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第41話 冒険者ギルド

 王都の通りをしばらく歩く。




 商人街の賑わいはまだ続いていた。




 露店。




 酒場。




 武器屋。




 人の流れは途切れない。




 アウルが前を歩きながら言う。




「次はこっちだ」




 少し通りを外れる。




 通りの雰囲気が変わった。




 建物は同じ石造りだが、並ぶ店が違う。




 武器屋。




 防具屋。




 魔石を扱う店。




 酒場からは荒い笑い声が聞こえる。




 ノアは周囲を見回した。




「雰囲気が違いますね」




 アウルが笑う。




「そりゃそうだ」




 そして指を上げる。




 大きな建物。




 木の看板。




 剣と盾の紋章。




「冒険者ギルドだ」




 ノアが少し驚く。




「冒険者……」




 アウルは頷く。




「魔物狩りの連中の拠点」




「王都のギルドはでかい」




 扉を押す。




 中へ入る。




 空気が一気に変わった。




 酒の匂い。




 鉄の匂い。




 武器を持った男女。




 鎧姿の者。




 荒い声で笑う冒険者たち。




 そのとき。




 一人の冒険者がこちらを見る。




 固まった。




「……おい」




 隣の仲間を突く。




「あれ」




「王太子じゃねえか?」




「え?何で?」




 一瞬で空気が変わった。




 ざわっ。




 ギルド内の視線が一斉に向く。




 アウルが軽く手を上げる。




「気にすんな」




「見に来ただけだ」




 ざわめきは収まる。




 だが。




 その視線はすぐに別の人物へ移った。




 ノア。




 銀の髪。




 整った顔立ち。




 女性の冒険者が小さく言う。




「……誰あれ」




 男の冒険者も眉を上げる。




「貴族か?」




「王太子と一緒だぞ」




 アウルが横目でノアを見る。




(……やっぱ目立つよな)




 ノアはそんな視線など気にせず、建物の中を見ていた。




「すごいですね」




「人が多い」




 ソフィアが答える。




「王都の冒険者は多い」




「魔物も多いからな」




 アウルが頷く。




「王国にはダンジョンもあるしな」




 ノアは少し驚く。




「ダンジョン?」




 ソフィアが答える。




「魔物が周期的に沸く迷宮だ」




「この世界は経験値で成長する」




「だからダンジョンは重要だ」




「世界に四カ所しかない国家資源だからな」




 ノアは静かに聞く。




 そのとき。




 近くの冒険者がこちらを見ていた。




 視線。




 そして。




 小さく呟く。




「……あれ?」




「レベル……」




 ソフィアの視線が鋭くなる。




「見るな」




 一言だった。




 空気が少し張り詰める。




 アウルが肩をすくめた。




「まあまあ」




「今日は顔出しだ」




 そして踵を返す。




「行くぞ」




 外へ出る。




 ギルドの扉が閉まった。




 ノアは振り返る。




「すごい場所ですね」




 アウルが笑う。




「だろ?」




「王都のもう一つの顔だ」




 通りにはまた人の流れが戻る。




 王都の街は広い。




 そして。




 まだまだ知らない場所がある。




 ノアはそう思いながら歩き出した。




 王太子の隣を。

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