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っちょ!これ! 私の想像してた異世界転生と違います!  作者: 神籠神社
私、異世界で信者ができました。
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亀裂と修復

前回の神様を光臨させちゃった奇跡の人マリコさん

ライブする。神様光臨。舞台から逃げる。

 神様から『どんまい!』っと言われ、私は思わず「それだけかー!」っと叫んで突っ込みをしてしまう。

 やってもうた……。突然部屋で叫びだした私に皆の視線が刺さる。


「すみません……。私の心を読んだと思われる神様が突然話しかけてきたので……」

「流石マリコ様! 神に対しても物怖じしない態度。奇跡を起す聖人。これからも女神教の教会で聖女として――」

「そういうの止めて欲しいんですよ!!」


 思わず怒鳴ってしまった……。私らしくない。疲れてるんだきっと。

 別にアリエンヌさんの事が嫌いとかそんな事は無い。

 でもはっきり言わなきゃダメだ。きっと神様達も見てる。私は皆の玩具じゃない!


「私はみんなと楽しく生活できれば十分幸せなんです……。神の使いとか聖人だとか正直重いです……」


 少し眉の下がったアリエンヌさんが申し訳なさそうに言う。


「申し訳有りませんマリコ様。でも、もう貴女を普通の生活に戻すことは出来ません。ヴィナス様が光臨されるなんて南大陸では初めてです。教会は直に貴女を聖女と認定して、民衆達は貴女を信仰するでしょう。無論、信徒である私達が生活の――」


 ドン! ガシャン! 強く叩かれたテーブル、床に落ちる食器が音を立てて壊れる。テーブルを叩いたのは、鋭い瞳で睨みつけるアンネさんだ。


「オイ……。マリコが嫌がってるだろ……。私は神ってヤツが大嫌いなんだよ。私が苦しんでる時、一度たりとも助けてくれなかったからな」

「苦しんでいる人をひとりでも救うため、神の教えを広めているのです。全ての人を救うことは神でもできません。人を救うのは、人のやるべき事なのです!」


 アンネさんの表情がさらに険しくなる。

 でも司教であるアリエンヌさんには、神を否定することは許されない事なんだろう。凛とした態度が変わらない。

 それでもアンネさんは続ける。


「ふざけるな! 今まさにアンタがマリコを不幸にしてるじゃないか! 他人を幸せにするためにマリコに犠牲になれっていうのか!」

「それも致し方ありません……。」

「さっきアンタの神が自由だとかって言ってたよな! マリコに自由は無いのか!? ぶっ殺すぞ!」

「よせ! アンネ!!」


 メル姉さんがアンネさんを羽交い絞めにして止める。

 私が発端で大きな騒ぎになってしまった……。こんなの何時もの私達じゃない。でも私にだって嫌なことはある。

 私がどうしようかと悩んでいるとベリンダさんが場を収める。


「司教。私の仲間が無礼な態度を取って申し訳ない。今日はお暇させてもらおう」


 ベリンダさんが扉を開け「行くぞ」っと言う。私達は逃げるようにそのまま馬車へと向かう。アリエンヌさんも呼び止めることはしなかった。アンネさんの言葉に思うところがあったのだろう。


 馬車に着くと麻袋とトカゲが気持ちよさそうに寝てた。なんか少し日常に戻れた気がする。

 私が馬車に乗り込むとベリンダさんが言う。


「私は戻り、司教と話しをしてくる。お前達は先に帰ってくれ。コゼット、ドリス、馬車の護衛を頼む」

「私も司教とお話ししますわ」


 ボニーさんも馬車から降りてベリンダさんと一緒に教会へ向かっていく。

 馬車は出発する。アンネさんは下を向き表情が分からない。沈黙が車内を包む。

 でもこの状況を招いたは私だ。ちゃんと修復しなきゃ。


「アンネさん……。さっきはありがとうございました」

「うん……」

「今度なにかお礼させてください。だから元気だしてください! 何時ものアンネさんに戻ってください」

「うん……。じゃぁ……。おっぱい触らせてー」

「って! それはダメですよ!?」


 立ち直るの早!? アンネさんが私に覆いかぶさろうとしてくる。両手で阻止する。ランクの高いガチ百合だ! 力負けしそうだ!

 そんな私達の姿をみてメル姉さんが鼻で笑う。


「フン! いつまでもうじうじしていたら、私がぶん殴っていたところだ。マリコもマリコだ司教だろうと関係ない。自らの道を阻む者ならば拳で語れば良い。ウンバボ族では当たり前の事だ」

「いや司教は殴っちゃダメですよ? 信者に囲まれちゃいますよ。私じゃどうにもできません」

「力が無いなら強くなれ。それで自分を押し通せ」

「そうだマリコ! 力ないお前は、私に胸を揉みしだかれるのだ!」

「っちょ! っま!」


 私が抵抗を続けるとカノンちゃんが「やめれー」っとアンネさんの腕を掴む。遅れてカタリナちゃんも腕を掴む。マイ従者が助けに来てくれた。助かった。

 でも両手に花状態なったアンネさん……。顔がにやけてる。さっきの落ち込みは何処にいったのやら。でも……よかった。


「ふーやっと。いつものマリコちゃん達に戻ったねー」

「マリコさんの表情も穏やかになりましたね」

「カタリナちゃんや、私にだってシリアスな時くらいあるんだからね」

「そうですか? 初めて見た気がします」


 っお? 久々に辛辣モードのカタリナちゃんだ。

 私は「失敬な!」っと言い隣に座ってたカタリナちゃんの横っ腹をキューっともみもみする。


「っきょ! きゃは! 止めて止めてマリコさん!」

「おしぃおきぃだべー」


 そんな感じで、何時もの私達にもどりベリンダさんちに到着。

 まだ夕方前だったけど今日は部屋でまったり過ごす。


 カノンちゃんは今日の出来事をメモ帳に記入、カタリナちゃんは劇団の構想を考え、メル姉さんは部屋で筋トレを始める。私はベットでゴロゴロする。

 別室で暇だったアンネさんもこちらに来くる。


「みんなは取り込み中か? マリコは何してんのー?」

「今日は色々と疲れたのでゴロゴロとしてるんですよ」

「夕食まで時間あるしなんかやろーぜ。異世界から来たって言ってたよな。異世界の遊びとかないの?」

「うーん、異世界の遊びですかー」


 ちょっと悩んでからカノンちゃんに声を掛け、ボールを三個だしてもらう。

 前に雑貨屋で見つけたやつで、お手玉っぽい布に豆が入ったボール。

 コレを使ってお手玉を披露したらカノンちゃんが「私も練習する!」っと張り切って購入。そして、すぐに飽きて死蔵。もったいないしここで使おう。


「えーっと私の居た世界には大道芸人っていう職業があります。その芸人さんの技の一つ、ジャグリングを披露しますね。久々なので上手に出来るか分かりませんけど、とりあえずやってみます」


 そう言って私はボールをひょいっと上に投げる。そして一個目から取りこぼす……。あうち。

 子供の頃おばあちゃんにもらったお手玉。結構やり込んでたんだけどなー。

 私は落ちたボールを足の甲に乗っけて、上に蹴り上げる。

 っお、今度は成功、両手でボール三つを交互にひょいひょいっと入れ替える。


「おーマリコ凄いな! それ酒場で人気者になれるぞ」


 感を取り戻したので、続けてボールをさっきよりも高く上げて、右手だけで三つのボールを入れ替える。

 最後は左手で、三つ全てのボールをキャッチ!


「お見事! よくそんな事できるなー。もっとやってくれよ」

「いやいや、私、芸人じゃないからこれが限界ですって。アンネさんも練習すればきっとできますよ」

「そうなん? ちょっとやってみるからボール貸して!」


 アンネさんにボールを渡すと必死にジャグリングを練習し始める。

 私はベットに寝転がりながらだらだらー。適当にアドバイス。これでゆっくり出来る……。

 っと思ったらアンネさん五分も掛からずジャグリングを習得。三つのボールが淀みなく宙を舞う。


「もう出来るようになったんですね。アンネさん覚えるの早いですね」

「ハハッ! 天性の才能ってやつか? もっと技教えてくれよ」

「足の下を通したり、背中側から投げたりとか色々あるみたいですよ。他にも二人でやったりとか」

「じゃー二人でやろうぜ」


 二人でジャグリングするには、部屋は狭いので廊下に出る。

 二人ジャグリングは、少し練習しただけでできた。これチート発動してますな。

 アンネさんも訓練されたガチ百合だし、身体能力が凄く高いから簡単に習得できるみたい。

 次第にアクロバットな技も織り交ぜる。ジャンプ投げ、背面キャッチ、他にも落とした振りをしてキックして飛ばしたり、フェイントも織り交ぜる。

 あっという間に超絶ジャグラーに……。チート、ヤヴァイ。

 ジャグリングを続けたままアンネさんに言う。


「なんか凄いことになってきましたねー。そろそろ部屋戻ります?」

「えー、もうちょっとやろうぜ! 他にも見たことある技ないのか?」

「あるにはあるんですけど、危険な技ですよー」


 パン! パン! パシン! っと三つのボールを一旦キャッチしてから言う。


「ナイフジャグリングって言ってナイフでジャグリングするんですよ。大怪我する可能性もありますけど、まぁ最悪、回復魔法で治るだろうしやってみます?」

「おー、確かにそれ見た目のインパクトあっていいな! やろう!」


 そんな訳でアンネさんは、愛用の大きいナイフ二本で、ジャグリング練習する。

 私は一旦部屋に戻り、執筆に夢中になってるカノンちゃんにお願いして、鉈と大きめの包丁を借りる。

 部屋から出て刃物でジャグリングを開始。ボールより重いだけ、苦労せずに習得。


「それじゃ二人でナイフジャグリングやりますか?」

「おう! それじゃいくぞ! せーの!」


 同時にナイフを投げる! 夕日に輝くナイフが回転しながら中を舞う。ナイフは淀みなく投げ続けられ、時折、小技も技も織り交ぜる。ナイフジャグリング習得完了!!

 大して練習してないけど、ここまで出来るようになるとは。楽しい。今度酒場で披露しようかなー。

 ちょっとした充実感に私が浸っていると「やめてぇぇぇ!!」っと駆け寄る半泣きのベリンダさん。ボニーさんも後ろに居るし、今帰ってきたらしい。

 近づかれると危ないので、私とアンネさんは、ナイフをキャッチする。

 ベリンダさんめっちゃ慌ててるし明らかに勘違いされてるよ。


「アンネ。私と初めて出会ったとき……。約束しただろ、もう無闇に人を殺めないって……。仲間同士で殺し合いなんて止めてくれよ……」

「っあ。すみません。これナイフを投げ合う芸です。遊んでただけなのでご安心ください」


 下唇の下にめっちゃ(しわ)が寄ってる! これかなり怒ってる!?


「ひとんちで紛らわしいことするなぁぁ!!」


 ベリンダさんの鉄拳が私の頭部を襲う! 強めの一撃をもらう。


「へばぁ!」

「おっと危ない」


 こんな時でもガチ百合さん高ランクの身体能力は凄い。華麗にベリンダさんの一撃をかわす。

 しかし背後から現れたボニーさんがパシン! っと頭に一撃を食らわせる。猫パンチだ!


「私達が教会で面倒な交渉をしている時に、二人は遊んでいたの? 少し反省すると良いわ」

「心配して急いで帰ってくれば、ナイフ投げ合ってるし……。私の気遣いを返せ」

「色々とご迷惑掛けてすみません」

「すまん」


 私とアンネさんが謝るとフン! っと言って話を続ける。


「本当にしょうがないやつらだ。お前達みたいな問題児は、私が監視しないと駄目だな! これからもダラの町で暮らしてもらうぞ。キノ王に迷惑を掛けると困るからな」

「ベリンダさんそれって……」

「ベリンダ様が便宜を図ってくださったわ。マリコさんは、これまで通りダラで生活できるわ」

「まーそう言うことだマリコ。詳しいことは、食事の後にでも説明する。こんな所で立ち話もなんだしな。じゃあ、着替えるからまた後でな」


 そう言ってベリンダさんは、自室に行く。私達も部屋に戻り夕食を待つ。

 ベットの上でゴロゴロしながら考える。

 出会ってまだ数日なのに、私のために本気怒ってくれたアンネさん。

 そして祭り上げられそうになった私を、助けてくれたベリンダさん、ボニーさん。

 いい仲間に恵まれた。そんな仲間と一瞬だけど亀裂が入りそうになった。でも直に修復できた。心が安堵する……。


 その時また頭に声が聞こえる。


『マリリン! 今日はホントすんませんでしたー!!』


 おぉ!! 行き成り神様から謝罪キター!

 そういえばまだ神様との関係悪化が修復されてなかった。

 私は皆に聞こえない様にボソリと言う。「もう気にしていませんよ。でも無茶振りは控えてくださいね」っと。

※次回更新は、17日(火)の20:00更新を予定しております。

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尚、今回の展開は作者の望むところでは有りませんでした。力量不足です。

ノリで自由に書き過ぎ、それを無理やり軌道修正した結果です。

この反省を生かし次回に繋げたいですね。

ご不快に思われた読者の方、申し訳有りませんでした。

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