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音楽はそもそも日常でしかない。その時の感情を表現すればいい。作り込んだ音楽なんて、家畜への餌と変わりない。湧き出たその場の感情が音楽なんだ。雨音と変わりない。
偶然て、恐ろしい。
ノビもまたロックナインに惚れていた。その事自体は不思議でもなんでもない。私が知る前のライヴを偶然見ていた事も納得している。ノビは私よりも音楽に貪欲だった。
けれど、そのメンバーが私とノビに注目していたなんて有り得ない。それも、私とノビがロックナインを知る以前からだなんて、冗談だとしても信じられない。
けれどそれが真実なんだから世の中は面白い。
サックスのトシさんが私とノビの先輩だって事もあるけれど、それ以前からベースの永井さんが注目をしていたなんて驚きだった。
永井さんのお母さんが、私とノビの通う中学校で給食のおばさんとして働いていた。そんな小さな縁で文化祭の演奏を耳にしていた。その時から私とノビはメンバー候補に挙がっていた。
トシさんと永井さんの助言でまず声を掛けられたのは私だった。
正直それはとても嬉しくて、この先もずっと自慢するつもりでいる。
ノビが先に加入したのは、私の助言があったから。
あの人は既にノビに目をつけていて、二人同時の加入も視野に入れていた。
ライヴの度に一人ずつ増やしているけれど、そこに対しての拘りはない。二人同時でもいきなり九人でも構わない。その場の流れに合わせるのがあの人のやり方。
一緒に入ればいいじゃんと軽く言われたけれど、ノビと一緒に参加するのは恥ずかしい。
あの日からずっとノビの事が大好きだけれど、当然本人には言っていない。言うつもりもない。きっといつの日か、向こうから言ってくれると信じている。と言うかノビの感情はダダ漏れだから私以外にも既に伝わってしまっているんだけれど。




