遺跡探索
最初の広い空間から再び長い通路を歩きだした一行。最初の通路と違い、途中で右に曲がったり左に曲がったりとただ真っ直ぐな道ではなかったので、しっかり進んでいるという感覚はある。ただ、何の変哲もない石造りの通路であることに変わりはないので飽きてきた者が多数。
「この道いつまで続くのかしらねぇ」
「もうトラップもねぇのかもなぁ」
「何故そこで残念そうなんだリューズ」
「トラップがないのはいいんですけど、ちゃんと外に出られるんでしょうか……」
後ろを歩く面々が実につまらなそうだ。まぁただ歩いているだけなので仕方がないのかもしれないが。
「もうみんなして警戒心なくてダメじゃないっスか! 地下遺跡じゃ何が起こるかわからないんスからね! もっと注意して歩くっス!」
ライトが振り返って活を入れる。だがその直後。
ガコンッ
ライトの体勢が傾き、メラが岩を押し込んだ時と同じ音がした。音源はライトの足元。ライトの右足が置かれた部分が沈んでいる。即ち、何かが起動した。
ゴゴゴゴゴゴゴ
岩が大きく動く音が響く。歩いている通路の右側の壁が大きく開いていった。今ユリクスたちがいるのは開いた壁の端。そこから五十メートルほど先まで壁が開いた。
開いた右側の空間は斜面になっており、奥行きもある。突然のことに呆然と壁の先を見ていると、水音が響いてきた。その音は徐々に大きくなり、そして、幅五十メートルを目一杯使って大量の水が流れ込んできた。
「これもしかしなくても溺死するっスよねっ!?」
「ちょっとライト! 警戒心云々言ってたあんたがトラップ作動させてどうすんのよっ!」
「貴様らとにかく走れ!」
「これ走っても間に合わないんじゃないかな?」
「その通りだな!」
「ティアの姉御とリューズの旦那はもうちょっと危機感持って! レージェの姉さーん! 水を凍らせてぇぇぇ!」
「無理ですね」
「諦めるの早いっス!」
「レージェ、水を操るのは?」
「集中してる間に溺れますね」
「レージェの姉さーん!」
「……はぁ」
ギャーギャー言いながら走る面々を見て、溜め息をつきながら首を振るユリクス。ユリクスはその場に留まると、右腕を下から上に軽く振り上げて魔法を発動した。紫電の壁、《登龍の絶壁》の網目が無いバージョンである。
紫電の壁に遮られ、それ以上水が迫ってくることはなかった。
「流石兄貴っス~!」
「……触るなよ。死ぬからな」
「わかってるっス!」
ユリクスが魔法を発動している間に、全員で走って壁の開いていない反対側の通路まで辿り着くと、再び轟音を響かせて壁が下りていった。完全に壁が下りたことを確認してユリクスは魔法を解除する。
「つくづく殺しに来てるわね」
「ユリィさんがいなかったら二回も死んでますね」
「がっはっはっ! 違ぇねぇ!」
「兄さんいれば安心」
「ガウッ!」
胸を撫で下ろして一行は再び通路を歩きだした。
「それにしてもぉ、いくら気をつけてても踏んだらアウトのトラップって避けようがないと思うんスよねぇ」
ライトが唇を尖らせて弁明している。
「まぁ暗いし仕方ないよね」
「ティアの姉御は話がわかる人っス!」
「……トラップに引っかかってもいいが、その後の対処に問題があり過ぎるだろう」
「あんなの回避できるのユリィくらいよ」
「……私が魔法を使いこなせていたらよかったのですが……」
レージェが悔しげに俯く。そんなレージェの肩をリューズが励ますようにぽんと叩いた。
「これからも特訓を続けようぜ? な?」
「……はい、そうですね」
二人の様子を見て、自分たちももっと強くならなければと意気込む六人。そんな中でユリクスが足を止めた。レージェたちを振り返って見ていたライトは、ユリクスが止まったことを不思議に思いながらも足を止めずにいると、前に向き直った瞬間、何かにぶつかった。
「いてっ!」
痛みに顔を押さえているライトを見て、ユリクス以外は首を傾げた。ユリクスが正面に手を伸ばす。何かに触れた。とても冷たい。
「……氷だな」
「「「氷?」」」
六人と一匹がじっと正面を見ると、暗くて見づらいが若干反射しているように見える。ペタペタと触れてみると確かに冷たい。道を塞ぐように張られた氷の壁だ。
「これ以上進めないね」
「……だが他に道はなかった。ここを突破するしかないんだろう」
ユリクスが黒刀を顕現し、身体強化と雷魔法を付与して思いきり突いてみた。だが傷一つつかない。相当硬いか、あるいは厚い壁のようだ。
ライトが掌を拳で叩いた。
「なら、ここはボクの出番っスね!」
ライトが氷の壁に両手をかざして魔力を練り始めた。
「うぉりゃぁぁぁぁぁぁ!」
小さな青い炎が発生する。すると、壁の表面が溶け始めた。
「すごい、溶けてる!」
「これいけんじゃねぇか!?」
少しずつ溶けていった氷の壁。だが、十秒も経たないうちに炎は赤色へと変わった。氷の壁が変化しなくなる。
「溶けなくなっちゃったね」
「青い炎じゃないと溶けないようになってるのねぇ」
「くそぉぉぉ」
「……はぁ」
再び溜め息をついたユリクスは全員を壁から下がらせた。黒刀を右に引き絞り、膨大な魔力を練る。
「兄貴、まさか……」
ユリクスが何をしようとしているのかを察して、レージェ以外の表情が引きつる。ユリクスは構わず、表面で紫電が激しく踊っている黒刀を突き出した。黒刀を中心に紫電の光線、《雷龍の咆哮》が放たれる。バキャバキャバキャ! という痛々しい音を響かせて氷の壁に孔が空き、ユリクスがそのまま黒刀を下げたことで縦に孔が空いた。
壁はまあまあ厚かったようで、氷のトンネルの出来上がりである。
「ユリィさんの魔法って……」
「深く考えない方がいいっスよ」
明らかに正攻法じゃない突破方法に六人は呆れたような笑みを浮かべた。今更だが、何事も力で押し通すのがユリクスである。
「……先に進むぞ」
ユリクスの号令で氷のトンネルを進む。厚さは二メートルほどだったようだ。
はぁ、とライトが溜め息をつく。
「ボクが青い炎を使いこなせてたらよかったんスけど……結構凹むっスね」
「お互い頑張りましょうね」
「はいっス……」
ライトとレージェがお互いを励まし合って歩く。先頭がライトからメラに乗ったティアに変わって一行は長い通路を歩く。
また特に何もなく通路は続く。真っ直ぐから右へ左へくねくねと。
「それにしても、随分長いな」
「そうねぇ。上に行く道がないのが不安だわ」
「入った奴は必ず死ぬっつうコンセプトの遺跡だったりしてな」
「怖いこと言わないでください。私、臆病なんですから」
「……まぁ、なんとかなるだろう」
「そうだね」
「二人が言うとなんか安心感あるっス」
話をしながら歩いていると、再び光景に変化が訪れた。
自分たちがいる通路の先が、少しだけ幅が広くなっている。不自然に、五十メートルほどの道のみ幅が広くなっているなど、トラップの予感しかしない。
「どうする、兄さん」
「……行くしかないだろうな」
後ろにいた者たちも唾を飲み込んで表情を引き締める。ユリクスが振り返って一つ頷くと、不自然な通路に踏み込んだ。すると、ゴゴゴという大きな音を立てて、両側の壁が迫ってきた。
「ぺしゃんこにされるっスー!」
全員遮二無二前へ走る。迫る壁の速さは意外にも速い。
先頭のユリクスとメラに乗ったティアが間に合う。その後ろにいたリアナとイヴァンも間に合った。だが、他の三人はかなりぎりぎり、下手をしたら間に合わない。
「お前ぇさんたち先に行け!」
リューズがライトとレージェを先に行かせるが、ぎりぎり間に合いそうもない。すると、リューズが身体強化と巨体化の魔法により上半身を強化し、腕を体の両側で折りたたんで壁の進行を妨げようと自ら挟まった。
「ぐぅぅぅうう!」
「リューズの旦那!」
「リューズさん!」
「ッ! 行けっ!」
リューズの時間稼ぎで二人も通路を出る。だが、リューズだけが取り残された。リューズの力でも壁が迫る力の方が強い。リューズの体が潰され始める。
「兄さん!」
「……」
ユリクスが身体強化を施しトラップの通路に戻る。片側の壁に足裏をつけて、思いきり押しやった。ユリクスの強靭な脚力で壁が少しだけ押し戻される。隙間ができたその間にユリクスはリューズの服を掴んで通路から引っ張り出した。
押し返す力のなくなった壁はドシンッという音を立てて完全に合わさった。
「あ、危なかったぜ……さんきゅなユリィ」
「……あぁ」
「リューズの旦那ぁ!」
「リューズさん!」
リューズに助けてもらったライトとレージェが、座り込んでいるリューズにしがみつくように寄り添う。瞳は少し潤んでいる。
「リューズさんが無事でよかった……!」
「ありがとうっスリューズの旦那ぁ!」
「お前ぇさんたちも無事でよかったぜ。……今度は守れてよかった」
リューズが落ち着いた声音で、目を閉じて微笑みながら言う。恐らく息子を守れなかったことを思い出したのだろう。それに気づいて、ますますライトとレージェの瞳が潤む。
三人くっついて離れなくなった様子を見ながら、ユリクスは言った。
「……少し、休憩にするか」
「……成長したね、兄さん」
「……うるさい」
三人に鞭打って無理矢理進ませるではなく、感慨に耽っているところを邪魔しないよう配慮した発言に、ティアがしみじみと呟いた。
◇◇◇
ライトの料理ではなく、干し肉やパンでお腹を満たした一行。進まなければトラップが発動することもなく、十分に休息を取ることができた。ちなみに、先程の迫りくる壁は元の位置に戻っており、通路になっている。もしもユリクスがいなければぺしゃんこにされたリューズの血で壁が染まっていたかと思うとぞっとするところだ。
「……そろそろ進むか」
「そうね。あんまりここにいると時間の感覚もわからなくなってくるわ」
「そういえばどのくらい経ちました?」
「約一名もう狂ってたわね……」
「まぁ気持ちはわからなくはないっス」
「ふんっ、丁度昼頃で間違いないだろう」
「おっ、イヴの腹時計は正確なのか!」
「腹時計と言うな」
「よっ、腹時計のイヴ」
「ティア、貴様……」
軽口を叩いている間に敷き布や余った食料を魔道袋にしまってユリクスが立ち上がる。つられて他の者たちも立ち上がった。
最初の時と同様、ユリクスとライトを先頭に歩き始める。真っ直ぐの長い道から右へ左へくねくね。
「……これ道がめちゃくちゃくねくねしてて無駄に歩かされてる気がしてきたっス」
「腹が立ってくるわね」
トラップや出られるかどうかの不安よりも苛立ちの方が強くなってきた一行。この状況に慣れてきた結果である。
何のトラップも作動せずに歩き続けて、やっと通路に次の変化が訪れた。正確には、通路の終わりである。
目の前には荘厳で重そうな両開きの扉。扉には恐らく龍を模したと思われる彫刻が施されている。
「これは……やっと遺跡の終わりが見えたということか?」
「きっとそうっスよ!」
「どう見ても怪しくないです?」
「……どちらにせよ、行くしかないな」
ユリクスが扉の両側に手を置き、押し開いていく。重みのある音を立てて扉が完全に開かれた。扉の先にあったのは、長方形の奥行きがある広い部屋だった。反対側に同じような扉があるため、そこに向かえばいいのだろうが……。
「これ、よくあるヤバいやつっスよね」
ライトの言葉にユリクス以外が顔を引きつらせた。長方形の部屋の両側には、プレートアーマーで全身が構成され、両手で剣を地面に突き立てている二メートルほどの騎士像がずらっと並んでいるのである。ざっと数えて片側二十体ずつ、計四十体か。
「動きそうだよね、あれ」
「まぁ、一体ずつ破壊していけばなんとかなるんじゃねぇか?」
「……行くぞ」
ユリクスを先頭に部屋へ足を踏み入れた。全員が入ったところで後ろの扉がひとりでに閉まる。閉じ込められたことに驚いている間に、立て続けに響く金属音。騎士像たちが剣を引き抜き、ガシャンガシャンと金属が擦れる音を響かせながらユリクスたちにゆっくりと近づいてきた。
「はい来たお約束ぅ!」
「任せな! どっせいりゃ!」
リューズが神器を顕現させ、先頭にいた騎士に近づいて大鎚を振るう。ガシャンッという高い音を響かせて騎士は倒れた。頭の甲冑が取れる。
「なんだ、結構弱いじゃねぇの」
リューズが拍子抜けした言葉を零すと、倒れたはずの騎士が起き上がった。
「……簡単には倒せないようになっているようだな」
「どうするの兄さん?」
ユリクスは起き上がった騎士をじっと観察する。頭の甲冑が取れたため、内部が見える。中には瑠璃色に輝く石が浮いていた。龍の神核――ラピスラズリによく似ている。
ユリクスは右手を伸ばし、ラピスラズリ目掛けて紫電を放出した。バキンッという音を立ててラピスラズリが壊れる。騎士が倒れ伏した。
「……中の石を壊せば倒せるか……?」
そう判断しかけたユリクスだったが、突如他の騎士たちから瑠璃色の光が発せられ、倒れた騎士に光が伸び、集まっていく。すると、倒した騎士の内部でラピスラズリが再生した。騎士が立ち上がる。
「復活しちゃいましたね」
「他の騎士が倒れた騎士を復活させるみてぇだな」
「……つまり同時に全ての石を破壊すればいいんだろう」
「簡単に言ってるけど、実際どうやる……愚問だったっス」
ユリクスが頭上に右手を上げた動作を見た瞬間、ライトは疑問を引っ込めた。この遺跡のトラップを用意した人に対して同情の念が生まれてきたライトたちである。
ユリクスの右手から紫電が発生し、部屋の天井を埋め尽くすように伸びていく。天井が完全に紫電に染まると、騎士の数だけ雷槍の矛先が顔を出す。そして、雨のように降り注いだ。《雷槍の群雨》だ。
全ての雷槍が狙いを外すことなく頭と体の甲冑の隙間に入り込み、ラピスラズリを破壊していく。同時に撃破された騎士たちは大きな金属音を響かせて倒れていった。立っている騎士はいない。
部屋が静寂に包まれる。
「……あー、流石ダナー。先二進ムッスヨー」
「ツッコミを放棄しないでちょうだい。まったく、どうしたら的確に甲冑の隙間を、しかも全部同時に狙えるのよ」
「……空間全体の気配を探知すれば正確な位置くらいわかるだろう」
「「「わからない(わよ)(ですよ)(ねぇよ)(だろう)(っスよ)(よ)」」」
「………………そうか」
全員からの全力の否定にユリクスはしょもんとする。トラップを突破した本人だというのに、その肩には雲が乗った。
メラが近づいてきて足に前足をぽんと乗せてくる。
「ガウガーウ」
「……」
獣に慰められるユリクス。喜んでいいのかわからず、余計に雲が暗く重くなった。
今度はティアがぽんと腰を叩いてくる。
「兄さんが強いのはよくわかってるから大丈夫。先に進もう?」
「……そうだな」
雲を背負ったユリクスを先頭に、一行は正面の扉に向かった。入口と同じように龍を模した彫刻が施された両開きの扉。それをユリクスが開け放つと、目の前にあったのは――通路だった。
「なんっでまた通路なんスかー!」
「出口じゃないんかい! 思わせぶりな扉作るんじゃないわよっ!」
約二名が怒髪天を衝くように叫んだ。ティア、リューズ、イヴァン、レージェ、メラも表情が引きつっている。
「……とにかく、進むぞ」
ユリクスだけが冷静に足を踏み出した。
今までと何も変わらない石造りの通路を進みながら約二名が未だ騒いでいるが、ユリクスは無視した。何故なら、その騒ぎはすぐに収まるとわかっていたからだ。
ほんの数分歩いただけで通路は終わった。広い空間に出る。
「あれ? 通路終わったっスね」
「そうね」
「……お前たちが騒いでくれたおかげで、声の反響具合から通路が短いことはわかっていた」
「「それ早く言って!!」」
二人からの文句をユリクスは柳に風と受け流し、空間を見渡す。この空間にあるものは二つだ。一つは、左側にある上へと続く階段。もう一つが、右側にある意味ありげな水路だ。
「やっと出られそうだね」
「日の光が恋しいぜ!」
階段を見てユリクス以外の口元が緩む。これでやっと外に出られそうだと、階段の方へ一歩を踏み出そうとした。だが。
「ガウ! ガウガーウ!」
メラが水路の方に反応して駆け寄った。水路を進みたいようだ。
全員でメラを追いかけて水路の前に立つ。水路はよく見れば紫がかっていて毒々しい色をしていた。
「ちょっと待ってちょうだい」
リアナが屈み、水路の水を片手で掬い取る。手が淡い紫に光った。
「これ、毒水ね」
「じゃあ進めないってこと?」
「毒に浸かりながら進むのは危険よ。……あたしが水路全体の毒を分離できたらよかったんだけど……」
リアナが嘆かわしそうに首を振る。その後ろでライトが頬を掻いた。
「なんというか、ボクたちの力不足を痛感する遺跡探検だったっスね」
ライトの言葉に他の五人も何とも言えないような顔になる。その様子を見ていたユリクスは一つ溜め息をついた。
「……強くなってから、また来ればいいだろう」
「兄貴……」
ユリクス以外の六人は顔を見合わせると、頷き合った。
「そうね、また来ましょう」
「次に来た時こそ、水と氷を使いこなせるようになっていますように」
「ふんっ、そこは必ずなっておく、だろう」
「がっはっはっ! イヴの言う通りだな!」
「絶対強くなってリベンジするっス!」
「私も、戦えるようになっていたいな」
ユリクスは応援するようにティアの頭を撫でた。ティアは気持ちよさそうにそれを甘受している。
「ちょっと兄貴、ボクらにも応援はないんスか?」
「……まぁ、がんばれ」
「私たちの扱いが雑です」
「まぁ、ユリィだしね」
ティアにだけ甘いユリクスに五人は大きな溜め息をついた。
「ま、とりあえず上に行こうぜ?」
「そうだな。そろそろこの遺跡の景色に飽きてきたところだ」
リューズとイヴァンの言葉に賛同した一行は水路から離れ、階段を上り始めた。その間もずっとメラは水路の向こうを気にしている。
「メラ、また今度来よう? ね?」
「ガウゥ……」
「……」
ユリクスにはメラが水路の向こうを気にする気持ちがよくわかっていた。何故ならば、自分の中の〝何か〟も水路の向こうへと惹かれていたから。しかし今はその先へ進むことはできないし、ユリクス自身はその先にあるものに興味がない。だから今は黙って階段を上り、外へと向かう。
遺跡の探索を経て、結局この場所が何なのかはわからなかった。だが、ユリクス以外の六人は己の力不足を痛感した。その経験は六人の成長への意欲を高める結果となった。今はそれで十分。ユリクスたちは不思議な遺跡を一旦心の片隅に留めておいて、次の目的地に向けて遺跡を脱出したのだった。
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次回更新は30日です。




