表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/104

90


   学園祭


 まさかの出来事でも、嬉しい事はある。

 俺はもう諦めていたんだ。学園祭には出られない。それでもいいと思っていた。

 けれどやっぱり、少しの未練はあるよな。

 優美は俺の事を理解している。

 あいつの噂ぐらいは聴いていた。音源も耳にはしていた。正直、必要はないと思っていた。

 電子音は大好きだ。

 と言うか、音楽に区別はいらない。差別なんてもっての他だ。音があれば全て音楽たり得る。

 優美は初めからそのつもりなんてなかった筈だ。あいつの音は面白い。俺達との融合も悪くはない。けれどそれは、一過性の出来事だ。あいつの音が常にあるのは違うと思う。

 あいつにはあいつの居場所がある。それはきっと、俺達の場所ではない。まぁ、飛び道具としての利用は大歓迎だ。あいつの音は、刺激を与えてくれる。

 俺はあいつのファンなんだ。優美より先に俺が目をつけていた。

 優美は時に電子音を奏でる事がある。表立った表記はないが、シンセサイザーを演奏した事も何度かある。

 ネットであいつの音を聴いた時は驚いたよ。そしてすぐに俺は、あいつを見つけた。

 音とその雰囲気は結びつく。すれ違い様に匂いを感じる。ピコピコッていう音が聞こえたのは気のせいかも知れないが、こういう時の勘は外れない。

 優美に伝えると、隣の席だと言いやがる。まったく・・・・ 俺はいつでも嫉妬するんだ。

 あいつの事は優美に全任せると決めたんだが、まさかだよな。学園祭に出るっていう話にも驚いたが、あいつのオマケだとは恐れ入ったよ。

 まぁ俺としては隠れた一つの夢が叶ったんだ。良しとする他はない。しかもその内容が最高だった。やっぱりあいつとの相性はいいんだよ。一発勝負に勝ったんだ。

 けれどチラシは渡さない。

 当然だよな。あいつは最高なんだ。自分のグループを作るべきなんだよ。俺達とはたまの客演で共演っていうのが相応しい。俺は待っている。ゲストとして呼ばれるその日をな。

 学園祭の盛り上がりはネットに上がっているから確認して欲しい。

 きっと十年後には伝説だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ