表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/382

第77話 光の王の声が響く時 ― 晩餐会開宴

広間に流れていた音が、ひとつ、またひとつと静まっていく。


先ほどまで淡く光を落としていた星々の灯飾とうしょくも、

今はただ、静まり返った広間を照らしていた。


そして――


その最奥さいおう、光の玉座ぎょくざ


ゆるやかに、しかし揺るぎない威厳いげんをまといながら、ルクヴェル王アウレイン・ヴァル・ルクヴェルが立ち上がる。


その瞬間、広間全体が深い沈黙ちんもくに包まれた。


レンセリオンでさえ、わずかに背筋を正す。

侍女も騎士も、高官こうかんたちも、動きを止める。


王が一歩、前へ進んだ。


淡い金の灯りが王冠おうかんふちを照らし、その姿はまるで――秩序ちつじょそのものが形を持ったかのようだった。


やがて、アウレイン王の声が広間に響く。


「遠方よりこの地に集いし若き光たちよ。

ルクヴェルの名において、心より歓迎する」


その声は深く澄み、言葉そのものが空気を整えるようだった。


王立学舎おうりつがくしゃでの学び、そして本日の修了しゅうりょう――

それは、世界に新たな希望が芽吹めぶいたあかしでもある」


リリナは、そっと息を呑んだ。


エリオン、ユリウス、レヴィアンも、自然と姿勢を正した。


王は、まっすぐに四人へ視線を向ける。


「セレリオス、テルメナ、アクエリシア。

そして――セレフィアの姫君」


その視線がこちらへ向いた瞬間、思わず、息が浅くなった。


「ルクヴェルに学びを求め、よくぞ光を胸に刻み、今日の日を迎えた」


そして、言葉がわずかに柔らぐ。


「若き皆の歩みは、やがて七国の未来を照らすだろう。

この晩餐会ばんさんかいは、その門出かどでを祝福するためのものだ」


王は一度、静かに息を置き――


リリナへだけ、わずかに深く目を向けた。


「セレフィアの光よ。

……その輝き、いずれこの国とも強く結ばれんことを」


その言葉の意味を、リリナはすぐにはつかめなかった。


けれど、胸の奥に小さな違和感だけが残った。


その視線が、静かにリリナを捉える。


レンセリオンの横顔が、わずかに強張こわばる。


エリオンの胸の奥で、何かが小さくきしんだ。


誰も言葉にはしない。


だが確かに――

その場には、未来の予兆よちょうがあった。


アウレイン王は手を広げ、静かに宣言する。


「若き諸君しょくんの修了をたたえ、ここに――晩餐会の開宴かいえんを告げる」


その言葉とともに、光の大広間が再び息を吹き返した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ