新たなる旅立ち
いや〜ついに来ましたね。最終回!
あっ!この作品のじゃないよ!第1章のね!!
そこは間違えないで!この作品はまだまだ続くから(^^)
前回、辞令書を貰った2人。配属先は同じで艦長と副官という役職に就くことになったよね。
新しい艦や仲間たちと一緒に広大な宇宙を駆け巡る予感がするよね〜
ここでとりあえず作品としての区切りがつくから楽しんで読んでください!
それでは、第1章の最終回。第30話をどーぞ!!
第30話 新たなる旅立ち
ハレル総司令官より辞令書を受け取った2人は、各々色んな想いを抱えながら帰路へとついた。
転属日は辞令書発行後、1週間後との事だったので各自挨拶回りや宿舎、自宅の荷物整理を行っていた。
アレンと2人で暮らすクロイツは、せっかく借りた一軒家を離れなければならなくなった。アレンはクロイツが前線へと転属になった為、ハレル総司令官宅に預けられる事となった。
以前、ハレルが発給した基地への立入許可証は未だ有効な為、クロイツが宇宙から帰ってくる毎に会うことができる。
それでも共に過ごした時間が短かかろうと、離れ離れになる事に対しての寂しさが込み上げてくる。
「クロイツさん、しばらく会えないんですよね…」
「…そうだね。急な転属だったからね。いつも君を振り回してばかりでごめん」
アレンの落ち込むような表情と哀愁漂う言葉に、クロイツも胸が苦しくなる。ここで別れを惜しむのは柄じゃないと思ったクロイツだったが、口に出てきた言葉は彼への謝罪だった。
クロイツから謝罪の言葉が出てくるとは思わなかったアレンは、戸惑いながらも彼をなだめる。
「クロイツさんは悪くありませんよ!これもハレル総司令官からの命令ですから仕方ありませんし…それにまたあえるじゃないですか!」
ネガティブだった気持ちを強引に切り替えたアレンは、これまでの表情とは一変して笑顔に溢れていた。
それを目にしたクロイツは、いつまでも悲しんでいないで、アレンみたいに大人にならないとなと思った。
クロイツはある決心をして、荷造りしていた荷物の中からある物を取り出して、アレンへと託した。
「これは、私の大事なティーセットだ。君が大切に預かっていてほしい。帰ってきたらこれで紅茶を淹れてくれ」
そう言ってアレンへと手渡す。クロイツが、普段から大事そうに使っていたティーセットを受け取ったアレンは、とんでもないと彼に返そうとする。
しかし、クロイツは受け取ろうとしなかった。また一緒に暮らす為の約束手形の代わりだと言って、ティーセットを納めていた荷物箱を閉じてしまった。
クロイツが、これまでいつも一緒にあったティーセットを人に託すというのは、彼のアレンに対する信頼からであろう。
クロイツの意思を尊重して、アレンはそれを自分の荷物の中へと仕舞い込んだ。
そうこうしているうちに、アレンを迎える為ハレルが訪ねて来た。
「アレンいるかーい?おぉ!クロイツ、荷造りはしっかりやったか?そろそろ転属日が近づいてるからな。モタモタしてたらまた遅刻するぞ」
「ハレル総司令、入るなら先にチャイムかノックぐらいしてください……。見ての通り、荷造りは完璧です!」
突然、家へと上がり込んで忠告を言うハレルに、クロイツは呆れた表情で対応しながらも、荷造りが終わっていることを胸を張って自慢する。そこにアレンがトイレから戻ってきた。
「あっ!ハレル総司令官こんにちわ!荷造りは既に終わってます。今はクロイツさんの荷造りを手伝っていました」
アレンの一言で、クロイツの額からは冷や汗がタラリと流れ落ちる。そんな彼をハレルの鋭い眼差しが突き刺していた。
「クロイツ…君は年場もいかない子供に手伝わせていたのか?大の大人が?まさかそんなはずはないよな?」
ハレルの鋭い指摘にクロイツは、言葉を返せなかった。それに対してもハレルは突っ込む。
「……事実か。この際、教育も兼ねて二等兵からやり直すかい?どうだいクロイツ中佐?」
背筋が凍るような眼差しで睨むハレルに、クロイツはパッと土下座の態勢をとると、ゴンッ!と床に頭をぶつけながら平謝りした。
「すいませんでしたーー!!!この点に関しましては、小官の不徳が致すところであります。これからは誠心誠意しっかりと肩書きにあった振る舞いを致しますので、平にご容赦を!」
見事な土下座フォームを決めたクロイツにチャンスを与える事にしたハレルは、今回ばかりは彼を許す事にした。
それを横で見ていたアレンは、ああいう大人にはならないでおこうと決心した。この日は、別れの日でもあったが、クロイツがアレンの反面教師になった日でもあった。
多少のゴタゴタはあったが、無事全て終わらすことができたクロイツとアレンは、お互いに握手をしながら別れの言葉を述べる。
「アレン、ハレル総司令の迷惑になることをしないようにね。君ならきっと向こうの家族にも受け入れられるさ」
「クロイツさんも、イヴァンさんや他の皆さんの迷惑になることをしないでくださいよ。とりあえず寝坊しなければ大丈夫ですよ。あと、寝る前の歯磨きは忘れない…ように……じ…でぐ…だざい…」
アレンは、泣きながらも最後まで言葉にしてクロイツに抱きついた。
小さいながらに2度も親しい人と離れ離れになるのはいささか酷である。アレン本人も、こればかりは仕方がないと、頭では理解していても心が追いついていない状況であった。
泣きじゃくるアレンをクロイツはソッと抱きしめる。2人の別れを邪魔しないようにと、ハレルは家の外に出て別れが済むまで待機する事にした。
10分ぐらい経って、目を真っ赤に充血させたアレンが家から出てきた。その後ろからは、彼の荷物を脇に抱えたクロイツがいた。
「ハレル総司令官、お待たせしました。もう大丈夫ですので、向かいましょう。これから宜しくお願いします」
アレンは、長らく待たせた事をハレルに詫びると、普段通りの明るい笑顔を彼に見せた。
「もう大丈夫なのかい?まぁ最後の別れじゃないからね。また近いうちに必ず会えるさ!あと、これからはハレル総司令官ではなく、ハレルさんぐらいにしてほしいな。一応、同じ屋根の下で暮らす事だし…」
ハレルがそう照れながら言うと、アレンは笑顔で
「わかりました!ハレルさん、これから宜しくお願いします」
勢いよくお辞儀したアレンに、ハレルは息子ができたとようだと内心よろこんでいた。
クロイツも、アレンをハレルに預けるという事で、彼の保護者として挨拶をする。
「ハレル総司令、彼を宜しくお願いします。あまり不平不満を口にしない子なので、何か悩んでいそうでしたら軽く声をかけてやってください。お手数おかけしますが、どうぞよろしくお願いします」
1年にも満たない期間だったはずなのに、クロイツの口からは、彼が生まれてずっと一緒に暮らしてきたような言葉が出てきていた。
それにはハレルも驚いたが、クロイツがアレンと関わって前より成長していることを実感した。それと同時に嬉しく思った。あのやる気なしのクロイツが、アレンの事になると、責任ある大人としての顔になるのだから。
ハレルの車に荷物を載せたクロイツは、最後にアレンと固い握手を交わした。車に乗り込んだアレンをクロイツは車が見えなくなるまで手を振り続けた。
クロイツは、貸家の解約手続きを済ませると、第1分艦隊が手配した車に荷物を載せて乗り込み、これから生活する宿舎へと走らせた。
宿舎に着くと、士官用の部屋へと案内された。
クロイツが自分の部屋へと入ったと同時に、クラッカーが鳴り響く。
「「「「クロイツ中佐、お誕生日おめでとー!!!」」」」
中には、レータを始めイヴァンや旧配属艦アネモイのクルー達が所狭しと待っていた。
「ビョッ!?み、みんなどうしてここに……」
驚きのあまり変な声が出たクロイツは、そんなことに気づかず、皆がなぜ部屋にいるのかを問いただした。
「なぜってクロイツ中佐の誕生日サプライズだからですよ!中佐のことだから忘れてるだろうな〜って事でサプライズにしてみたんです」
レータは楽しそうに笑いながら、丁寧に説明してあげた。
その隣にいたイヴァンは、クロイツの口から出た変な声を弄っていた。
「みんな聞いたか?ビョッだとよ、ビョッ!ハッハッハッ最高だな!ビョッ!ハッハッハ」
1人笑いこけているイヴァンの脛をクロイツの足のつま先がクリーンヒットした。
「痛ってぇー!!!だ!ごめんクロイツ。ちょ、まってマジで痛い。ごめんってば!やめっ!やめろって」
革靴を履いていたクロイツのつま先がヒットした脛を抑えながら、次々と打ち出す蹴りをイヴァンは跳びながら躱していく。
周りの皆は、それを見て笑っていた。
落ち着いたところで、クロイツに皆からのプレゼントを渡すことになった。代表してイヴァンが、手渡す事になる。
「俺たち皆からだ。受け取ってくれ」
「あ、ありがとう。…開けても良いかい?」
プレゼントとして40×40cmの箱を受け取ったクロイツは、中身が気になり開けても良いか皆に確認した。
「勿論さ!早く開けてみてくれ!」
イヴァンから催促されるようにして言われたクロイツは、丁寧に包装を剥がすと箱を開けて中を覗いた。そこには、1枚の紙が置かれていた。そこには……
『 誕生日おめでとう!これからも宜しく艦長殿 』
たったの1行言葉が綴られていただけであった。察しのいいクロイツは、言葉の意味をすぐさま理解した。
「もしかし、次の配属艦のクルーは君達かい⁉︎それにイヴァンも⁉︎」
予想外のメンバーに驚きを隠せないクロイツは、目を丸くしながら辺りを見回した。それにイヴァンが答える。
「そう!これもハレル総司令のお心遣いのおかげだよ。最初は俺たちも驚いたさ。でもそれ以上に、お前と一緒の船に乗れる喜びは大きかったね!てなわけで、宜しく頼むよ?クロイツ艦長殿?」
イヴァンに面と向かって言われたクロイツは、照れ笑いをしながらも了解の意思を示した。
「もちろんさ…。もちろんだとも!こちらからもお願いするよ。これから宜しく!!皆、頼りにしてるよ」
その言葉に周りから歓声がわき起こった。それに乗じてクロイツコールが起こると、照れて頭を書きながらも嬉しそうな表情を浮かべるクロイツであった。
西暦3014年。連邦暦956年4月18日、別れと出会い、再会を同じ日に経験したこの日は、クロイツとその仲間達の新たなる旅立ちの日となった。
これより銀河に新たな歴史の1ページを刻む男とその大切な仲間達の物語が始まろうとしていた。
今回で、第1章が終わります。
これまで読んでいただいた皆様、誠にありがとうございます。第2章までは、少し間を置かせていただきますが、温かい目で見守っていただきますよう宜しくお願い申し上げます。
再開は、6月上旬を目処にしています。もしかしたら、それより早くなるかもしれません。楽しみにお待ちください!!
少しお休みしている間に、これまで更新してきた話の改稿等をしていこうと思います。詳しくはTwitterや活動報告でお知らせ致しますので、しばらくお待ちください。
ここでビッグニュース!!!!!!
読者の皆様を退屈させないように、新たな作品を書き始めました!!
5/15(火)の朝10時に更新します(((o(*゜▽゜*)o)))
作品タイトルは……
『目覚めたら知らない世界でした。〜ここは…どこですか?』
です!!!
目が覚めると知らない場所にいた主人公が、数名の仲間たちと異世界を旅していく物語です。
バトルあり恋愛あり冒険ありのガッツリ異世界モノとなります!
もちろん、魔法バンバンいっちゃいますよ〜(^^)
こちらも更新されたら活動報告とTwitterでお知らせします!!
初の異世界モノですので、あまり大きな期待をしないでください(^◇^;)
……でも、期待して読んでほしい思いもあるのよ?
絶対に面白いと思うから、読んで!!
まぁ、こちらに関しては、生暖かい目で見守っていただくだけで結構です!!
感想やレビュー、評価やブクマはいつでもWelcomeでーす(^^)




