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暴食の少年~最弱ステータスで追放された少年は、暴食スキルで成り上がる~  作者: カンチェラーラ


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マップ

 キュキュ?

 キュキュキュ?


 近くにいる魔ネズミの群れが俺を見失って鳴き声を上げる。

 三人の男に襲われた後も、俺は地下水道の探索を続けた。

 そして今では、魔ネズミを複数相手にすることも当たり前になっていた。

 地下水道の奥へと進んだ俺の存在に気づいた魔ネズミが、群れで襲い掛かってきたのだが、走って後退し、曲がり角で隠密スキルを発動する。

 すると、追いかけてきた魔ネズミたちは、俺の姿を見失ってしまうのだ。


 キュキュキュと鳴きながら周囲を見渡す魔ネズミたち。

 無防備になった魔ネズミへ、俺は小剣を振る。

 高まったAGIをもってしても、一度に倒せるのは多くて三匹までだ。

 攻撃したことで隠密状態が解除され、攻撃されなかったほかの魔ネズミたちが俺に気づき、走り寄ってくる。

 それを躱して再び走る。

 先ほどと同じように地下水道の曲がり角をサッと曲がったところで、再度隠密スキルを使うと追いかけてきていた魔ネズミは俺の姿を見失った。


 少し前までなら、一匹相手でも必死だった。

 それが今では―――群れを相手にしている。

 どうやら、必勝法を見つけてしまったようだ。

 逃げては倒し、逃げては倒しを繰り返すことで、俺は数の多い群れでも無傷で対処できるようになっていた。

 正面から戦う必要なんてない。

 勝てる形に持ち込めばいい。

 それだけだ。

 もっとも、この戦法は相手に挟撃されると通じない。

 一度だけ、曲がり角の先にも魔ネズミがいて慌てたことがあったからだ。


 なので、そんな失敗がないように常に察知スキルを使い、地下水道内の気配を感じ取り、隠密スキルを使い分けて戦っていた。

 ちなみに、あえて最初に隠密スキルを切って魔ネズミの前に姿を現すのは、俺を追いかけてもらうためだ。

 どうやら、今の俺ではまだ魔ネズミから見て自分よりも弱い相手と認識されるらしく、姿を認めた瞬間に群れ全体で猛然と追いかけてくる。


 こんなふうに効率的に魔ネズミの肉を集めることに成功した俺だが、その一方でスライム相手にはこれといった戦法を思いつかずにいた。

 スライムは基本的には水の中にいることが多いし、俺がいても向こうから襲い掛かってくることもなければ、群れで追いかけてくることもない。

 そのため、一気にまとめて倒すことができず、見つけたら一体ずつ処理する、というのを繰り返している。

 目の前にいるのに、まとめて狩れない。

 この効率の悪さが、どうにももどかしい。


 ただ、どうにかしてスライムも大量に倒してみたい。

 というのも、俺の職業が料理人だからだ。

 魔ネズミの肉は食べてもAGIが微増するだけだが、スライムはMPが増加する。

 そして、料理人という職業により、MPは二倍になる。

 大量に狩って食べることができれば、MPはもっと増える。

 そうすればクリーンなどの魔法もより気軽に使えるようになるんだけどな。


 どこかにあるはずなんだけどな……。

 スライムにとっての楽園が、この地下水道には。

 最終的に都市の外の川に流れ込むことになる水は、地下水道内にある貯水槽に大量の汚水が貯められて大量のスライムがその汚れを食べているはずなんだ。

 その貯水槽の場所さえ分かればいい。

 だが、地下水道の構造を俺は知らない。


 地図とかあるんだろうか?

 まあ、きっとどこかにあるんだろうけど、俺はそれを見られる立場にはないから、考えてもしょうがないか。

 でも、一目でも地下水道の地図を見ることができれば助かるのにな。

 そんなことを考えていた時だった。


【SKL:マップ(SPを10消費して獲得可能。一度移動した場所の地図を自動作成できる)】


 ステータスに新たな表示が現れた。


 来た。

 ―――これだ。今の俺に一番必要なスキル。


 行ったことがない場所では使えなさそうだけれど、一度でも歩いたところであれば、これで迷うこともないだろう。

 それに、未踏の場所への道筋も把握しやすくなるはずだ。

 俺は迷わずそのスキルを選び、マップスキルを手に入れた。

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