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   八番センター、仲嶋由(なかしま ゆう) 主にマリンバ担当


 おバカな子って可愛い。

 まさか自分がそんな事を感じるとは思わなかった。

 ノビとの付き合いは古い。

 可愛いっていう感覚はなく、同い年のちょっと頼りのない弟っていう感じでしかなかった。私が側にいないとダメなんだ。ずっとそう感じて助けてきたつもりでいた。

 家族も皆がそういう目で見ている。少なくとも私はそう感じていた。

 けれど一瞬、ノビを嫌いになった事がある。それはほんの少し前の事。私が憧れたあの人を、ノビが横取りした。

 きっかけを作ったのは私だし、その事は少し後悔しているけれど、私なんかの助け舟がなくても、ノビは既に発見されていたし、あっという間にその地位を確立させていたと思う。ずっと見てきた私が言うんだから間違いない。

 私が好きなのは音楽であって、ジャンルなんてどうでもよかった。

 音楽が出来ればなんでもよく、それだけで吹奏楽を選んでいた。もしも他の部活やそれ以前にきっかけがあったなら、選んでいた楽器は違っていたと思う。

 だからと言ってマリンバを選んだ事に後悔なんてない。

 私がマリンバを選んだ理由なんて、実は一つもない。顧問の先生に言われたから。それ以上の理由は全てが後付けだ。

 ウチの両親は音楽好きとは程遠かったけれど、全く聞かない訳でもなかった。お金を払ってのコンサートには行かなくとも、無料のコンサートには何度か足を運ばせている。特に父はお酒が好きで、生演奏のあるバーには連れて行かれた。

 そこで私はピアノの音に恋をしたけれど、ピアノ教室に通いたい事を伝えられなかった。

 後で知った事だけれど、ピアノも打楽器なんだ。マリンバとの共通点は多いと感じた。マリンバが実は管楽器であるという事実には目を瞑っても構わない。マレットを使うか使わないかの違いだと私は認識している。

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