表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/38

予想外

どうも。最近、リアルが忙しくて死にそうになってるグルクンです!


心身ともに疲れが溜まっているけど、今作のアクセス情報を見てると頑張れる気がしますw


じゃんじゃん読んじゃってください!


要望とかがありましたら、感想やTwitterで言ってください。限りなく叶えてみせますよ!!!!!


それでは、第19話スタートです!


第19話 予想外



 長い航行の末、クロイツ達の乗る特別偵察艦アネモイは辺境星系首都星の防衛艦隊母港へと着いた。


「よっしゃー!地上だ!3ヶ月ぶりの地上は良いね〜」


「落ち着けよクロイツ。何も地面にキスする事なんてないじゃないか」


 感動の余り地面にキスをしたクロイツをイヴァンが呆れた顔をしながらなだめた。


 それにクロイツは屁理屈で返す。


「イヴァン、訓練航海と言ってはいるが何が起こるかわからないのが、このご時世だよ。つい最近でも…」


「あぁーわかった。俺が悪かった。どうぞ続けて」


 イヴァンのその言葉にクロイツは地面に対して熱いキスをし続けた。


 それを後ろから見ていた他の乗組員は、見てはいけないものを見たかのように、各々目線を別の場所に向けて地上への帰還を感動し合っている。


 その後ろからアレンが()()()()しながら艦から降りてきた。


 そんなアレンをイヴァンがそっと側に立ってフォローする。そんな中、クロイツは未だにキスをしていた。地面に向かって…


 イヴァンは、そんなクロイツを放ってアレンを連れて防衛艦隊司令部に来た。その後ろから、アネモイ艦長であるクロイツがバタバタと走って追いついてきた。


「置いてくなよイヴァン!地面との感動的な再会だったんだからさ〜」


「何が感動的だよ。見ていて気持ちが悪かったわ!」


「別に気持ち悪くなんかないだろぉ…」


「はいはい。この話は終わりだクロイツ。これから艦隊総司令に訓練の報告とアレンの件を話さないといけないんだから」


 2人は、側にいるアレンをそっちのけで話をしていたため、彼の表情はより一層暗くなっていった。


 それに気がついたイヴァンがフォローを入れる。


「ア、アレンそんなに暗い顔をするなって!別に怒られたりはしないんだからさ」


「そ、そうだけど…これからは僕1人なんだし。お父さんもお母さんもみんな…し、死んじゃった」


 アレンのコバルトブルーに輝く瞳から大粒の涙が、ポツリポツリと廊下へと落ちた。


 それを見たクロイツは…


「イヴァンが泣かしたぁー!おぉ可哀想なアレン。さぁこっちへおいで」


「泣かすかアホ!俺を揶揄(からか)う前にフォロー入れろ!!」


 揶揄われたイヴァンはクロイツにそう言うと頭にゲンコツをお見舞いした。


 イヴァンのゲンコツを喰らったクロイツは、アレン同様瞳に涙を浮かべていた。


 その時、ちょうど目が合ったアレンとクロイツはアハハと笑いあった。


 そんなこんなで司令長官室に来たクロイツ達は、総司令秘書に話を通して、総司令の待つ部屋へと入った。


「失礼します。特別偵察艦アネモイ艦長クロイツ・アルティザン大尉です」


「同じくアネモイ副艦長イヴァン・ゲルトナー中尉です。そしてこっちが先日救助した民間輸送船の生き残りアレン・モレスビーです」


「アレン・モレスビーです。よろしくお願いします」


 一通り入室後の挨拶が済んだところで、総司令官である男が口を開いた。


「訓練ご苦労だった。それと本来想定していなかった民間輸送船の救助、よくぞやってくれた。おぉ、そこの君とは初めましてだな。私は辺境星系防衛艦隊総司令官のハレル・バーモント大将だ。まぁ、平たく言うとここにいる軍で1番偉い人って事さ」


 キリッとした表情でクロイツとイヴァンに接したのとはガラリと変わって、アレンに対してはやんわりとした表情で自己紹介をした。


 ハレル総司令官のその表情を見たアレンからは、さっきまでの不安が全て吹き飛んだ。


 アレンは唐突にハレルへと質問した。


「ハレル総司令官、この先僕はどうなるのでしょうか?」


 そう聞かれたハレルは難しそうな顔をした。それはクロイツ達も同じだった。


 少し間が空いて、ハレルが先に口を開く。


「君は先の民間輸送船の事故でご家族を亡くされた。他に身内がいないとなると……一度、児童保護施設預かりとなり、《遺留孤児保護法》の定めによって子供のいない軍人家庭で養子として、迎え入れられることになる。ただし、そこに行き着く過程においては、君の意見は尊重されるだろう」


 それを聞いたアレンは再び表情を暗くした。


 12歳の子供には重すぎる現実。ある日突然、自分以外の家族が居なくなり、自分は保護施設へと入ることになる。


 それを『はい。そうですか』と納得する子供は恐らく居ないだろう。


 アレンは、瞳に涙を浮かべながらハレルへと訴える。


「ハレル総司令官、僕をクロイツさん達と一緒に入れるようにすることはできないでしょうか?」


 その言葉にハレルとクロイツ達は驚いた。


「アレン君、すまないがそれはできない。彼らは軍人だ。いつ前線へ行くかわからない身なんだ。軍人でもない君をそんな危険な場所に置くことはできない…」


 ハレルの言葉の後にクロイツがそれを援護するように言った。


「そ、そうだよアレン。君は安全な場所で新しい家族と共に幸せになるべきだ」


 クロイツの言葉を聞いたアレンは、涙を流しながら大きな声で言った。


「……クロイツさんは僕と一緒じゃ嫌なんだね。一緒に居た時間は短い時間だったけど、僕はアネモイのみんなを家族だと思ってた。やっぱり僕が子供だから…みんなの邪魔になるから…僕のことが嫌いだから…」


 アレンは、泣きながらそう言うと総司令官室の扉を勢いよく開けて走り去ってしまった。



 アレンが飛び出していった後の部屋の空気は、今までにないぐらい最悪なものとなっていた。


 そんな中クロイツは、ハレルに一つお願いしてみることにした。


「ハレル総司令、彼を僕が引き取ることは出来ますでしょうか?」


 そう聞かれたハレルより先にイヴァンが口を開いた。


「はい?クロイツ、お前大丈夫か?どこか悪いのなら医務室に連れて行くぞ?」


 そう言われたクロイツは真っ向から否定する。


「いや、俺はどこも悪くないよ。これは真面目に言ってるんだ」


 クロイツがイヴァンに反論した後にハレルがクロイツに答えた。


「…正直に言えば出来ないことはない。が、それには制限があるんだ。一つは最低でも『少佐』の階級にあること。もう一つは『前線勤務じゃない』、要は内勤だと言うことだな。残念なことに君はそのどちらも満たしてないんだよ」


 それを聞いたクロイツは落ち込んだ様子でハレルに答えた。


「……そうですか。いえ、無理なお願いを聞いていただいただけでも有難いです。私も幼い頃に父親を亡くしたので、アレンの気持ちになると、どうにも遣る瀬無い気持ちになって」


 クロイツの言葉に、イヴァンは思い出したかのように言った。


「そうだったな。お前の親父、先の大戦で殿(しんがり)を務めて戦死したんだったな」


 それを聞いたハレルは、驚いた表情でクロイツに話しかけた。


「先の大戦の殿…ってあの英雄のことか!それに父親…クロイツ、君はあの英雄の息子だと言うのか⁉︎」


 ハレルの豹変ぶりにクロイツは引きながらも答える。


「その通りです。みんなが知っている、救国の英雄と言われる人の息子が私です。…それが何か?」


 ハレルは興奮した様子で話し始める。


「私は彼に助けられた身なんだよ。あれは士官学校を卒業して初めて配属された時だった。それとほぼ同じ時期に帝国が大艦隊で攻めてきたんだ。突然の侵攻に中央政府もアタフタしててね、急遽編成された連邦艦隊は指揮系統もバラバラだったんだ。…まぁ後の話はみんな知っての通り、惨敗さ。でも艦隊が殲滅されなかったのは、あの英雄が自分の乗るの艦を犠牲にして、帝国艦隊の旗艦を撃沈したからなんだ。私はその時、英雄が殿を務める艦隊がいる後方で尻尾を巻いて逃げる艦の副官をしてたんだ。彼のお陰で今、私がここに立っていると言っても過言ではないんだよ。」


 クロイツもあまり聞いたことのない父の人となりを耳にして感慨深い気分になった。そんな中、ハレルは話を続ける。


「それを踏まえて、私から提案がある。別に罪滅ぼしとかではないよ。私から英雄、君のお父様に対してのお礼と受け取ってほしい。……君を今日付けで大尉から少佐へ昇格させる。部署を艦隊司令部付特別監査局とし、定期的に内部の各部署の監査をしてほしい。指令部付だから君の上司は私になる。どうだい?これならアレンと一緒に過ごせるぞ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ