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暴食の少年~最弱ステータスで追放された少年は、暴食スキルで成り上がる~  作者: カンチェラーラ


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今後のために

「ち、ちくしょう。なんなんだ、これは。あのガキ、許さねえぞ」


 隠密スキルを発動し、姿を隠した俺を完全に見失った男が声を上げる。

 顔に毒スライムゼリーを浴びた二人を放置したまま、男はあたりを見渡している。

 だが、俺がどこにいるのかまったく見当もつかないようだ。

 しかし俺は、遠くには逃げていない。

 まだ俺を襲ってきた連中の近くにいた。


 というのも、相手とこちらの位置が気になったからだ。

 隠密で姿を消したが、その時に俺がいたのは左右の歩道に挟まれた水道部分だ。

 水の流れるそこでは走っての移動が難しかったし、歩道に上がるにしても奴らのそばを通り抜ける必要がある。

 その行動にどれほどのリスクがあるのか、判断が付かなかった。

 なので、実は俺は袋小路のさらに奥へと移動して隠密スキルで身を潜めていた。


 自分が手に入れたスキルの力は十分に信用している。

 が、それはそれとして、この隠密スキルがどこまで効果を発揮できるのかについてはまだ理解しきれていない部分もある。

 姿を消した状態で発動すると、相手は俺を見失う。

 それは分かっているが、ならば隠れてからはどうなるのか。

 例えば、俺が走って逃げたら気づかれるのか。

 歩いている場合はどうか。

 音をたてた場合にはどうなるのか。

 そうした細かい条件を把握しきれていなかった。


 そのため、通路奥で身をひそめる。

 俺の攻撃で、一人は瀕死になっている。

 口に毒ゼリーが入ったやつは歩道の上に倒れてぴくぴくしている。

 目をこすったやつはうずくまり、声にならない呻きを漏らし続けている。

 こいつらはもう俺を気にする余裕はないと思う。


 問題は足にかかったやつだな。

 高温のスライムゼリーを浴びたことで、火傷をしたらしいことは間違いないようだが、行動不能というほどではない。

 機動力を削いだが動けなくはないという感じだろうか。

 さらに言えば、意識はしっかりとしている。


 弱そうな子どもから金目のものを奪い取ろうとして失敗した。

 それを自分たちの油断だとは思わず、俺への恨みだけを募らせている。

 きっと、自分がケガしたのは俺が全部悪いとでも思っているんじゃないだろうか。


 こういうやつは厄介だ。

 そして、貧民街にはこういう連中は多い。

 強い相手にはへりくだり、弱いと見れば徹底的にむしり取る。

 そういう連中だ。

 もしも抵抗されたら、生意気な奴めと、さらに攻撃性を増す。


 ここで逃げたら、どうなる?

 足を火傷した奴はケガを負いながらも地上へと戻る可能性がある。

 そのとき、今回は残念だった、相手が悪かった、などと考えるかどうか。

 考えないと思う。


 むしろ、復讐を誓うはずだ。

 ほかの二人と一緒に俺を地下水道で襲ったように、再び木宿などで仲間を集めて、俺を探し出して襲ってくるに違いない。

 あるいは、俺が孤児院に出入りしていることを知る可能性だってある。

 そうしたら、今度はほかの孤児のだれかを襲ったり、その子を人質に俺に復讐するかもしれない。


 ……やる。

 逃げるだけじゃ、終わらない。

 こいつらは、また来る。

 最初は逃げられればいいと思っていた。

 が、ここに至って考えを改める。

 やるなら徹底的にやるしかない。

 後顧の憂いを断つには、あいつらをここで終わらせるしかない。


 そう考えた俺は、なおも叫び続ける男を見据え、小剣を握る手に力を込めた。

 ―――ここで終わらせる。

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― 新着の感想 ―
素晴らしい いいぞいいぞー 仲間も家族も皆殺しにしろー(笑)
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