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暴食の少年~最弱ステータスで追放された少年は、暴食スキルで成り上がる~  作者: カンチェラーラ


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事後処理

「……うげ。人間も食用可に分類されているのか。こわぁ……」


 隠密スキルを使って背後からグサリ。

 そんなふうにして倒した相手を改めて見下ろしていたところ、俺の調理スキルに反応があった。

 無意識に食材鑑定が反応し、息絶えた男が食用可能と示された。

 食べる気はなかったし、知りたくもなかった。

 が、これまでにない情報が加わっていたために、興味もひかれていた。


「人体は食用が可能だけど、ステータスの各数値の能力向上は無し。そのかわり、カルマ値が上がる、と」


 魔ネズミやスライムを食べると暴食スキルの効果で能力が上がる。

 だが、人間は違う。

 能力は一切上昇しない。

 が、そのかわりにカルマ値というものが加算されることになるらしい。


 どうやら、俺のステータスは完全な情報ではないらしい。

 きっと、冒険者ギルドで受けた鑑定が簡易鑑定だったからではないだろうか。

 孤児院で孤児として生活していたときも、冒険者ギルドで一年間見習い冒険者として活動しているときも、俺は自分のステータスというものを知らなかった。

 それが理解できるようになったのは、見習いが終わって冒険者ギルドで簡易鑑定を受けてからだ。

 それ以降は、いつでも自分のステータスを確認できるようになった。

 頭の中だけでも把握できるし、目の前の視界内に画面として表示することもできる。

 もっとも、これは自分以外には見えない。


 こうしてステータスを確認できるようになったが、それはあくまでも簡易鑑定の範囲に限られているのではないだろうか。

 そういえば、健康スキルを得たときにも健康値なるものがほのめかされていたが、俺のステータスには表示されたりしていない。

 きっと、健康値もカルマ値も簡易ではないもっと上位の鑑定を受けたら調べられる項目なんだろう。


 そして、人間を食べることで溜まるカルマ値は、健康値と違ってあまりいいイメージがない。

 これが多くなると、トラブルに巻き込まれやすくなるとかでもあるのかもしれないな。

 まあ、倒した男たちを最初から食べる気なんてなかったから気にしなくてもいいんだろうけど。


 だが、それはそれとして死体の処理は必要だろう。

 今、俺の近くには人の気配は感じない。

 この現場を見られていた可能性はないと思うが、念のためにも死体を隠しておかないといけないだろう。


 そう考えた俺は、察知スキルを使って近くにスライムがいないかどうかを探した。

 そして、見つけたスライムを連れてくる。

 スライムは基本的には汚れを見つけて食べているだけで、人間を見つけて襲い掛かってくる魔ネズミとは違う。

 が、生きた人間を積極的に襲うことはなくとも、死体などは違うらしい。

 死体も汚れた泥や汚水と同じように食べてしまうのだそうだ。


 つまり、俺は死体の処理をスライムにお願いすることにした。

 三人の死体をスライムで包み、水路へ沈めた。

 これで、スライムがきれいにしてくれる。

 スライムはゆっくりと死体を包み込んでいった。

 骨も肉も、音もなく沈んでいく。

 数分もしないうちに、そこには何も残らなかった。

 俺がこいつらとかかわった事実は、誰にもわからない。

 ―――これで、問題はない。

 そう判断した俺は、何事もなかったかのように歩き出した。

 そんなふうに事後処理を行った俺は、再び場所を変えて地下水道の探索を開始したのだった。

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