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学園祭
まさかの出来事でも、嬉しい事はある。
俺はもう諦めていたんだ。学園祭には出られない。それでもいいと思っていた。
けれどやっぱり、少しの未練はあるよな。
優美は俺の事を理解している。
あいつの噂ぐらいは聴いていた。音源も耳にはしていた。正直、必要はないと思っていた。
電子音は大好きだ。
と言うか、音楽に区別はいらない。差別なんてもっての他だ。音があれば全て音楽たり得る。
優美は初めからそのつもりなんてなかった筈だ。あいつの音は面白い。俺達との融合も悪くはない。けれどそれは、一過性の出来事だ。あいつの音が常にあるのは違うと思う。
あいつにはあいつの居場所がある。それはきっと、俺達の場所ではない。まぁ、飛び道具としての利用は大歓迎だ。あいつの音は、刺激を与えてくれる。
俺はあいつのファンなんだ。優美より先に俺が目をつけていた。
優美は時に電子音を奏でる事がある。表立った表記はないが、シンセサイザーを演奏した事も何度かある。
ネットであいつの音を聴いた時は驚いたよ。そしてすぐに俺は、あいつを見つけた。
音とその雰囲気は結びつく。すれ違い様に匂いを感じる。ピコピコッていう音が聞こえたのは気のせいかも知れないが、こういう時の勘は外れない。
優美に伝えると、隣の席だと言いやがる。まったく・・・・ 俺はいつでも嫉妬するんだ。
あいつの事は優美に全任せると決めたんだが、まさかだよな。学園祭に出るっていう話にも驚いたが、あいつのオマケだとは恐れ入ったよ。
まぁ俺としては隠れた一つの夢が叶ったんだ。良しとする他はない。しかもその内容が最高だった。やっぱりあいつとの相性はいいんだよ。一発勝負に勝ったんだ。
けれどチラシは渡さない。
当然だよな。あいつは最高なんだ。自分のグループを作るべきなんだよ。俺達とはたまの客演で共演っていうのが相応しい。俺は待っている。ゲストとして呼ばれるその日をな。
学園祭の盛り上がりはネットに上がっているから確認して欲しい。
きっと十年後には伝説だ。




