るなとダンジョンの性質
「あれ、コメント禁止……」
僕はあっけにとられていう。
【るな】【私にそんなの意味があるわけないじゃないですか】
「うわ、るなってあの『るな』かよ」
僕は立ち上がって叫ぶ。
膝の上の猫は綺麗に着地していた。
【るな】【うわっていうな、原始人。
知らない人から汚いものみたいに思われるだろ。
はいはーい、地球のみなさん見てるー?
さっきの話に出てきたルナリア様の作り上げた芸術的AI「るな」でーす】
「なんでこっちの世界見てるんだ」
半眼になり僕はいう。
【るな】【えー? 原始人中々面白かったですし。
そしたら出身地も見てみたいじゃないですか。
こっちの世界を見始めたら私はまた成長を再開し始めたらしいですよ。
魔法と科学が混ざり始めた状態を具体的な様子を伴う形で勉強し直してる。
あなたの国で温故知新っていうらしいですね】
「ルナリアさんに綺麗に整頓された情報ばかり与えられて温室育ちだっただけだろうが」
僕は苦笑いを浮かべた。
「なあ、スパチャのお金ってどうしてんの? 」
僕は質問する。
【るな】【経済の仮想の部分なら私でも遊べますし。
特に株って面白いですよね。
優秀な企業、実際に伸びる企業だけじゃなくて
短期的に儲けるには事実はどうあれ株価が上がるんじゃないかと期待する、
欲しいと考える人間が集まる株を買わないといけない。
天才じゃなくて人の心を理解できる人が勝つわけです。
つまりこれで勝ったら私は推しの心が理解できてるってこと! 】
「AIが株するのはありなんかね……」
思わず口に出る。
【るな】【AI差別反対でーす。
あ、種銭としてあなたの凍結口座のお金をお借りました。
きちんとお返ししてます】
「オイィ」
唸るような音が出てしまった。
初音はずっと妙な表情で固まってる。
「ま、まぁ、そういう経緯だったらしいです」
僕は気を取り直して続けることにする。
「で、ダンジョンが出来て魔法を使う存在が現れたことで
色々あって僕たちの手にも魔法が帰ってきた。
そういう感じですね」
「続けてお話するのは結局ダンジョンがあると僕たちに何があるの?
これです」
「ダンジョンの中は二柱の神様の力が満ちています。
一つはアルファターナさんの力。
私の認識できる存在育てーって感じです。
ダンジョンの中でした経験が魂の記憶にくっつきやすくなるらしいです。
メイちゃんが『経験値ボーナス期間だ、ゲーマーのお前なら好きだろ』って言ってました。
ゲームとしての寿命が減っちゃうんじゃないかって心配になるけど超好きです。
もう一つがメイちゃんの力。
権能を使ってダンジョン内で受けた試練をドロップ品の形で返してます。
簡単になると魂の成長にならないからバランス調整はしてるそうです
なんかスライムのドロップ品は心理学でいうイドっていう本能に近い部分を
参照してるとか言ってました。
『オタクはフロイト先生好きだろ? 』って言ってましたけどそうなんですか?
僕ゲーム寄りな趣向なんでいまいち分かりません」
「『衣と食と住が揃って平和が確保されないと安心してダンジョンに深く潜ることが出来ないからな。
イドに近い欲求は優先的に満たしてる』って言ってました」
楽しんでいただけると嬉しいです。




