第22話「道は違えど」
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第22話「道は違えど」
三柱は敗れたり、今こそこの戦いの終焉の時
意識が暗闇の中に沈んでいる、そうか俺は母上に...
「まだ目覚めないのですかねえ、もう目覚めても良いのではないですかねえ」
「さっきから何度目よ、それにしても何で助けたのですか?いくら息子と同じ姿だとしても彼は違うのでしょう?」
「それでも彼は戦いました、ならば私達の物語に彼もまた必要なのでしょう」
「それは同意見です、彼の魂は我らと同じく影に生きる者、ならば共に戦わぬ訳もあるまい」
頭に声が響く、これは母上と幻想種...
「うっ此処は...」
月明かりが晴明を照らす
そこは屋敷に似て非なる場所、屋敷が怪異に対する場所だとするのならこちらは呪いや闇、根本的に悪である者と対峙する場所である
「ようやく目覚めましたか、晴明と同じであり違う存在である者よ」
「貴方は母上..いや違う、私があの晩戦った相手は...」
「混乱するのも無理はないでしょう、今から話すことを信じるかどうかは貴方に任せます、ただ私は貴方と敵対するつもりはない事だけはわかってください」
はるあきは幻想種達に疑いの目を向ける
「どうやら我らは邪魔なようだな、退散するとしようか」
ダムザの一言でジョーカーとキュリアスは去っていく
「これより話すのは私が犯した過ちの物語です」
この世界が始まってすぐ1人の女性が召喚された
彼女が持つ力は厄災を退け傷を癒すものだけだった、故に魔の王は彼女に目をつけた
「力が欲しいか?」
「この戦いを生き抜きこの世界にいるであろう晴明に出会えるのなら」
「出会えるであろうそれがお前の物語なのだからな、この力受け取るが良い!」
刻印が闇に染まる、その力は禁忌であった、ロストシンシアは心を食い尽くし侵食するのだから
「私が求めていた力はこのようなものでは...!」
彼女は消えゆく自身の意識をどうにか保ち詠唱をする
「我が伝承を此処に、儚き夢は消えゆく幻想を見る、永遠の夢は死の宴を見る、我が夢は癒しの呼び声を見る<天の加護は此処にありて-ナタリア>!」
世界が反転する、それは日が出た時のみ許された奇跡、あらゆる厄災を退ける聖なる世界である
「はあはあ」
葛の葉の息は荒い、その時3つの影が近づいてくる
「ほう、世界を渡るほどのその力は伝承、ならば貴方は参加者なのですかな?」
「あなた方は一体...」
「我らは幻想種、魔法戦争の裏を紡ぐ者であります」
「裏を紡ぐから反転世界に召喚されたわけですか、それは面白い、とても面白い!」
「つまんない事言ってんじゃないわよ、ねえあなた参加者なのでしょう、私達の主人になる気はない?」
「主人...ですか?」
「我々は主人を持たぬ身、故にこのままでは消えて無くなってしまうでしょう、どうか我らの主人になってもらえないでしょうか?」
「幻想種の事はこの世界に来た時に情報として記憶しています、私が契約を結べばあなた方が助かるのなら喜んでそうしましょう」
そうして彼女は三体の幻想種の主人となった
「ところで何故葛の葉様はこのような場所に?」
「私の伝承は何にも侵されない反転世界への転移なのです、そうですねあなた方には話しておくべきでしょう」
彼女はその身に起こった出来事を話した
「つまり元の世界に戻れば貴方はその意識を闇に乗っ取られてしまうという事ですか」
「ええそうです、日が出てから月が天上に登る時まで私の伝承は発動しています、ですがそれを過ぎれば私の身体は闇に蝕まれ今の私ではなくなるでしょう」
「それはとても悲しい、貴方がそのような運命にある事が私は悲しい」
「あんたのは本心かわからないのよね、それはともかく私達に何か出来ることはありませんか?」
「そうですね、ではわが息子晴明と私を戦わせてもらえないでしょうか?」
「息子と戦ってよいのですか?闇に蝕まれた貴方が息子を殺さないとも限りません」
「大丈夫です、きっとあの子なら私を殺してくれます」
「わかったわ、じゃあ息子さんと戦うように闇の貴方をうまいこと仕向けてみるわ、ただ一つ約束してほしいの、もし万が一にも貴方が勝つ事があったら私達はそのまま戦い続けるわ」
「もちろんそれは構いません、このような者の願いを聞いて来ただけるだけで十分です」
そうして彼らと晴明との戦いが始まった
「なるほど、では俺を殺さなかったのは今の貴方が正気であるからというわけですか」
「貴方にも私達の戦いに加わって欲しいのです、私はそれこそがきっと貴方がこの世界に召喚された意味だと思っています」
「わかりました俺は妖狐ですからね、影の住人は物語を導けるだけで十分です、ところで今の時間は?」
魔力はかなり回復している、月が登っているが先ほどの話を考えると夜にはこの伝承は発動していないはずだ
「この世界とあちらの世界は時の流れが違うのです、戦いまではあと2日はあるでしょう」
「時の流れが異なる世界か、流石伝承といったところですね、奇跡を容易に起こすその力は私には持ち得ないものです」
葛の葉の顔が曇る
「確かに伝承は奇跡を起こすことが出来るのでしょう、ですが私はそれを自らの過ちを埋めるために使った、その時点で私の物語は行き止まりだったのかもしれません」
「その行き止まりは俺が壊しましょう、そのために俺はここにいるのです」
「感謝します、あの子と同じ者よ」
月の輝きが増す、それはまるで本当の繋がりなど無くとも共に戦い抜く誓いを祝福しているようだった
時は経ち運命は迫る
晴明と晴明が、魔力と妖力がぶつかり合う
「晴明よお前の力を見せろ<風妖術-荒ぶる風雲の刃>!」
風が刃となり襲う
「何故私の前に立ちはだかるのですか!<荒ぶる炎の陣-爆炎の式神>!」
炎が風にかき消される
「何故か、やはりお前には何も見えていない!」
風が晴明の服を切り裂く
「どうした?お前は俺を倒しその先に行かねばならぬのだろう?だったらなにも躊躇することなど無いだろう!」
「躊躇などしていない<紅の氷河-青龍朱雀札>!」
青龍と朱雀の力、だがそれも妖力には敵わない
「それは嘘だな、いくら俺の妖力が上がっていたところでそんな風1つも消し去る事が出来ないなどありえん」
「それは...」
「お前に足りないのは覚悟だ、自らの身を母に差し出しそして母を殺す、出来なければならぬと分かっていながらもお前はまだ恐れているんだ!」
妖力が晴明に収束する
「覚悟を示せ、それが出来ないのならここで散れ!我が伝承を此処に、妖気は満ちたり今宵因果は解き放たれる<夢にのみあらん-妖波陣>!」
人の姿を持ちながら妖力を操る彼は葛の葉と過ごした少しの時間に何を見出したのだろうか、その伝承は答えである、例え夢のように儚く消えるものであったとしても彼は此処に確かに存在するのだ
「これが私の覚悟です、我が伝承を此処に<十二天将-式神乱舞>!」
もはや晴明の魔力で呼び出せるのは東西南北を守護せし四神のみ、だがその魔力は先程とは違う
四神が妖力と衝突する、妖力に呑み込まれながらもその力を削ぎ落とし世界が割れ光が見える
「どうやら幻想種どもは倒されたらしい、ちょうどいいこれで対等だ」
「覚悟は示しました、これ以上戦う意味はないです」
晴明は失笑する
「どうやらお前は根本的に勘違いをしているらしい、お前がこの世界に呼ばれた理由は母上を救うため?違うだろう、お前は魔法戦争で戦うために呼ばれたんだ、ならばこれも必然!」
はるあきが戦闘態勢をとる
「仮に私がそうであったとしても貴方は違う!貴方の体はもう....」
「俺は母上の駒だ、それ以上でもそれ以下でもない、話は終わりだ、いくぞ<蹂躙せし煉獄-妖炎不知火>!」
「貴方が敵としてあるのなら私は倒さねばなりません<浄化せし蒼き印-青龍>!」
激流に煉獄が呑まれる、純粋な威力だけなら煉獄が高い、だが激流の真価はその性質にある
「浄化の力とはな、まさか妖気に対する術をまだ持っていたとは」
徐々に煉獄が押されている
「なあ晴明、人の一生というのはまるで物語の様だとは思わんか?」
「一体何を言っているのですか...!」
激流がその勢いを増していく
「物語というのはその結末が定められている、それは人もまた同じではないのか?そこに至る過程はどうであれやがれ辿り着く場所は決まっている、それを人は運命と呼んでいるのではないのか!」
煉獄もまた勢いを増す、力が均衡する
「どこに行き着くかを決めるのは自分自身です、運命に抗う力を持っているのが人なのです、だがら私が母上の元に辿り着く!」
晴明の魔力がまるで解き放たれたかの様に爆発的に増加する
激流が煉獄を完全に飲み込む、その流れはとどまることを知らず晴明をも飲み込んでいく
「阿呆が、初めから分かっているではないか、それが俺の持ち得なかった人の業なのだからな...」
激流にその身を砕かれながら晴明は叫ぶ
「お前が行かねば意味がなかろう!」
そう言って最後の力を振り絞り晴明に妖力をぶつける、その力は例え人のものでなくてもそれを託した者の願いは叶うだろう
「この力は...分かりました、貴方の思いは必ず母上まで届かせます」
「分かったのなら早く行け、俺の意味はもう尽きた」
その言葉を聞き終え晴明は戦場の奥地へと走り出す
日の光が命運を終えし者を照らす
「この様な物語も悪くはないか....」
その者は淡い光となり消えていく、だが悲観する事はない彼の願いは託されたのだから
次話 物語の結末
眠いzzzz 良い子のみんなも良い子の幻想種もお休みなさい!
早寝早起きは大事やで




