表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢にそんな『力』はありません!  作者: 黒い猫
第八章 違和感を抱いて
24/36

第3話


 そんな中、キュリオス王子はあの『アリア・ウォーレン』とさらに仲良くなり、出かけた先で事件に巻き込まれた。


 もちろん。そんな事が起きれば当然国王陛下や王妃様の耳にも入り、彼女の存在は王家の知るところとなった。


 ――思えば、あれで私の心は吹っ切れたのよね。


 元々彼女の魔法の力が自分とは段違いである事は知っていた。それに加えて「才能」もあるとくれば、イリーナが彼女に勝てるのはせいぜい『身分』くらいだ。


 しかし、実は国王陛下はどちらかと言うと昔からの「身分制度」を変えようと尽力している人物でもある。


 そんな人が魔法の力も才能もある彼女を悪く思う事はないと分かっていた。


 そして、イリーナ自身もたまに王宮で見かけるキュリオス王子の姿を見ていた。ただ、当のアリアは「目立ちたくない」と思っているらしいが。


 ――でも、いつかは少なからず目を付けられていたんじゃないしら?


 どのタイミングになったかは分からないが、そう思う。


 イリーナとしては「羨ましい」と思う気持ちがなかったワケではなかったが、アリアが自分の立場を重々理解していた事は分かっていたので特に妬みや嫉妬を抱く事はなかった。


 むしろ、突然王家との関りが出来て困惑しているであろう彼女に同情すらしていたくらいである。


 ――そこから私も自分の「今」に向き合う様になったのよね。


 ただ、リチャード王子と婚約してからというもの。以前はほとんどなかったお茶会の誘いや今まで散々「悪役令嬢」と言っていた令嬢たちが「そんな事ありましたか?」と言わんばかりに笑顔を振りまいて来た。


 ――あそこまでいったらむしろ恐怖ね。


 言った本人たちは当の昔の事で都合よく忘れているのかも知れないが、こういった事を言われた本人はよーく覚えているモノ。


 ただ、リチャード王子の今後の付き合いの事などを考えると無下にする事も出来ず、そもそもどうして良いのか分からずとりあえず適当に対応している。


 ――それが悪かったのかしら?


 しかし、それと学校に入学した事を差し引いてもリチャード王子がイリーナと会う回数がかなり減っているのは事実だ。


「失礼致します」


 そんな事を考えていると、頼み事をしたフィーユが戻って来た。


「――随分と、早かったのね」


 むしろ一日もかからず分かるとは。


「そう……ですね。ひとまず簡単なご報告を」

「ありがとう。それで……どうだったのかしら」


 そう尋ねると、フィーユは小さく息を吐く。


「お嬢様の懸念されていた通りです。調べた結果、どうやら今年の入学者の中にリチャード殿下の初恋の方だと思われる方がいらっしゃいました」


 ――こういう時。言葉を濁す事なくキッチリと言ってくれるのはありがたいわね。


 実はたまにこういった場面で主人の事を思うあまり口ごもってしまう使用人はいる。


 フィーユからしてみれば「それが仕事ですから」と言われてしまえばそれまでだが、今のイリーナにとってはこのフィーユのハッキリとした報告がむしろありがたかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ