいらしくて、僕はもう一度キスをした。
余計に恥ずかしくなった君はもぞもぞと布団の中に隠れてしまった。




