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暴食の少年~最弱ステータスで追放された少年は、暴食スキルで成り上がる~  作者: カンチェラーラ


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予想外のSP

「ふぅ……。今日はこのくらいにしておこうかな」


 朝から地下水道にこもっていた俺が、地上へと這い出たのは、もうすぐ夕方になるかという頃だった。

 日が沈むまではまだ時間があるが、やがて西の空が赤く染まるだろう。

 そんな時間まで地下水道で探索していた俺の今日の戦果は以下の通りだ。


 魔石十八個。

 魔ネズミの肉団子が十二個。

 MP増加24。

 指輪一つと錆びたナイフ二本。


 一日でなかなかいい収穫だった。

 そのなかでいろいろと分かったことがある。


 ひとつはスライムはクリーンをかけると毒性が完全に消えるということ。

 そして、スライムを倒して手に入る核―――魔石を使えば、MPの消費を肩代わりできるということ。

 昨日、調理スキルで魔ネズミの肉を焼いたときにも同じことをしていたが、クリーン使用時にも同様に可能だとわかった。

 最初は最大MPが3しかなかった。

 一度クリーンを使えば、すぐにMPが尽きる。

 だから新たにスライムを倒しても、食べることはできないと思っていた。

 が、スライムの核を手に入れてそれを魔石として利用することで毒性の強いスライムをきれいにして食べることができたわけだ。


 本当は魔石は売ってお金にしたい。

 が、それはそれとしてMPも上げたかった。

 どちらをとるか悩んだ末、俺は現金収入を削る道を選んだ。

 魔石を消費し、スライムにクリーンをかけ、食べる。

 それを地下水道で一日中繰り返していた。

 おかげで、今日だけでMPは24も増えてくれた。


 そして、スライム以外に倒した相手として魔ネズミがいる。

 こいつらはその都度解体していたのだが、体の大きさがさほど大きくはないとはいえ数が増えれば持ちきれなくなる。

 そこで、なんとか荷物を圧縮しようと考えて、俺は倒して手に入れた魔ネズミの肉を肉団子へと調理することにしたのだ。

 手のひらで握り込めるくらいの小さな球状にギュッと押し固めた肉団子が十二個ある。


 さらに察知スキルで見つけた指輪のほかにナイフが二本ある。

 短剣と呼ぶには頼りない、家庭用のナイフといったところだ。

 きっと、俺と同じように冒険者見習いをしている奴が地下水道探索の武器として家から持ってきたやつを落としてしまった品ではないかと思う。

 さほど高く売れないかもしれないが、それでも金属製品であればジャガ婆は買い取ってくれるだろう。


 そして、これらの戦果以外にも別に手に入れたものがある。

 が、これはなぜ手に入ったのかよくわからない。

 なぜだか知らないけれど、いつの間にか増えていたのだ。


────────────────────────────────────

名前: ルーク

職業: -

レベル:1

HP: 9/9(H)

MP: 16/28(H)

ATK: 8(H)

DEF: 7(H)

AGI: 7(H)

INT: 4(H)

SPI: 8(H)

LUK: 3(H)

SKL: 暴食・空腹耐性・クリーン・察知・調理・健康

SP:28

────────────────────────────────────


 それに気が付いたのはついさっきだ。

 地上に戻り、どのくらいMPが増えたのか確認したとき、初めて気づいた。

 それはSPが増えているということだ。


 これって増えるのか。

 そういえば、昨日の夜にも違和感があったのを思い出した。

 夜にステータスを確認したときにはSPが9だった。

 そのときにはなにかを感じつつ分からなかったが、実はすでにその時にはSPが増えていたのだ。

 暴食や空腹耐性などを取得した際に消費したSPと、最初に持っていたSPを計算すると、おそらく7という数字でなければ計算が合わなかった。

 俺が計算間違いをしているのかもしれないと思って、気のせいかと思考を放置していたが、多分昨日の時点でSPは2増えていたんだろう。


 なぜSPが増えている?

 一番考えられそうなのはスライムや魔ネズミを倒したからかな?

 これがレベルアップの前触れだとしたら?

 あるいは、SPは戦闘で増える仕様なのだろうか?

 だとしたら、うれしい誤算だ。

 これなら、新しいスキルが得られるかもしれない。

 SP不足であきらめかけていたスキルに手が届くかもしれない。

 ―――俺は、もう雑魚のままじゃ終わらない。


 そう思った瞬間、胸がはねた。

 俺は思わず、笑っていた。

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