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 けれどあの人はやっぱり天才だ。私の音は、バンドにピタリだ。そうか、天才なのは私の方なのかも知れない。・・・・なんて、冗談だからね。

 私は曲を作った事がないけれど、アレンジは得意だ。そもそもマリンバが使用されている楽曲は少ない。マリンバの楽譜はない事が多い。私が勝手に作っている。それが中学時代は顧問の先生にも審査員にも同級生にも受けていた。

 けれどやっぱり、新曲は用意されていた。ロックナインではライヴ毎に新曲が増えていくのが恒例だ。大抵は新メンバーの曲だけれど、曲を書かないメンバーもいる。アレンジを担当しない事はないけれどね。自分のパートは自分で考える。与えられた譜面通りに弾くのはクラシックだけでお腹一杯。

 新曲以外は前日のを含めて完璧に頭に入っていた。だから一時間もあればリハーサルは問題ない。合わせに関しても、私は得意だった。ただ、馴染み過ぎるのが問題で、それをあの人達にも指摘された。

 もっと自由でいい。そう言われて涙した。

 練習は昼休みなしでぶっ続け。誰も休憩を求めない。演奏をしている時間が幸せ。誰かが止めなければ倒れるまで続けてしまう。ノビも私もそんなメンバー全員の同類だった。

 そんな私達を救ったのは、校長先生だった。

 あの人は校長先生と繋がっている。驚きではあるけれど、当たり前でもあった。世界を制覇するあの人が、校長先生と繋がっている事は当然だし、大統領とさえ繋がりがない方がおかしい。神様とコンタクトをとっていてようやく流石だなと思う程度なんだ。

 お昼はキチンと食べなさい。

 私達は音楽室の更に奥の楽器貯蔵室の中で練習をしていた。鍵はキチンと閉めていた。校長は鍵を持ってわざわざやって来たって事だ。

 そうだな。キチンと食事はしないとな。

 あの人がそう言った。

 高校に給食なんてない。私はお弁当なんて持ってこない。ノビも基本は私と同じで購買で買ったパンを食べている。後から聞いた話だけれど、先輩達は学食で食べる事が多いらしい。

 校長先生がやって来たタイミングには微妙な悪意を感じた。

 だってそうだ。昼休みが終了する予鈴の一瞬前にその言葉を言い終えたのだから。

 購買も学食も終了している。お昼ご飯なんて食べなくても問題はないけれど、キチンと食べなさいの言葉に腹が立つ。

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