異世界宗教勧誘
前回の最高にヤヴァイマリコちゃん
バットを振り回す。友達に怪我さる。回復魔法を覚える。
魔法も使えるっぽいので、カノンちゃんに生活魔法も色々教えてもらう。
取り出したコップに水を出したり、ちょっとした火種を出したり、実演してもらう。
見よう見まねでやってみたら、火種は簡単にできた。水は、出でなかったけど。
カノンちゃんは「練習してたらそのうちできるよー。多分」って言ってたので、水もそのうち、出せるようになるかも。
「あっと言う間にもう夕方だよー。夕飯の食材調達しよー。暗くなると見づらいし。そうそう、マリコちゃん今日、我が家にお泊りで良いんだよね?」
「不束者ですがよろしくお願いいたします。いかんせん手持ちも何も無いので、ご迷惑おかけします。」
ペコリと頭を下げる私に「いーよいーよ、気にしないでー。我が家の初めての友達お泊りだよー」っとテンション高く私の手を引っ張り、山菜が自生している場所へ案内してくれる。
山菜を一通り摘み終わると、今度は畑に向かう、畑ではじゃが芋を収穫した。これも前の住人が放置していたものらしい。
収穫を終え、カノンちゃんの家で調理する。
今度は私も手伝う、実家では調理してたのでまったく苦にならない。
まぁ、私が作ったのこふきいもに、バター乗せただけなんだけど。大きくなるトラブルも無く美味しく夕食を頂いて、まったりハーブーティタイムである。
「わたし、同世代の友達って初めてで、今日はホント楽しかったよー。マリコちゃん、ありがとねー」
「私も楽しかったよ。デカクなったのはビックリしたけど……。そういえばカノンちゃんって何歳? エルフってやっぱ長寿なんでしょ? 私は、十五歳で今年十六だよ」
「わたし十四歳だからマリコちゃんのほうが上だったんだねー。あとエルフは長生きだよー。寿命三百歳位だしー。ハイエルフになると千歳越えるらしいよー」
おぉ……。エルフって老けないってイメージあったので、年上かと思ってたけど年下だったんだ。
「千年とかやる事なくって退屈しちゃいそうだよねー。カノンちゃんは夜とか何して過ごしてるの?」
「ご飯食べたあとは、体拭いてーごろごろしながら本読むくらいかなー。わたしのお父さん、エルフの里の世界樹図書館で館長してて、わたし里から逃げた時にゴッソリ本を無限収納に入れてきたから、読む本には困らないしー」
「それ窃盗では……」
「貸し出しカードに名前書いたから多分大丈夫ー。それによくある英雄譚とかラブストーリの物語ばっかだし、危ない魔道書とか無いと思うし」
「異世界のラブストーリー……。気になります!」
「わたしもマリコちゃんの話してた、光の国の英雄とかすごい気になる! っあ! 先に体拭いちゃおーよ、臭くなったらいやだし、マリコちゃん抱きついた時にいい匂いしたし、臭くなったらもったいない」
「乙女に臭くなるとか言わないでー!」
乙女は香りに敏感なのだ! いい匂いがしたのは、おめかしして軽くつけていたファンデとかの香りと思われる。
シャンプーとかもこっちの世界には無いだろうし、私そのうち臭くなるのか……。体拭くっていうくらいだし、お風呂すら無いのかも……。
「カノンさん……。この世界ってお風呂ってあるんでしょうか?」
「エルフの家には、付いてるのが普通だけど、人族は貴族のお家くらいかなー。お高い宿屋にもあるかな? 尚、我が家は付いてないし、わたしの生活魔法だと桶にお湯張るのも厳しいので、少しのお湯で体を拭いて我慢状態……。っあ! わたしが水貯めて、マリコちゃんが温めればなんとかなるかもー」
「お風呂のためなら私、かなりがんばるよ!」
早速洗い場に行くと、カノンちゃんが人ひとり入れるタライを、無限収納から出して魔法で水を貯める。私が水に触れて適当に魔法を詠唱して温める。いい感じに温まる。よし! 成功! お風呂入れる!
久しぶりのお風呂に歓喜するカノンちゃんが、先に入る。
私は、リビングで火を灯したランタンを見ながら、ぼーっとして待機する。
異世界……友達……お泊り……。私、結構充実してる。これからどうしようかな。
ダンジョン……モンス退治……。必要なもの……。
っあ! 私、替えの下着すらもってない!? 友達に借りるのか下着!? いや待て、そもそもカノンちゃん自宅内だというのに、ビキニアーマーのアーマー部分は外していても、服装は白ビキニのまま! 下着もってない疑惑発生だ。
そんなことを考えていると、お風呂か出たカノンちゃんが来る。
「いやぁー。久しぶりのお風呂最高ーー!」
ほこほこしながら、髪をタオルで拭くカノンちゃん……。服装は白ビキニ……。
「カノンさんご相談したいことが……。変えの下着をお借りしたく、あわよくば服も……」
「マリコちゃんの着てるみたいな可愛い服なんてもってないよー。まぁ、わたしの着てたエルフの服と下着なら、少しだけあるけどこれでいいのー?」
カノンちゃんが無限収納から服を出す。
「ブラウスと膝丈のスカート、下着が2セット! 普通に可愛いしサイズも私とほとんど変わらない! 大丈夫だよ!」
驚いたのはパンツである。ゴム入ってて伸び縮みも問題無い! いや、白ビキニがあるのだから今更か! この世界の生活水準が正直よく分からない。
「うーん、替えも沢山あるし、マリコちゃんも白ビキニにしてわたしとお揃いにしない!? この女神教の聖衣だといいこと尽くめなんだよ! なんとこの聖衣! 女神様の加護で防御力が大幅アップするし、日焼けもしない! 寒くもない! この格好してると、町とかで揉め事にも巻き込まれないんだよ。女神教の信者に手を出せば、女神教の信徒にボッコッボッコにされるから、変なちょっかい出されないで済むんだよ! しかも服買わなくいい! 下着もいらない! ホントいいこと尽くめだよ!」
自分の白ビキニの腰部分を引っ張り、ペシンと音をさせる。
ウンバボ族同様に熱く語るカノンちゃん……。変なスイッチ入ったようです。
「いやいや私、日本神道の巫女なんでそれはご勘弁をばー」
「適当にお祈りするだけで教会でもらえるし大丈夫! 普段はお祈りすら録にしてない、服装だけのなんちゃって信者のわたしが保証するよ!」
「お祈りすると白ビキニくれるとかどんな宗教ですかー!」
日本には、八百万の神様が信仰の対象だし、今更一柱二柱増えようとも問題無い気もするんだけど、ビキニの神様はちょと……。
しかし、カノンちゃんは、更にヒートアップして説明を続ける。
「女神教とは、今から1625年前に誕生した聖女ヴィナス様を始めとする世界を救い、奇跡を起こした聖女を祭る団体! 全世界最大の宗教で、大体の国で国教とされていて、敬虔なる信者は、自宅内全裸主義を貫く! そのため一昔前までは裸神教と呼ばれ、戒律の中には、淑女は見せない! 紳士は見ない! などがあって──」
「ちょっとまったー! それもう露出狂じゃない?」
ビキニの神様ですらなかった! 裸の王様ならぬ裸の神様だよ!
「マリコちゃんこそちょっとまったー! それ絶対外で言ったらダメだからね! 女神教の人に袋叩きにされるよ! 女神暦500年に現れた聖女ミロ様は、異世界から転移された裸族の従者を連れて、ヴィナス様の聖地巡礼をしながら世直しをして、最終的に大規模な反乱を起こした露出教を改心させ、露出教を操っていたとされる邪神を討伐したとされてるんだよ! だから女神教の人を、露出教扱いすると激怒されるよ!」
「暴言申し訳ない、なんかこの世界の宗教観についていけないというか……。なんかこー私の信仰は、心穏やかにするものーとか、そういった感じのものだったので」
「まー、分かればよろしー。それにエルフは、精霊信仰だし似た様なもんなのかなー」
「とりあえず話し戻すけど、私おしゃれしたいし白ビキニは、ご勘弁をば……」
「分かったよー。服は上げるので、マリコちゃんもお風呂入っちゃいなー。っあ! あとで光の国の英雄のお話聞かせてねー」
「光の国の話は微妙だから、もっと楽しい話してあげるよ。天空にある城の話とか」
お風呂に浸かり、この異世界の世界観をまとめる。
バットで戦うウンバボ族に、全裸信仰の団体……混沌としてる。
他にもきっと濃いのが出てきそうだ。冒険者ギルドに行ったら、半分位が服着てませんとかだったら嫌だなー。
私は、お風呂から出ると、カノンちゃんに天空にあるお城の話をする。
映画やアニメの話は、ストックが沢山ある。
物語が終わった時には、カノンちゃんは、ツボに入ったらしく興奮気味に滅びの言葉を唱えてた。
その後、心地よい眠気を感じたので寝ることにする。異世界初日の就寝。
濃い一日だったなー。マッチョに激突死させられて転生してモンスと戦かって、ご飯食べたら体は大きくなるし……。ウンバボ族とか女神教とかも濃いなぁ……。
この濃い世界でやっていけるのかと、不安になりつつも、私の思考は眠りに委ねられた。




