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五番サード、取手俊敏 主にサックス担当
バンドになんて興味はない。音楽は好きだ。ロックだって馬鹿にしていない。単純に楽しめればそれでいい。俺は基本ジャズマンだ。
学校なんて意味がない。学びたい事は自分で学べる。俺にはその趣味がある。勉強は得意だからな。これでも既に大検資格を持っている。英検一級も持っているし、弁護士資格も受かっている。ついでに天気予報士でもある。他にも資格は一杯持っている。俺は資格マニアでもあるんだ。なんせその為に高校には行かなかった。
河原で一人サックスを吹く。それが格好いいんだ。なんだか映画の一コマだよな。最近ではそんな主人公の漫画もあるけれど、あれはきっと俺がモデルだよ。俺はその漫画が始まる前から吹いている。街は違うけれど、きっと作者がそこいらを散歩でもしていたんだろう。俺が有名になったならきっと、あの日のエピソードが明かされる筈だ。
まぁ、俺には覚えのないエピソードだけれど。
河原でサックスを吹いていると出会いは多い。毎日必ず誰かに話しかけられる。大抵は一見さんだけれど、中には常連もいる。話しかけてくるのは迷惑じゃない。むしろ楽しみの一つだ。実際俺はそんな出会いで彼女を作っている。まぁ、今の彼女で五人目だ。
彼女は顔では選ばない。まぁ見た目は大事だ。第一印象はかなりの確率で当たる。整った顔だとかその大きさだとかパーツの配置や大きさは全く関係ない。表情や内面の感情や佇まいが大事だ。顔は心の鏡だよ。本当のブスってのは、心の汚さが顔に出てしまう。寝ている時の顔を見ると分かり易い。笑顔もそうだけれど、たまに嘘をつく。笑顔がアイドル級でも、心がブスだと俺は選ばない。まぁ、実際にそんなアイドルはわんさといる。どうしてだろうな? 騙される人間は一向に減らない。
そんな俺が何度も騙されているっていう事実は隠蔽しておく。
一見さん以外の観客をファンと呼んでいる。その中の一人におかしな奴がいたんだ。あれはわざとか? 天然なのか? 答えは出ていない。
けれどまぁ、出会えた事は幸せだ。
これでも俺は有名人だ。この年代では最高のサックスプレイヤーだよ。自惚ではない。崇高な賞は取っていなくてもライヴハウス界隈では名が知られている。幼い頃からジャズバーに出入りしていた。お袋の影響だ。というかそこが俺の家だった。出入りイコール通学だよ。




