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   四番セカンド、優木二郎(ゆうき じろう)、主にギター担当。


 僕なんかがしゃしゃり出るつもりはなかった。あの二人はちょっと変わっているし、いわゆる不良の部類に入っていた。僕は優等生の部類に入るから、会話すら交わした事はない。しかもクラスが違う。接点がなくてよかったと思っている。

 音尾君は頭がいい。成績が優秀な彼は、僕にとっては嫌な存在でしかない。進学校とは呼べないこの高校で、僕は常にナンバーワンの成績を収めている。彼は二番手だ。テストの点でも負けた事はない。彼と僕ではまるで生活態度が違う。僕は塾にも通っているし、授業も真面目に受けている。部活動なんて当然しない。彼はよく分からない文化系の部活に所属している。アルバイトもしているし、バンド活動もしている。授業中に寝ているか何か落書きをしている。勉強をしている様子は少しもなく、授業中に手を挙げる事もないそうだ。

 それなのに頭がいいっていうのが納得いかない。

 つまり僕は音尾君が嫌いだ。

 この学校に入った理由は一つ。何故だかは明白だけれど、この学校からは多くのミュージシャンが排出されている。有名どころはもう数十年も前になるけれど、その人はすでに死んでいるけれど、僕は大ファンだし、僕以外にもそれを理由に入学している人は多い。

 僕は音楽が大好きなんだ。この学校ならそこそこの大学も目指せるし、音楽好きと友達になれると思っていた。運が良ければバンドも組める。

 けれど気がついた。入学早々にね。僕はここでは浮いてしまう。見た目の問題が第一だ。僕はとても音楽好きには見えない。近づいてくる皆は優等生ばかり。それも悪くはないけれど、それじゃあ中学時代と変わらない。

 僕はわざと学校にギターを持って行く事がある。学校内で披露する訳ではない。軽音楽部にも入っていない。単なるアピールだ。音楽仲間を作りたい。それだけが理由。

 けれど何故だか誰にも声をかけられなかった。

 そんな中である噂を耳にした。しかも、二度。どうしてなんだ? 彼だけがもてはやされる。神様のお気に入りなのか?

 彼は二度も有名なバンドの前座でライヴをしている。どちらも好評で、音楽界では話題になっている。僕の耳に届くのは当然としても、今では学校中に知れ渡っている。正直悔しいし、僕の方が音楽家としては上だと思っている。

 一度だけ、駅裏のコンビニ前で歌ったことがある。顔は隠すようにマスクをした上で工事現場のヘルメットも被っていたけれど、すこぶる好評だった。あんたも最高じゃないかとおっきな身体のオカマっぽい女性に言われたよ。僕は最高なんだって嬉しくなった。

 特にギターの演奏と作曲に優れている。そんなのは当然なんだ。こう見えても僕は保育園に通っていた頃からギターを弾いている。これは絶対的な内緒だけれど、父親は音楽を題材とした多くの漫画を発表している。

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