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総長再び

 複合種の魔獣を討伐してから二日が経った。あれ以来リューズとは共に借家で過ごしている。お互いの事を話し、今日も今日とて借家で寛ぎながら今までの旅路について語り合っていた。


「へぇ、〝神の六使徒(ディーオ・アポストロ)〟に奴隷解放軍にって、お前ぇさんたちも色んな経験してきたんだなぁ」

「うん。大変なこともたくさんあったけど、色んなことたくさん知られて嬉しい」

「ティアは研究所にいたんだもんな、そりゃ楽しいか」

「うん!」

「ボクも、兄貴を捕まえてからは旅がとっても楽しいっス!」

「……捕まえたってなんだ」

「それを言うならあたしだってユリィを捕まえたようなもんよね。ユリィと一緒にいたら〝神の六使徒(ディーオ・アポストロ)〟に会えるっていう女の勘を強行してついてきたんだから」

「がっはっはっ! ユリィは人気もんだな!」

「……」


 リューズが仲間に加わり、余計に(やかま)しくなったパーティーにユリクスは頭を抱える。こんな予定ではなかった、と。しかもこれからギルド総長であるゲオルグまで加わって調査に(おもむ)くというのだ。頭が痛い。


 アクアトラスのフルーツで作ったジュースを楽しみながら歓談していると、コンコン、と玄関の扉がノックされる音が響いた。


 全員の意識がそちらへ向けられる。


「ギルド職員じゃないかしら? 総長が来たっていう連絡の」

「なら兄貴が出た方がいいっスよね」

「……」


 ユリクスはなんだか嫌な予感がした。というより気配がもう嫌だ。だが、他の面々は動く気がないらしい。「……はぁ」と嘆息をもらして玄関へと向かった。ゆっくりと扉を開く。


「よぉユリクス! 久しぶりだな!」


 バタン。


 ユリクスは扉を閉めた。


「兄さん、開けないと」

「……」


 渋々もう一度開けた。


「ったく、相変わらずつれない奴だなぁ。照れ屋か」


 ユリクスは再び扉を閉めようとしたが、ガッと足を挟まれて閉じられない。ユリクスの閉めようとする力と挟んである足の力が拮抗して扉が悲鳴を上げ始める。


 扉の前にいたのは、アクアトラスの燦々(さんさん)と照りつける日差しがよく似合うギルド総長本人だった。くすんだ金髪が日の光の力で力強く輝いている。


「それじゃ、邪魔するぜ」


 大人げなく身体強化を使って扉を開けたゲオルグ。ユリクスが無言で放つ早く帰れという圧を柳に風と受け流し、借家に入ってくる。


「ゲオルグさん、こんにちは」

「お久しぶりっス!」

「ガウー!」

「おう、ティアにライト、メラ。元気にしてたか? それとそっちはリアナにリューズだな。俺がギルド総長のゲオルグだ。よろしくな」

「よろしく頼むぜ!」

「それとこれは土産だ。一緒に昼でも食いながら話そうぜ」

「ならボク準備するっス」


 ゲオルグに礼を言ってから土産の魚やフルーツをキッチンに持っていくライト。


 リアナが一人、「総長……イケメンじゃなかったわ……でもダンディなおじ様としてはありなのかしら……」などとわけのわからないことを言っているのでユリクスは聞かなかったことにした。


 ゲオルグは豪奢な借家の中を見渡してから、ユリクスの首に腕を回して言った。


「ほんといいところに住んでやがるなぁ。一体いくら持ってんだよユリクス。ん?」

「……知らん」


 仏頂面なままのユリクスに(はばか)ることなく絡んでいくゲオルグと、回された腕を無遠慮に払い落とすユリクス。そんな二人の様子に周囲は笑いを堪える。


 払われたことを気にした様子もなく、ゲオルグはテーブルを囲むティアたちの輪に入った。渋々ユリクスも加わる。ちなみに不自然に空けられたゲオルグの隣の席だ。


「そういえば、どうして総長自ら来たのかしら? ギルドからは職員を(よこ)すって言われてたんだけれど」

「俺も行かなくていいって言われたけどな。だが職員たちは破壊された町の復興で忙しいし、俺自身話したいことがあるからって言って自分で来たんだ」

「……話したいことだと?」

「おうよ、ちょっくら話をしようや」


 ゲオルグは真剣な面持ちになって話を始める……かと思いきや、ユリクスに耳打ちした。


「さて、ユリクス。リアナのことはソフィアから報告があったからいいが、リューズはお前たち四人の秘密を知っているか?」


 秘密、というのは自分たちが神人族であることだろう。


「……あぁ、知っている。それにリューズも神人族だ」


 ユリクスは腕と足を組んだ傲岸不遜な態度で答えた。その答えを聞いて、ゲオルグは「マジかよ」と一瞬驚いた後、今度は全体に向けて話を始めた。


「お前たちに確認しておきたいことがあってな。お前たちが神人族であることを支部長たちに共有してもいいかを聞いておきたい」


 ティアたちが揃って瞠目する。


「……何故、共有する」


 本来なら神人族であることが広まるのはリスクでしかない。だからまず理由を聞いておきたかった。


「シーガラスの一件で〝神の六使徒(ディーオ・アポストロ)〟の一人に接触したな? そこでリアナは盛大に神人族だとばらされたらしいじゃねぇか。そこでだ、もしも神人族だと世間に広まっちまった時のために協力者は多い方がいいだろうと思ってな。後ろ盾になるよう俺からしっかりと伝えておくつもりだ」

「……」


 ユリクスはティアたち一人一人の顔へ視線を転じていった。全員と目が合う。どうやら、決定権は自分に握らされたらしい。


 ユリクスにしてみれば、神人族だと広まることは何ら問題ない。神人族だと知り、害なす者がいるならば全て斬り伏せてしまえばいいのだから。


 ユリクスは腕と足を組んだまま、つっけんどんに言った。


「……好きにしろ」

「了解だ。支部長たちの口の堅さは俺が保証する。安心しな」


 そう言いながらゲオルグの方が安心したような声音になる。だが、反対に他の面々はやれやれとした表情をユリクスに向けてきた。一体何故そんな顔を向けられるのか。ユリクスは自分の何でも斬り伏せてしまえ思考が読まれたことには気づかなかった。


「昼食ができたっスよー!」


 話が一旦中断され、ライトが昼食を運んでくる。運ばれてきた中には刺身もあり、ライトの料理のレパートリーが増えたことを示している。魚の捌き方はもう完璧だ。


「うおっ、これライトが作ったのか。こりゃすげぇな」

「ゲオルグさんに褒められるのは嬉しいっスね~」


 ゲオルグに料理の腕を褒められ、周囲に音符マークでも飛んでいそうな程るんるんしたライトが配膳を終える。ライトが席についたことを確認してから「いただきまーす」と挨拶をして食事を始めた。


 食事を始めてすぐ、支部長たちへ神人族であることを報告する件はライトにも伝えた。ライトは快諾した。


 ゲオルグがユリクスを肘でつつく。


「それにしてもユリクスお前よぉ、シーガラスでは雷落としてここでは龍種の魔獣をボコったらしいじゃねぇか。間近で見てたソフィアとカラルが羨ましいったらないぜ」

「兄さん、圧倒的だった」

「そうっスね、めっちゃかっこよかったっス!」

「俺も落雷は見たかったぜ!」

「くぅ~、これから行く調査でもとんでも魔法を使ってくれることを期待するとするかぁ」


 とんでも魔法ってなんだ。ユリクスは内心でツッコんだ。ユリクス的には、落雷はそこにたまたま雷雲があったから発生させてみただけであるし、魔獣に至っては強くなかっただけだ。何もおかしなことはない。


 その思考が既にズレていることに本人は気づかない。


「そういえば、その調査って一体何をするのかしら?」


 確かに詳しく聞いていなかったな、とユリクスたちの視線がゲオルグに集まる。集まった視線に、ゲオルグは暢気に答えた。


「アクアトラスの近くにある山に魔獣がいるかどうかを探しに行くだけだ。何も難しいことはないから気楽にしてくれ」


 ゲオルグの言葉にユリクス以外は肩の力を抜いた。ギルド総長と共に行う調査ということで少し緊張していたのだ。ユリクスはいつも通りの気張らない自然体なので、なんでそんな簡単な調査に自分まで付き合わないといけないんだ、くらいに思っている。というより、本当に必要か?


「……お前一人行けば十分だろう」

「おいおいユリクス、あの広い山を俺一人に歩かせる気かよ。鬼か」


 つまり手分けして調査するというわけか。適当にやっておこう。その思考を読んだティアの目が光ったことにユリクスは気づかなかった。


 調査の話に雑談も交えながら話しているうちに食事が終わる。


「さて、出発は明日の早朝だ。今日はしっかり休んでおけよ。あ、俺もこの借家で過ごすからよろしくな」

「……なんでそうなる」

「一緒に出発するんだからスタート地点は同じ方が楽だろう」

「まぁこの借家広いから部屋には困らないわね」

「兄貴、観念するっス」

「……お前たちは何故もう受け入れているんだ」

「がっはっはっ! 総長と過ごすなんて滅多にないことだからな!」

「ゲオルグさん、良い人だから大丈夫」

「……」


 四面楚歌(しめんそか)になる機会が多過ぎて疲れてきたユリクス。自分の意見が通る日は来るのだろうか。早速ゲオルグの部屋の準備をする面々を見て、遠い目をするのであった。




 ◇◇◇




 その日の深夜。みんなが寝静まった後にユリクスはとある部屋の前に立った。ノックをする前に扉を挟んだ向こう側に人が来る気配。相手の気配察知能力は流石のものだ。ゆっくりと扉が開かれる。


「男に夜這いされる趣味はねぇぞユリクス」

「……馬鹿なことを言ってないで早く入れろ」

「はいよっと」


 ユリクスが訪れたのはゲオルグの部屋だった。部屋の中に招き入れられる。入って目の前、湖を一望できる窓前に設置された丸テーブルの上には、酒瓶と二つのグラスが置かれていた。どうやらこの男は来客があることをわかっていたようだ。


「まぁ、一杯飲もうや。今夜は月が綺麗だからな。酒も美味い」

「……果実酒か」

「あぁ。アクアトラスの果実を使ってるからかなり美味いぞ」


 対面の椅子に二人で腰かける。ゲオルグの手によってグラスに果実酒が注がれていく。小さな明かりだけが灯された仄暗い部屋に薄黄色の酒はよく映える。


 軽く一口。柑橘系の果実が使われているのか、口当たりはさっぱりしていて飲みやすい。度数も高くないようで話の席にはもってこいだろう。


 窓の外に広がる湖を眺めながら、まずは一杯ずつ飲み干して二杯目をグラスに注ぐ。そこでやっと話をするために向かい合う。月明かりに照らされる互いの表情は真剣だ。


 沈黙の後、先にそれを破ったのはゲオルグだった。


「六人の神の使徒……。そいつはどうだった?」

「……強いな。他の解放者(リベレイター)とはレベルが違う。というより、あれは異常者だ」

「ほう」

「……人を殺すことを快楽にしている」

「そいつは許せねぇな」


 互いに一口グラスに口をつけて一息入れる。


解放者(リベレイター)を捕まえては口を割らせてるんだが、なかなか情報を持った奴がいなくてな。大きな情報は得られていない」

「……そうか」

「だが、みんな揃って〝あの方〟は〝神〟だと言う」

「……本当に神がいるとでも?」

「わからん。だが、神核という恩恵を授けたのが神だという言い伝えは誰もが知るところだ。そして〝決別の日〟以降新たに現れた鈍色の神核。可能性はゼロとは言い切れないな」

「……」


 〝神〟の存在。それは言い伝えの中の話で、実際にいるかもしれないと言われても疑わしい。ユリクスの顔が険しくなる。


「それからもう一つ」

「……なんだ」

「どうやら、奴らは何かを探しているらしい」

「……探している?」

「そうだ。どうやらその探し物は神に関するものだとか」

「……神に、関する……」


 ユリクスの胸中が突如ざわついた。この胸騒ぎ、胸の中を何かが這いずり回っているようなこの不快な感覚は一体なんだ? そして同時に脳裏を駆け巡る過去。怒気。怨恨(えんこん)。不信感。


(――人間を赦すな)


 またあの重苦しい声が聞こえた気がした。


「どうした?」

「っ……なんでもない」


 ゲオルグの声に感覚が現実に引き戻される。目の前の男に悟られないよう息を整える。外から聞こえてくる水の音がクリアに聞こえるようになった。


(……なんだったんだ、今のは)


 戻ってきた感覚に安堵する。一口果実酒を口に入れて気持ちをさっぱりさせる。


 つられるようにゲオルグも果実酒を口に入れ、話を続けた。


「と、まぁ、今のところ得た情報はこんなもんよ。これからも何かあればそっちからも情報をくれ。とはいえ支部長を通してそっちからの方が大きい情報が入ってきているがな」

「……あぁ」


 しばらく場を静寂が包み込み、外から届けられる水の音だけが聞こえる。


 互いにグラスを置いて、再び真剣な顔で向き合う。


「で、ここに来たのは別の理由だな?」


 ユリクスは頷く。


 そう、確かに〝神の六使徒(ディーオ・アポストロ)〟などの情報も得られたらとは思っていたが、ユリクスが聞きたかったのはもっと身近な情報だ。それを察していたゲオルグが口を開く。


「聞きたいのは今回の調査の件か?」

「……そうだ。何か考えがあるんだろう。俺たちに同行を依頼した理由も」


 昼食の席でゲオルグは気張るな、と言った。だが本当に簡単な調査なのだろうか。ユリクスにはそれがどうしても納得できなかった。気に食わないが、ギルド総長であるゲオルグのことはある程度強者(つわもの)だと認めている。何も考えがないとは思えなかった。


 ゲオルグは鷹揚(おうよう)に頷く。やはりか、とユリクスは思った。


「俺の憶測だが、山に調査へ行っても恐らく魔獣はいねぇ」

「……なに?」

「お前はアクアトラスに初めて来たから知らねぇだろうが、あの山にいる魔獣はかなり手強い。手前の森に入っただけで禍々(まがまが)しい空気を感じさせるくらいにはな」

「……」

「だが森に入っても平和なもんだ。だから恐らく、魔獣はいねぇ」


 恐らくと言いつつ、ゲオルグは確信しているようだった。その事態について考え込むユリクスだったが、ゲオルグが意味ありげに正視してきたので一旦思考を止めた。


「鈍色の神核について、わかったことがある」

「……なんだ」

「あの神核で操れる魔獣の強さ、個体数は持ち主の魔力によって決まる。お前がライオーネの手前の洞窟で戦った男はかなりの魔獣を操っていたが、魔獣自体はそこまで強くなかったな?」

「……あぁ。男の魔力量も少なくもないがそこまで多くなかった」

「どうやら、弱い魔獣ならかなりの数操るのに、ある程度魔力があれば誰にでも容易らしい。だが、強い魔獣となれば話は別だ」

「……何が言いたい」

「わかってんだろう? 最強の類に入る龍種の魔獣を操り、その上アクアトラス周辺の強力な魔獣のほとんどを操り、集めているかもしれねぇ奴がいる。相当強いだろうな」

「……複数人で操っている可能性は」

「もちろんある。だからこそのお前たちだ。個々の力の強いお前たちだから、今回の調査を依頼した」

「……」


 それならば自分たちを同行させる理由に納得はいく。しかしわからないことが一つある。


「……何故このことをティアたちに言わない?」

「……それについては悪いと思っている。ほとんど囮にするようなものだからな」

「……なんだと」


 ユリクスは目付きを鋭くした。重さを感じさせる圧にゲオルグは気圧されることなく、冷静に話を続ける。


「今日の様子を見る限り、強ぇ奴と戦うかもしれないとなっても平然としていられるのはお前くらいだと判断した。あまり周りを警戒されて敵が出てこなくなっても困るからな」

「……それで囮か。あいつらに何かあったらどうする」

「そうならない強さは持っていると、支部長たちから寄せられた情報で判断した。都合がいいと思うだろうが、それが事実だ。それに……」

「……」

「……お前、あいつらに何かあるかもしれないとなったら本気になるだろう?」

「……なんだその理由は」


 ユリクスは呆気にとられた。


「自覚ないのか? お前、前会った時より仲間を大事にしているように見えるぞ?」

「……………………例えそうだとして、あいつらの身の安全には関係ない」

「いいや。お前、本気で気配を探知したら行き届く範囲はどのくらいだ?」

「……同じ山の中ならわかる」

「……予想以上だな。だがそれなら安心だ」


 ゲオルグは初めて表情を崩した。なんだかしてやられたようでユリクスは仏頂面になる。そもそも、自分がティアたちをそこまで大切にしているかと言われれば自信などないのだが、ここまで言い切られると複雑だ。


「……そもそも、俺はあいつらを大事にできている自信などない」

「ほう、〝大事にしてない〟じゃなく〝できている自信がない〟か。それはもうあいつらを大事にしているってことだぞ?」

「……そんなことは……」

「いいや、大事にするっていうのは、大事に〝思う〟ってことだ。大事にできているか心配している時点で、お前は十分に仲間を大事に思っている」

「……」


 ゲオルグの言葉をユリクスは反芻(はんすう)した。大事にすることとは、行動することではない。思うこと。その思いがあってこそ行動に出る。そう、ゲオルグは言っているのだろう。


「実際どうなんだ? 明日調査に出て、お前は本気で山の中を索敵するつもりか?」

「……あぁ」

「なら、やっぱお前は仲間思いの奴だよ。不器用で、一人を気取ってるだけのな」

「……気取ってない」

「へいへいそうかよ」


 誰かを大事にするということをゲオルグに教えられたことは癪だが、まぁ、その考えを胸の端にでも取っておくくらいはしておいてやろう、とふて腐る。きっとその考えが果実酒に口をつける様子に出ていたのだろう。ゲオルグが声を潜めて笑う。


「まぁ、もちろんお前たちには無事でいてもらいたいと思ってるからな。俺も周りには十分に気を配るさ」

「……そうしてくれ」

「はいよ」


 明日に向けての会話は終わり、残りは酒を楽しむ静かな宴の場と変わる。


 アクアトラスの果実酒は飲みやすく口内を楽しませ、窓の外に広がる湖は月明りを反射してキラキラ輝き目を楽しませる。


 また明日一悶着ありそうだというのに、そんなことは知らん顔で湖は美しい。海の猛獣を討伐したからか、その美しさはより際立ったようにも感じられる。


「……綺麗なもんだよなぁ」

「……あぁ」


 どうやら向こうも同じことを思っていたらしい。この男と同じことを思うのはいつもなら嫌だが、今はこの静寂な時間のせいかどうでもよくなっている。


 一本しかない果実酒の終わりが近づいてきていた。


 夜の湖に見送られ、静謐(せいひつ)な宴が終わろうとしている。






お読みいただきありがとうございます。


次回の更新は5日です。

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