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ノビにはほんの少し外国人の血が流れている。それが誇りだけれど、何処の国の血なのかは教えてくれない。
お婆ちゃんが怒るそうだ。
いきなり今日だなんて、大丈夫かな?
私の声を聞いたノビはすぐに反応してくれる。私の思考を完璧に理解しているのはノビしかいない。家族よりも私を理解している。
音楽室は押さえているんだ。これから練習しようと思ってね。
気持ちは理解出来ても理解は追いつかない。それはまぁいつもの事だから仕方がない。
私から身体を離したノビは、両手で私を引っ張る。勢いが強過ぎで腕がちぎられそうだ。
ちょっと! 痛いわよ!
すぐに冷静さを取り戻したノビは、私の手を離してこう言った。
先生はもう知っているから問題はないってさ。今日は授業を受けなくても欠席扱いにはならないんだよ。早く行ってさ、音合わせしようよ。
何となく言っている事は分かったけれど、信じていいものかと疑ってしまう。この学校は普通の学校だし、先生の理解があったとしても手回しが良過ぎる。
ノビが私を誘い出しておかしな事をする? もしかしてこんな日に告白? おかしなのは私の方だ。妄想が止まらない。
とにかくもう時間がないんだ。
ノビは私の横に周って右手を握る。そして今度は優しくその腕を引っ張り走り出す。
その優しさは私を加速させる。自然と腰が上がって足が進んでいく。ノビに連れ回されるのは心地いい。
予定通りの音楽室は、既に鍵が開いていてメンバー全員が揃っていた。
おっ、やっと来たな。
一番に声を出したのは音尾さんだった。その後に全員がバラバラに声をかけてくれた。と言っても、流石に在校生以外のメンバーはいない。
学校にはマリンバがある。けれど、コンサート会場にはない筈だ。流石にライヴでマリンバを使用するアーティストは少ない。
初めての音合わせは楽しかった。
やっぱり最高のバンドである事は間違いないし、既に完成形に近づいている。私なんていなくても、カッコいい。




