↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴食の少年~最弱ステータスで追放された少年は、暴食スキルで成り上がる~  作者: カンチェラーラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/33

効果範囲

「話はあとで聞くわ。とりあえず荷物を置いてみんなのお世話をお願い」


 この孤児院でもうしばらく暮らせないか。

 そう切り出す前に、サリーママのほうが先に口を開いた。

 今日は早めに地下水道から出てジャガ婆の店によっていたので、まだ日が暮れていない。

 それでも夕方が近いから、いろいろと忙しいのだろう。

 今後の話は、ほかの子たちが寝静まってからになるかもしれないな。

 そう思いながら、俺は以前から使っていた一室に向かう。


 廊下を進み、部屋の扉を開ける。

 そこには二段ベッドがいくつも並んでいた。

 部屋の奥にあるベッドの上段が、俺のスペースだ。

 そこに自分の荷物を置く。

 ついでに、そこにあったシャツやパンツも回収する。

 ぼろぼろになり、何度も縫い直した服でも、買うとなるとそれなりにお金がかかるからな。

 ここに帰らなかったらパンツはともかく、シャツなんかはほかの子のものとして使われていたことだろう。


 木宿の大部屋では宿泊客が全員雑魚寝をしていたことを考えると、この孤児院ではまだましなのかもしれない。

 部屋を一人で使うことはできないけれど、一応自分のスペースが存在しているからだ。

 木宿で寝泊まりする前は一人部屋に憧れたけど、そんなに悪い環境ではなかったのかもしれないな。

 一日ぶりに帰ってきたこの部屋を見て、そんなことをしみじみと思った。


「クリーン」


 だから、感謝を込めて汚れを落とすことにした。

 生活魔法のクリーンを使ってきれいにする。

 そのとき、ふと気づいた。

 この魔法は、ある程度なら自分の意思で「どこをきれいにするか」を選べるらしい。


 今までは地下水道で汚れてしまった自分自身の体をきれいにするためにクリーンを使っていた。

 そのついでではないけれど、手にしていた魔ネズミや装備品などもきれいになった。

 体だけでなく、持ち物まできれいにできることは知っていた。

 だが、効果範囲は、想像以上に広かった。


 クリーンを使った瞬間―――部屋の空気が、わずかに揺れた。

 次の瞬間。

 二段ベッドも、毛布も、壁も。

 部屋のすべてから汚れが消えていた。


「……え?」


 俺は思わず、部屋を見回した。


 つまり、俺が二段ベッドの上でクリーンを使ったら、部屋全体にその効果が及んだのだ。

 部屋にいくつもある二段ベッドがきれいになり、その上に置いていたマットや毛布のほか、部屋の壁や小物なんかも汚れが落ちている。

 狭い部屋とはいえ、一度でここまできれいになるとは思わなかった。

 想像以上の効果範囲に、俺は思わず息をのんだ。


 そういえば、このクリーンをはじめとした生活魔法は教会でお金を払って習得する魔法だったな。

 俺はなぜかSPを消費することで使えるようになってしまったけれど、本来であればかなりの高額を支払わなければならないらしい。

 しかも、生活魔法を一括で覚えられるわけではなく、クリーンやそのほかの魔法など、一つ覚えるごとにお金がかかるらしい。


 今まではそんなことに縁がないと思っていたが、一部屋丸ごと洗浄できるなら、お金を払っても覚えようと思う人もいるかもしれない。

 以前考えた、クリーンを使った清掃の仕事も、MPがもっとあれば十分成り立つのかもしれない。

 まあ、俺の場合は暴食スキルの効果でお腹が常に減っていて、食べられるだけ食べ続けたいから、清掃員の仕事では稼ぎが足りないんだけど。


 そんなふうに、孤児院での自室の清掃を終えた俺は、まだMPが残っていることを確認して調理場へと向かったのだった。

お読みいただきありがとうございます。

ぜひブックマークや評価などをお願いします。

評価は下方にある評価欄の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけけますと執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。