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   七番レフト、左登伸(さとう のびる) 主にトロンボーン担当


 先輩の事が好きだった。それが正直な想いです。

 初対面から憧れていた。

 けれど、僕の好きな子が絡むと話は別です。

 幼馴染の由が、先輩を好きになってしまった。どうして? その理由には理解が出来るけれど、僕を差し置くなんて信じられない。先輩は僕の憧れでもあるし、由が好きになるのは許せなかった。由には僕だけを見ていて欲しいのです。

 僕は嬉しかった。廊下ですれ違った先輩に声をかけられたからです。

 中学時代は吹奏楽部だったんだろ?

 突然の言葉に僕は頷く事しか出来ませんでした。

 何処で得た情報なのか、僕は吹奏楽部に所属していました。理由はただ一つです。由がそこにいたからです。

 由の両親は音楽好きで、様々な楽器が家に揃っていました。ギターにベースにドラムは基本です。その他には管楽器も打楽器も盛り沢山でした。

 由とは保育園からの友達で、親同士の交流も深かった。

 仲嶋由。そのフルネームを知ったのは最近の事です。なんて言い方をすると大袈裟ですけれど、苗字を意識する事がない仲だったのです。

 僕は一歳になる前から保育園に通っていました。そこには唯一の同い年である由がいました。

 由の事をいつから好きだったのかなんて覚えていません。家族に近い存在でありながら、それとは別の愛おしさを感じています。下品な言い方ですが、由となら何をしても恥ずかしくありません。由の全てを知りたい。それこそ性的な部分も含めてです。

 中学までの僕達はその関係が良好でした。

 僕は由の事が大好きで、由はまだ思春期を迎えていませんでした。僕を好きっていう感情は感じます。それはあくまでも幼馴染としてです。僕は間抜けじゃないからきちんとその事を見抜いていました。

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