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魂と亜神と神様

「僕はさ、最下層に到達したわけだけど」

座った僕は結城さんの家のシャム猫を膝に抱き上げながら話し出す。

あざとく見えなければいいのだけれど。


「そこにいたのは二柱(ふたり)の神様だったんだ。

 ダンジョンを抜けることだけを考えて頑張りすぎた僕は

 身心ともにボロボロで大変お世話になったよ」


僕は訥々と語っていく。

「そこで過ごしている間に聞いたんだ、ダンジョンが作られることになった経緯」


「この話には三柱(さんにん)の神様が出てくるんだ。

 ここで神様って何? ってお話になる。

 多分地球で神様って何? って聞いたら文化圏、宗教、個人で全然違う答えが返ってくるから

 ここは僕にお話を聞かせてくれたメイダールさん、

 地上でいうダンジョン女神ちゃんの基準でお話をしようと思うんだ」


「魂は生き物に宿って経験を積んでいく。

 経験を積んだ魂が宿った生き物は複雑なことが出来るように進化する。

 これを繰り返していくらしいんだ。

 普通はちょっとずつ成長していくらしいんだけれども

 ある時壁を超えたように色々出来るようになるらしい」


「これを位階が上がるってメイちゃんは言ってた。

 僕に分かりやすい表現をするなら経験を積んで成長することはレベルアップで

 位階が上がることはランクアップみたい」


「魂が経験したことは蓄積していくだけで体の側に戻ることはほとんどないみたい。

 ただ例外として戻ることがあって虫の知らせっていうものの一部や

 前世の記憶があるって人なんかがそうみたい。

 メイちゃんが『お前の国で流行ってるだろ、転生者。あれだ!』

 って言ってたけど僕はダンジョンの中をずっとうろついてたから知らないんだよね」


「こうしてランクアップしていって魂と体が成長していったら

 ある時から魂の側の情報を体からも参照できるようになるんだって

 この状態を亜神っていうらしいよ」


「ゆっくりとではあるけど今まで生きてきた人生とは違う価値観を持った生涯が

 いっぱい頭の中にできてくるから混乱するって言ってた。

 この辺りから単純な生命の論理や能力からは離れていくんだって。

 僕たちに分かりやすくいうなら神様になる前の思春期って言ってた

 メイちゃんが『お前たちに分かりやすくいうなら化粧しちゃいけませんって

 言われてたのに急に上手に化粧しなさいって言われるだろ、あれだ! 』

 って言ってたけど、僕その時男だったから実感がないんだよね」


「で、こうやって価値観がぐちゃぐちゃになった後に

 それでも大切にしたいものが見つかって追い求めていった場合に

 それを司るものとして力を持つようになるらしいんだ。

 魂の遍歴が生み出した権能って言ってたかな。

 この権能を持つようになったのが神様。

 この状態になったら権能に関するいろんなことを集めだすっていってた」


「もう一人の神様がいうにはその先があって集めきったら

 今度はその権能を使うのに邪魔になるものを捨てだすんだって言ってた。

 その中には感情とか人間性もあるみたい。

 そうして純粋になって権能そのものみたいになった神様は

 世界の法則といっていいんじゃないかって言われてもよく分からなかったよ。

 この辺はもうメイちゃんにも全然分からない世界みたい。

 この世界にいる科学者はそれを利用しているのである意味究極の聖職者ですねって言ってたけど

 みんなは分かる? 」


「こんな感じなのが神様らしいけれど聞いてもふーんってなっちゃうよね」

メイ(できるだけお前に身近な例で説明してるつもりだぞ! )


楽しんでいただけると嬉しいです。

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