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っちょ!これ! 私の想像してた異世界転生と違います!  作者: 神籠神社
私、この変な世界に馴染んできました。
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進化の訪れ

前回のソリではっちゃけて股間を強打したマリコちゃん

ガラスの砂漠に到着。BBQとオアシスを楽しむ。

「マリコちゃーん。大丈夫ー?」

「怪我してませんか!?」


 カノンちゃんとメリッサさんがこっちに着て心配する。

 私は、痛みをやせ我慢し、強打した股間を押えて回復魔法をかけながら言う。


「大丈夫。ちょっと打っただけだから。魔法で直ぐ治るよ」

「そうなんだー。じゃー平気かな? わたしもやってみたいから、あとでソリ貸してねー」

「分かったよ。私がもう少し遊んで安全な乗り方を模索しとくよ」

「マリコさん! もう一回やりましょう!」


 転んだ時にノーダメージだったカタリナちゃんは、楽しくて仕方ないみたいだ。多分町育ちだから、こういう遊びしたことないのかな?


「オッケー、今度はカタリナちゃんが前に乗ってね。私が後ろに乗るから」

「はい! 分かりました!」


 再び砂山の天辺まで登る。今度は後ろに乗ったから、股間強打はしないはず。


「カタリナちゃん! 股間注意だよ!」

「はい! 股間注意します! それではいきます!」


 股間注意のカタリナちゃんがソリを発進! 砂山を高速のソリが走る!


「きゃーーー!」

「いっけぇー!」


 楽しい悲鳴を二人であげる。子供っぽいけど、体を使う遊びは結構楽しい。

 そして、また湖の前で転倒。勢い良く湖に放り投げられる。


「ッツァ! ゴブフ!!」

「あいたー!」


 水中から出るとカタリナちゃんは「いててて」っと後頭部を抑えていた。

 私は、鼻を押えている。転倒した時に、カタリナちゃんの後頭部が、モロ顔面にヒットした。鼻が痛い……。


「大丈夫ですか!?」

「めっちゃ痛いよー、鼻取れてない?」

「取れてないですよ!? 赤くなってます」

「回復するからちょっと待ってね」


 鼻に手を当てて、回復する。乙女の顔にダメージは厳禁だよ。この失敗は二度と繰り返してはいけない。


「一つ分かったよ。ソリって二人乗りしちゃだめだね」

「そうですね。一人で乗った方が安全そうですね。私、試してみます」

「うん、ここから見てるね」


 砂山の天辺まで登ったカタリナちゃんが「いっきまーっす」っと声を掛けてから砂山から滑る。

 華麗に砂山を下りきり、湖の上を少し進んで沈んでいく。お見事!!


「おぉー! パーフェクト! 大成功だよ!」

「やりました!」


 ドヤ顔のカタリナちゃんとハイタッチする。よし次は私が魅せよう!


 砂山天辺まで登る。ハンドルを握って座席に体育座りをする私、この状態で滑り降りよう。この状態なら股間フィニッシュはありえない。

 目を閉じ精神を集中、ッカ! っと見開いて体重を前に乗せ発進!

 スピードは二人乗りの時よりも遅い。バランスを保ったまま湖の手前まで来る。


「ここでジャーーンプ!!」


 ソリからジャンプして、両手を広げて蝶の様にポージング! 決まった!

 後は華麗に回転して落ちるだけ。伸身回転だ!


 ッバッシーーン! っと音を立て、水飛沫(みずしぶき)が舞う。

 着水に失敗……。腹からモロ着水。調子に乗りすぎたぁ。

 全身ヒリヒリをやせ我慢しながら、カタリナちゃんに平然とした顔でソリを渡す。流石に三回連続でダメージを受けているのは、恥ずかしいので誤魔化す。


 何回かソリで遊んでいると、カノンちゃんとメリッサさんが来たので交代する。


「あれ? カノンちゃん、シャルは何処? 私も背中乗っけてもらいたいんだけど」

「泳ぎまわってるよー。水中だと声届きにくいから、顔出してる時に言えば乗っけてくれるよー」

「了解ー」


 よし! ではシャルを捕まえよう。早速、水中に潜りシャルを見つける。カエルマリコの力で素早く近づく。

 しかし、シャルがこちらの気配に気づいたらしく逃げていく。

 シャルは急旋回でこちらを向き、私を見ながら歯茎をむき出す。っむ!? こやつ私に戦いを挑むつもりか!


 そして、魚っぽいシャルと人外の力を持つ私の、壮絶な鬼ごっこが始まった――。


 結果。私の負け。無理無理、シャルめっちゃ早い。イルカショーみたいに、水中からジャンプして回転するとか、完全に舐められてた。

 どうやって捕まえようかなーっと考えていると、シャルが湖から出て行く。

 カタリナちゃんが手にキュウリを持ってる。餌で釣ったのかー。

 私も湖から出てシャル達の横に座る。


「もー、シャル泳ぐの早いよ」

「マリーコ、しょっぼ……。は、敗北を知りたい」

「んな! 生意気なぁー」


 私は「といや!」っとシャルの頭に軽くチョップをする。


「へぎゃ!?」


 シャルがうめき声を上げて倒れる。目が白くなった!? 殺っちまった!?

 真っ青な顔でカタリナちゃんが言う。


「何も殺さなくても……」

「そんなつもりないよ! こんな時こそ、殺ったか!? って、死亡回避フラグ立ててよ!」


 パニクって意味不明な発言をしてしまう。なんて事をしてしまったのだろう! このままではカノンちゃんが悲しむ!


「そうだ! 回復魔法! まだ間に合うかも!」


 横たわるシャルの頭を確認する。血は出てないけどなんかパックリ割れてる……。私のチョップどんだけ威力あるんだよ……。

 手を当てて回復魔法をかける。


「シャル! 生き返って! 神様! お願い!!」


 その時、久しぶりに聞こえる。神様の声が……。


『さあ、願いを言え、どんな願いもひとつだけ叶えてやろう』

「マリーシュさん! この前はすみませんでした! どうかこの子を生き返らせてください!」

『それは無理な願いだ……』

「なんでですか! 神様ならそれくらいやって見せてくださいよ!」

『ドラゴ○ボールひとつも集めて無いのに、何でも願いが叶うと思うなよ!』

「ふざけないでよ! 今そんなこと言ってる場合じゃ無いんです!」

『悪い悪い、久しぶりに神頼みされちゃったからー。ふざけ過ぎたわー。っていうかその子死んで無いから。進化するみたいだぞ。面白いな、そっちの生き物』

「っへ? 死んでないの?」

『そういう事だ。願いは叶えてやった。では、さらばだ!』

「はい? 願いは叶えた? あれ? 何もお願い叶ってなくない!?」


 でも、とりあえずシャルは死んでいないのか。ホッと胸をなでおろす。っていうか神様の声、意味あったのだろうか……。私からかわれ損だよ。

 カタリナちゃんが私の方を向いて、心配そうな顔で見てる。


「カタリナちゃん大丈夫だよ。今神様の声が聞こえたけど、シャル死んだんじゃなくって進化してるらしいよ」

「そうなん……ですか?」


 カタリナちゃんは、納得して無いらしく困り顔だ。私もシャルが心配。大丈夫だよね?

 私達が見守っていると、シャルの割れていた頭の傷が、更にパックリ背中まで割れる。っちょ! 悪化した!?


 私が慌てていると、背中から人間の手が出てきた! グロいよぉぉ!

 そして、可愛い小さな女の子が出てくる! 全裸! 胸には黒い星、見えてはいけない部分から閃光を放つ! 流石この世界の生き物!


 眩い閃光で、カノンちゃん達がこっちの騒ぎに気づいて走って来る。


「マリコちゃーん、どうしたのー?」

「シャルが進化した!」

「何それ!? その子がシャル!?」

「かのーん。シャルは、シャル?」

「そんなことより、裸は見せちゃだめなの! 元のシャルちゃんの聖衣をとりあえず着せるの!」


 女神教の敬虔な信者のメリッサさんから指導が入る。見えて無くても見せちゃダメ。せっせと魚の抜け殻状態になっている元シャルが着ていた白ビキニを、進化したシャルに着せる。

 その水着、魚の尾びれが出せるように、お尻がオーバックに空いてるんだけど……。

 カノンちゃんはシャルにキュウリを渡してる。好物を渡して、本人確認のつもりなのかな?

 ちっちゃい女の子が、お尻に大きく穴の空いた白ビキニを着て、キュウリを持っている。なんか怪しげな光景に……。


「さっき食べた、後で食べる」

「っあー、そうだったー。カタリナちゃんからもらったんだよねー」

「はい、さっき私がシャルに食べさせました。でもビックリですね。魚って人間になるんですね」

「いや、普通はありえないから……。でも可愛いし、とりあえず無事で良かったー」


 進化したシャルは、幼い可愛いらしい顔立ち、身長百三十センチ位で小学生の中学年位かな? 薄い水色の長い髪が水属性っぽくていい。

 それにしても一気に変わったなぁ。大丈夫かな?


「シャルー。見た目すっごい変わったけど大丈夫? 体ちゃんと動かせる?」

「動きにくい、少し。手が生えた時と同じ、練習」


 シャルが、腕を伸ばしたりピョンピョンして、体の動かし方を確認する。水着の丸く空いた穴が気になってしょうがない。

 しかし、他にも気になる所を発見、鎖骨の辺りに穴が開いてる……。エラ?


「シャルって今でも水中呼吸できるの?」

「多分、できる。マリーコに負けない」


 シャルが自信満々にニヤリと笑って湖にダイブする。っちょ! 進化したばかりなのに無茶してない!? 心配になって、私も追っかけて湖に入る。


 水中では、シャルがジッと私を見つめ、そしてまた私に歯茎をむく。

 アーーン! 人が心配して追い駆けたのに、こやつまたやろうっていうのか! その挑発のってやろう。所詮は魚からただの幼女になっただけ、水中で前みたいに泳げるはずが無い! 速攻で捕まえてやる――。


 そんな風に思っていた時期が私にもありました。

 結果。私の負け。意味不明、シャルめっちゃ速い。気をつけの直立不動の体勢で泳いでる。推進力とかどうなってるのか訳分からん。多分あれだあれ、魔法だきっと。

 私は考えるのを止めて、皆の所に戻る。

 カノンちゃんが私に謎ジュースを差し出して言う。


「ほい、お疲れ様ー。シャル凄いねー」

「うんうん、アレは捕まえられないよー」

「ここから見てても凄かったの」

「二人ともヤヴァイです」


 皆が、私とシャルの戦いの感想を言っていると、シャルが湖から出て来る、ドヤ顔だ。


「マリーコ、っしょっぼ……」

「しょぼいって言わないでよ!」


 チョップしてやろうと思ったけど、また割れたら困るからここは我慢だ。相手はさっきと違って魚ではない。ただの幼女だ。私が大人になろう。

 私がそんな事を思っていたら、カノンちゃんが叱った。


「シャル! 勝ったからって相手を馬鹿にしちゃダメだよー! ここは良い勝負だったとか相手を気遣わないとー」

「かのーん。ごめーん。マリーコ、いい勝負だった……」


 幼女に気遣われてしまった……。情けない。とりあえず私も「いい勝負だったね。また勝負しよっ!」っと頭をなでる。

 カノンちゃんは「おー、よしよし。シャルは素直でいい子だねー」っとあやしてる。子供の扱いがうまいなー。

 そして、カノンちゃんがシャルをナデナデしながら言う。


「そういえばマリコちゃん、シャルに乗ってみたいんだっけー?」

「あー、魚だった時は乗りたかったけど、今は子供だしちょっと乗りづらいよ」

「マリーコも乗る?、かのーんも一緒、乗る?」

「乗せてくれるの? しかも二人乗り?」

「良かったねー。んじゃ、一緒に乗ろー」


 そんな訳でカノンちゃんと一緒にシャルに乗る事に。

 水辺にうつ伏せで浮かぶシャルの背中にカノンちゃんが跨り、その後ろに私が跨る。オーバックに空いてるモロお尻部分に座る。やわらかい。変な気持ちになる……。


 お尻の感触に、これってアウトかもっと思っていたら、シャルが急発進する! 行き成り凄いピード! ジェットスキーみたいに水面の水を切り進む!


「むいいいぃぃーーーー」

「行けーーー! シャルーーー!」

「速! シャルめっちゃ速いって!」


 あっという間に湖を一周する。カタリナちゃんとメリッサさんも、楽しそうにこっちに手を振ってる。

 今度はジャンプしたり急旋回する。振り落とされそうになるので、両足でガッチリシャルをホールドする。座席シートなお尻が、くにんってなるけど仕方ない。落ちちゃう。


 最後は、猛スピードでカタリナちゃん達に急接近! そして急ブレーキ! どっぱーんっと水飛沫がカタリナちゃん達にかかる。

 それを見てシャルが「キャッキャッ」っと大はしゃぎ。私とカノンちゃんも声を出して笑う。めっちゃ楽しかった。


 シャルから降りると、日が傾き始めていた。楽しい時間はあっという間だ。

 夕食の準備もあるのでキャンプに戻ることにする。

 キャンプ戻り念のため周囲を確認する。異常なし。立てっぱなしのテントも、松風も元気。


 しかし、皆でテントの中で着替えていると異常に気づく。


「あれ? マリコちゃん日焼けした?」

「っへ?」


 鏡を出してもらって確認する……。っこっこれは……なんだと。愕然とした。


「っひぃぃぃ!! 顔の真ん中だけ! 丸型に日焼けしてるぅ!!」


 カエルマリコ状態は、全身タイツみたいな格好だ! 顔の中央部分だけ空いてる! その部分だけ日に焼けたのか!


「なんで皆は日焼けしてないのに! 私だけぇー!?」

「女神教の聖衣は、神様の加護で日焼けしないの」


 そういえば前にカノンちゃんがそんな事言ってた。


「私も、白ビキニ着てればよかったぁぁ!!」


 私の悲痛な叫びが、ガラスの砂漠に寂しくこだました。

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