第211話 七つの魂、黎光の翼が示す道
黎光鳥アウル・ルミナリエの背に乗る夢を見ていた。
「アウル。私は――セレフィアが大好きです。」
広大な翼の上。
その背は、驚くほどあたたかかった。
見渡す景色は――
息を呑むほどの大自然。
草木の香りが風に溶け、空気はどこまでも澄み渡っている。
セレフィアの大樹から生まれた“黎光の川”は、
国境を越え――
アクエリシアの聖湖へと、静かに注いでいた。
そのすべてを包むように。
アウルの声が、胸の奥へ響く。
「あなたが持つ“希望”の魂は――
すべてを繋ぐための“最初の灯”です。」
光の粒がふわりと舞い、
アウルの翼がやさしく脈動する。
「七つの魂が揃うとき――
失われた循環は、再び巡り始める。」
その声には、厳しさと慈しみが同時に宿っていた。
まるで、大地そのものが語りかけてくるように。
「恐れなくてよい。
あなたは――ひとりで歩くのではありません。」
その声音は、確かに微笑んでいた。
「慈しみの湖は、すでにあなたの傍に在る。
その心は、誰よりも静かに――あなたを守ろうとしている。」
リリナの胸が、熱を帯びて揺れる。
その瞬間――
空に、七つの光が現れた。
それぞれが“焦点”となり、異なる輝きを放つ。
「勇気の獅子。」
「知恵の風。」
「大地の守り手。」
「静影の狼。」
「慈しみの湖。」
「雷の蝶。」
そして――
最後の光が、やわらかく花開く。
「そしてあなた。
黎光の花――“希望”の魂。」
アウルは大きく翼を広げた。
風が、世界そのものを撫でていく。
「七つの魂を、その胸に刻みなさい。」
一拍。
「そして――
影の世界へ繋がる扉を、開きなさい。」
光が満ちる。
すべてが包まれ、
リリナは――
あたたかな風の中へと、静かに沈んでいった。




