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暴食の少年~最弱ステータスで追放された少年は、暴食スキルで成り上がる~  作者: カンチェラーラ


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料理人

「……あれ?」


 ふと、いつもの癖でステータスを開く。

 そこで俺は思わず声を漏らした。


「おお……。まさかの変化だな、これは」


 孤児院に帰ってきて一夜が明けた。

 皆の食事を作り、全員をきれいにして、ぐっすり眠った翌朝。

 俺は早々とベッドを抜け出して、さあ朝食を作ろうとしたとき、自分のステータスの変化に気づいた。


「料理人……?」


 俺は思わずその文字を二度見した。


────────────────────────────────────

名前: ルーク

職業: 料理人

レベル:1

HP: 9/9(H)

MP: 56/56(F)

ATK: 8(H)

DEF: 7(H)

AGI: 12(G)

INT: 8(H)

SPI: 8(H)

LUK: 6(H)

SKL: 暴食・空腹耐性・クリーン・察知・調理・健康・鍛冶

SP:18

────────────────────────────────────


 もしかしたら、昨日の時点で変わっていたのだろうか?

 職業がそれまでなにも表示されていなかったのに、料理人になっている。

 これは、サリーママと約束して、孤児院の料理人を引き受けたからだろうか。

 まさかの変化だ。


 ちなみにステータスの職業は現実の仕事とは少し違う意味を持つらしい。

 例えば、冒険者ギルドに所属すると職種名は【冒険者】であることは間違いない。

 が、冒険者のステータス上の職業が必ずしも【冒険者】になるとは限らない。

 人によっては【剣士】になったり、【格闘家】や【魔法使い】になったりするらしい。


 ややこしい話だが、これはかなり意味のあることだ。

 というのも、職業によってステータスに変化が現れるからだ。

 剣士や格闘家などの職業になればATKやDEFといった攻撃力や防御力の数値が変化するし、魔法使いならばINTなどがそうなるらしい。


 そして、俺の料理人はどうなるのかといえば、【MP・INT・LUK:2倍】となるらしい。

 料理人になったことで、初めてその効果を知った。

 おかげでMPの総量が増えている。

 魔ネズミの肉団子でAGIも増えていたが、MPの伸び幅はさらに大きくなっていた。


 そのおかげで、ステータスオールHという最弱状態を脱出できたようだ。

 まあ、今更だな。

 冒険者ギルドが見習い卒業時の俺の弱すぎるステータスを見て馬鹿にした理由が今になってよくわかる。

 元の能力値に職業補正がかかるなら、あの頃の俺のステータスが絶望的だったのも納得だ。

 すべての数値が一桁だったら、2倍にしようが、3倍になろうが弱いままだ。

 むしろ冒険者になれるわけがないと追い返したのは良心的なことだったのかもしれない。


 が、それはそれとして、俄然俺はやる気が出てきた。

 料理人としての職業に就いたことで、MPなどの数値をさらに大きく上げることができるかもしれないからだ。

 体を鍛えてモンスターを倒して数値を伸ばすほかの人とは違い、俺には暴食スキルがある。

 食べたものによってステータスの数値が変化するこの便利すぎるスキルで、MP増加の効果があるクリーン使用済みスライムを食べればもっともっと増やしていける。


 やってやるぜ。

 冒険者が剣で強くなるなら、俺は―――食べて強くなる。

 気合を入れた俺は早速昨日はできなかった孤児院の掃除と皆の朝食づくりを始めたのだった。

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