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それぞれの成長

 雲が吹き飛ばされたためにぽっかりと空いた天上に、強すぎる存在感を放つそれはいる。堂々たるその姿は気品すら感じられ威容を誇っているが、その内面に美しさは皆無。瞳は殺意一色に染まり、鋭い牙はむき出され、腹に響くような重低音の唸り声を上げて威嚇してくる様は(まさ)しく獣。本能のまま、自身に悪感(あっかん)を抱かせたちっぽけな生き物たちを鏖殺(おうさつ)することだけを望んでいるのだと容易に想像できる。天を支配する己と地を這うちっぽけな生き物。己が生殺与奪の権を握っているのだと疑っていないようだ。


 さて、わかりやすく見下されているちっぽけな生き物たちはというと。


「うーわ、めっちゃ怒ってるっスねぇ」

「そりゃそうよ。ずっと隠れてたのに無理矢理曝け出されたんだもの」

「しかもいきなり攻撃されたんだしなぁ」

「ユリィさんのやり方を見たら完全に不意打ちですよね」

「あんな適当な動きで高威力な魔法が飛んでくるとは誰も思わんからな」


 可哀想なものを見る目で天の支配者を見上げていた。


「ま、そろそろ気を引き締めないと危ないっスね」

「ユリィの魔法も避けたみてぇだし、ぜってぇ強いだろうからな!」


 ライトとリューズが神器を顕現すると、他の三人も頷き神器を顕現する。同時に魔獣が首を少しだけこちらに伸ばしてきた。向こうも戦闘を始める気らしい。いや、とっくに始めるつもりだったのだろうが。まぁそんなことはどうでもいい。こちらの気が緩んでいるうちに攻撃しないのが悪いのだ。その結果後悔することになるというのに。なにしろ、五人はあの巨獣をお披露目のための丁度いい相手にしか思っていないのだから。


「気を引き締めるなら、やっぱり修行の成果を見せることを目的とすればいいかしらね」

「ふん、修行の成果も出せずに足を引っ張るような情けない真似はするなよ」

「あらあら、なら気が引き締まりますね」

「というわけでボクらが相手するから兄貴は……見なきゃよかったっス」


 やる気が出たところでユリクスとガルダを見てみればまだ喧嘩を続けていた。しかも言葉を重ねるたびに子どものような頭の悪い応酬になっている。また緊張感が削がれそうなので五人は二人を意識から外した。見たら負けだ。


 気が引き締まったところで神器を構える。すると。


 グルォォォォォ!


 魔獣が大きく吠えた。大地が揺れそうなまでの轟き。五人を威嚇した魔獣が降下してくる。予想以上の速度だ。


 魔獣が地に到達するぎりぎりのタイミングで五人は散開する。五人を噛み殺そうと顎門を大きく開いた魔獣は空振ることになったが、地に激突することなく滑らかな動きで再び天に帰った。


「ほう、あの様子じゃ躱されることも想定済みだったか」

「やっぱり頭良さそうですね」


 感心しているとライトが銃を構えた。


「一撃目もらいっス!」


 ドバンッ!!


 ライトの銃から()()()()()()が放たれた。速度は赤い炎の弾丸と比べるまでもない。すぐに魔獣に到達した弾丸は巨体に小さな穴を開けた。


 グルァン!!


 魔獣が吠える。痛みというよりは怒りを孕んだもののように感じられた。それを聞いてライトがうーんと唸る。


「やっぱ一発じゃあんまりダメージ入らないっスねぇ」

「でも青い炎使えるようになってるじゃない」

「それはもちろんっス! 魔力をそこそこ使うのが難点っスけど」


 とはいえユリクスに伝授されていた修行法のおかげで大分魔力量は上がっているためそこまで困らない。故にライトは悲観しない。その態度で他の者も悟り、頼もしいと小さく笑むだけである。


 リアナが大鎖鎌で自らの肩をぽんぽんと叩いた。


「んー、残念なことに飛ばれるとあたしじゃ傷を付けられないのよねぇ。だからライト、もうちょっと傷を負わせてくれる?」

「了解っス」

「ならば俺がやろう」


 イヴァンが頼んでもいないのに口尻を釣り上げて自信に満ちた声音で介入した。いつもの態度なので今更驚かないしツッコミも入れない。それに、イヴァンとて頼もしい仲間なのだから、本人がやると言うのであれば任せるのみである。


「ふん、ライト、貴様の出番はない」

「あー、まぁ、はいっス」


 とはいえ呆れはする。


「そこまで言うなら頼んだわよ」

「任せておけ」


 返事をしたイヴァンが魔力を練った。なかなかの魔力量だ。すると驚くべきことに、イヴァンの体が()()()()()。そのまま魔獣に向かって飛んでいく。


「すげぇ! 飛んでいやがる!」


 これには皆「お〜」と感嘆の声を漏らす。そして全員が思った。ずるい。


「ボクも空からの景色見てみたいっス」

「きっと綺麗でしょうね」

「でも当の本人は興味なさそうよね。腹立たしいことに」


 イヴァンの成長を喜びつつ苛立ちは募る仲間たちである。


 そしてイヴァンはというと、魔獣まで辿り着き同じ目線で向かい合っていた。目の前の魔獣の唸り声が大きくなる。己の領域に踏み込まれたことが不快だったようだ。


 魔獣がイヴァンに向かって突進してきた。それをイヴァンはひらりと躱す。しかし速度のある巨獣が動いた際に発生した突風はイヴァンに届いた。イヴァンは軽く吹き飛ばされる。


「くっ、もっと余裕をもって回避しなければならんか。だが今は」


 体勢を立て直したイヴァンが魔力を練る。発生した風に合わせてチャクラムが舞い、あらゆる方向から魔獣に切りかかった。不規則に動き回るチャクラムに翻弄される魔獣。その体に複数の浅傷(あさで)が刻まれる。すると突然、魔獣がとぐろを巻いて体を小さくした。なにをするのかと思えば次の瞬間、魔獣が一気に体を伸ばしながら回転し全てのチャクラムを弾き飛ばした。


「すぐに対処してくるなど、やはりある程度の知能はあるか……。む?」


 イヴァンへと体の向きを戻した魔獣の口内では何かが渦を巻いていた。そしてそれが放たれる。風と氷の礫が混ざりあった直線状の魔法が放射されたのだ。高威力であることを察知したイヴァンは全力で回避する。魔獣がイヴァンを追って魔法を放ち続けているので対処が厄介だ。まぁ魔法が終わるのをただ待てばいいだけなのだが、そこまで辛抱強く待っている気のないイヴァンは現状を打破する方法を考える。しかしその思考は自身のすぐ近くで起こっている現象によって中断された。紫色の小さな何かが浮いているのだ。それも複数。その正体をすぐに察したイヴァンは地上を見た。そこでは掌中に毒を発生させているリアナがいる。どうやらあちらも修行の成果を発揮したらしい。イヴァンはふっと小さく笑みをこぼした。


 その頃地上では、イヴァンの戦いを四人が集まって観戦していた。その途中に行われたリアナの新たな魔法技術、()()()()()()に三人は感嘆の声を上げる。


「毒が浮いてるっス!」

「すげぇな、しかも浮いてるやつ動かせんのかよ」

「リアナさんの成果もすごいですね」

「ふふん、そうでしょうとも」


 リアナは誇らしげに胸を張りつつも浮かせた毒を精密に操作している。それらは魔獣に近づいていき、一つも的を外すことなく魔獣の傷に侵入していく。


 大量の毒が侵入すると、魔獣の体の動きが鈍くなった。同時にどこか苦しげだ。体を縮めて小さく震えている。


「何の毒を作ったんですか?」

「麻痺毒と致死性のある毒を混ぜてあるのよ」

「二種類混ぜられるんスか!?」

「器用なもんだなぁ」


 体内からの攻撃ならば大きなダメージになるだろう。しかし突然魔獣が力み始めた。体をくの字に曲げ、胴体が膨れ始めたのだ。負わされていた傷から血が吹き出てくる。


「まさか、出血させて体内の毒の濃度を薄めた……?」


 思わぬ行動に空中のイヴァンを含めて全員が驚愕する。だが呆けている時間はなく、魔獣の全身で紫電が発生し始めた。直後全方位に雷が放出される。荒れ狂う万雷に、五人は神経を研ぎ澄ませて回避に専念せざるを得ない。


 降り注ぐは数多。一条は刹那に迫る。


 攻撃に転じることは無謀。集中が途切れたら直撃は不可避。その判断は的確。


 各々が確かな裁量によって回避に専念している中、ライトは少しずつ意識を変えていった。集中するは降りしきる雷と、同時に魔獣。正確にはゆっくりとはためく翼の動き。雷の気配を察知しつつ、翼の動きを観察する。感知する対象の種類を二つに分けられた感覚を握ると銃を構える。残念ながら構えられるのは一丁。二丁では集中がまだ足りない。これだけはライトが強く悲観するところだ。しかしそれよりも今は行動に移さなければ。


 構えた銃の照準を魔獣の翼へ。幸い的は大きいので離れていても当てやすい。しかも同じ場所から動いていないのでこれで外したらライトは自身を許せなくなるところだ。だってそうだろう? 憧れてやまない兄貴(ユリクス)からお墨付きをもらった狙撃技術なのだから。


「……必ず……当たる……」


 ドバンッ!!


 一発の炎の弾丸。ライトは運に頼らない。頼るのは自身の腕だけ。そしてその腕を信じている。褒めてくれたユリクスの言葉を信じている。だから当てるなんて意識はいらない。必ず的に当たるのだ。


 弾丸は狙い違わず魔獣の翼を貫いた。


 ギャウッ!


 思わず漏れたという悲鳴を上げて魔獣が体勢を崩した。魔法を中断させられて落下してくる。まだまだ不完全とはいえ、ライトは自身の修行の成果を実感して口角を上げた。同時に違うものを感知して着弾させることができたから。しかし喜びはすぐに薄れた。落下していた魔獣が翼を強く羽ばたかせて体勢を立て直し、再び上昇しようとしているからだ。


「狙いが外れた……!」


 狙ったところには正確に当てられた。だが、そもそも狙うべき場所を間違えた。どこを狙えば確実に墜とせたのか、その見通しが甘かったのだ。


 かなりの集中を必要とした反動で緊張感を維持できなくなったライトは地団駄を踏む。


「くっそぉ! 悔しいっス〜!」

「でも流石の狙撃だぜ! これでなんとかなる!」


 リューズが自身にかけていた身体強化を強めた。そして腰を落として足に力を込め、魔法で更に足自体を強化する。地を全力で蹴った。高く飛び上がり、高度が下がっていた魔獣の上をとる。


「チッ、できることならもっと上をとりたかったぜ……!」

「あぁ、忘れていた」

「イヴ?」


 リューズが悔しげに呟くとイヴァンが近づいてきた。リューズの側で止まって右手の人差し指をくいっと上げると、リューズが更に上昇する。


「他の人間も飛行させられるのだった」


 しれっと言われた言葉に他の者たちはぽかんと口を開ける。そして言葉の意味をしっかり理解すると、四人の額に青筋が立った。


「ちょっとそれ早く言いなさいよ!!」

「俺が頑張って跳ぶ必要あったか!?」

「イヴの(あん)ちゃんだけちゃんと戦えてずるいと思ってたのに!!」

「私たちがずっと待ってた意味あったんですかねぇ」


 四人から非難されつつ、イヴァンは内心で修行の成果を実感し歓喜していた。ただでさえ風圧の調節が難しかったそれを完璧に操作し、飛行を可能とすることができたから。自分を飛行させるのなら風を感じられるからまだいい。しかし他人を飛行させるとなるとそうもいかない。けれどそれができた。だから完璧なのだ。自分は、自分ができると信じたことを完璧に成し遂げたのだ。


「ほら、何かしたかったんだろう? そろそろ落としていいか?」

「ちょっと腹立つけどありがとな! いいぞ!」


 リューズに纏っていた風が消える。同時に落下が始まった。高所から落ちれば下にいる魔獣に多少のダメージは与えられるかもしれないが、あくまで多少だ。だがそんなことはよくわかっている。だからこそ、リューズは()()()()()()()()。人間ではありえない速度で落下する。大鎚を構えた。


「どっせいりゃ!」


 グギャンッ!


 魔獣の背に大鎚が振り下ろされる。上昇し始めていたところに重いものが落ちてきたのだ、相当のダメージが入った。落下しそうになった魔獣だが、しかしそれでも上昇しようと動き始める。


「まだ落ちねぇか……!」

「リューズさん! どうかもっと落とせませんか!?」


 レージェの叫びに、リューズはレージェに何か意図があることを悟る。そしてその声音にはリューズならばできるだろうという信頼が乗っていることに気がついた。ならば応えなければ。大切な仲間のためならば諦めるわけにはいかない。自分はもう何も諦めないと誓ったのだから。覚悟したのだから。


「任せなっ!」


 リューズは横で揺れ動いている龍の髭に気がついた。神器の顕現を解き、それを鉄化したままの体で抱え込んで力を入れた。鉄化とは硬度の話。故に体の動きは阻害されない。膨大な魔力で強化した全身の筋肉を柔軟に使って魔獣を背負い投げた。


「どっせいりゃぁ!!」


 ドゴォォォォォ!! と轟音を響かせて巨体がとうとう地に落ちる。だが叩きつけられた魔獣はすぐに体勢を立て直そうと動いた。しかし。


「すみません、動かれると困ります。私、臆病ですから」


 内容とは裏腹に凛とした声音。レージェの言葉と共に魔獣の胴体が凍る。胴体を包むように、()()()()()が出来上がった。魔獣が氷を壊そうと暴れるが厚い氷は砕けない。


 レージェは内心で安堵していた。自分は臆病だから、どんなに強くなろうと、ユリクスたちの仲間であろうと、敵は、痛みは、そして死は、とても怖いのだ。だから凍らせる。怖いから。でもそれが結果的にみんなの役に立つから。これが自分にできる、最善だから。


 怖い。でも自分にできることは全力でしたい。レージェは誰よりもその二つの想いが強い。そしてそれが自分という存在を構成しているのだという自覚がある。だからこそこの想いは強く抱える。誰よりも強いのだという矜持(きょうじ)を抱く。


 矜持を抱いたレージェはくすりと笑う。怖いと思いながらも堂々と言った。


「さぁ皆さん、タコ殴りのお時間ですよ?」

「うぇ〜い! やるっスよ〜!」

「殴るのは得意だぜ!」

「存分に切り刻んでやろう」

「やっと神器を使う時間がきたわね! 腕がなるわ!」

「私たち魔法しか使ってないですからねぇ。どう甚振(いたぶ)ってあげましょうか」


 ノリが完全にチンピラである。全員が神器を構えて嗜虐的な笑みを浮かべている。流石指名手配犯たち。


 自分が相手をしているのがあくどい連中だということにやっと気づいたのか、魔獣が全力で抵抗し始めた。溢れ出る歪んだ魔力が増大したのだ。


 魔獣が五人に向かって顎門を大きく開いた。口内で魔法が渦を巻いている。それを見たイヴァンとレージェが並んで魔獣と向かい合う。


「ちょっとやってみます?」

「面白いことを考えるのは同じか」


 まるで遊んでみようと言うように軽くやり取りを交わすと、二人は手を突き出した。それぞれの掌中で風と氷の礫が出現する。それは惹かれ合うように混ざり合い、やがて一つになった。同時に魔獣から先程イヴァンに向かって放たれた魔法が放射される。高威力の攻撃。だが二人は怯まない。それどころか魔力を更に高めて二人も魔法を放った。魔獣が放ったものとまったく同じ、風と氷の礫が融合した直線状の魔法。二つが衝突したことで轟音と衝撃が辺りに響き渡る。


「ふむ、案外できるものだな」

「鉱山ではユリィさんが主導してくれたんですけど……」

「何が言いたい」

「ユリィさんの方がエスコート力があるということですね」

「貴様……」


 本来なら不可能、神業ともいえる技を行っているにもかかわらずこの余裕。そしてそれを平然と見守っている他の者たち。格は違えど化物(ユリクス)の仲間は化物になる証左である。


 魔法がぶつかりあっていると、状況に変化が訪れた。魔獣を縛り付けていた氷山にひびが入っていく。そして高い音を立てて砕け散った。魔法を中断した魔獣が素早く複合魔法を回避する。


「あ、砕けちゃいましたね」

「『あ』って……軽いっスね……」

「遊んでるからよ。まったく、結局神器が使えなかったじゃない」

「そこなのか?」

「おい、流石にまずいのではないか?」


 イヴァンの声に他の四人が魔獣を見ると、全身で紫電を弾けさせていた。


「こんな至近距離じゃ食らうっスよ!?」


 油断しすぎたために訪れた窮地に焦りが生まれる。ただ一人を除いて。


「任せなさいな」


 リアナの婉前(えんぜん)とした声が仲間たちの間で鎮静(ちんせい)をもたらす。対象的に魔獣からは苦しげなうめき声が吐き出された。


 リアナは魔獣の体内に残っていた毒を遠隔操作していた。ただ体内を巡っていただけの毒を暴走させて内側を掻き乱す。魔獣から放出されていた紫電が霧散した。


 リアナは穏やかに微笑む。今己は憎しみのために力を使ったのではない。仲間たちを救うためだけに力を使ったのだ。自身の内から憎しみが消えたわけではない。しかし今の自分ならば純粋に仲間を守るために力を使うことができる。今までこの力を仲間のために使ったことが一切なかったといえばそれは違う。けれど、今は力を使う意味が違う。手に入れた新たな力を憎しみのためではなく、仲間を守るために愛をもって使っているのだ。愛する仲間を、敵という憎しみの象徴から守るために。


 だからリアナは憎しみをもたらす者に容赦はしない。


「苦しみなさい。あたしの敵になるというのなら」


 魔獣の命を直接握り潰すように毒を暴走させる。魔獣は先程毒を受けた時とは比較にならないほどもがき苦しむ。このまま息絶えてくれればいいのだが……。


 グルォォォォォォォォ!!


 耳を(つんざ)く咆哮をあげた魔獣がまるで苦しみを振り払うように大きく体躯を動かして力強く上昇した。


「耐性がついてる……毒を薄められてたのが痛いわね」


 リアナが悔しげに呟く。その横で仲間たちが勝ち気な表情を浮かべた。


「リアナの(あね)さんのおかげで助かったし、もう問題ないっスね」

「間違いなく私たちの攻撃は効いていますし」

「負ける気は一切しないな」

「俺たち全員が強くなったのもわかったことだしな!」


 再び自分たちを見下ろしてくる魔獣。そいつを見上げている五人の表情は実に獰猛。ギラギラと闘志を燃え上がらせて確実に敵を狩るために動き出す。


 ……動き出そうとしたのだが……。




「……おい、そろそろ終わらせていいか?」




 空気をぶち壊す厄介者がついに動き出したのだった。






お読みいただきありがとうございます。

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