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っちょ!これ! 私の想像してた異世界転生と違います!  作者: 神籠神社
私、異世界で信者ができました。
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奇跡の人

前回の魔王を捕まえた認定されたマリコさん

聖騎士の式典に参加。全裸の神様の神託を受ける。

 私はオロオロしていた。行き成り神様の声が聞こえて英雄にされてしまった。マジですか!? 皆の視線が痛いです。堪忍してください。

 視線に耐え切れずうずくまるとまた頭に声が聞こえる。マリーシュさんだ。


『マリリン……。どんまい!』

「って! そんだけかーい!」

『ほらほら見てみ観客を。ヴィナスさんマジ信仰されてるから怒らせるとヤヴァイって。待たせるのよくねーしちゃっちゃと始めよーぜ。始めちゃえば何とかなるって』

「っうっう……。分かりました。やってみます」


 立ち上がった私は仲間にアイコンタクトしてから魔法の言葉を唱える。


「マリコマジック!!」


 この恥ずかしい掛け声どうにかならないのだろうか。例によって魔方陣が現れキラキラエフェクトがでて服が早着替えされ――。


「って!? っちょ!? うっひゃぁぁぁぁ!! 何ぃこの服ー!?」


 前回と違う! 白ビキニに布面積の少ない千早! 魔改造巫女服じゃないかー!!

 周りを見ると他のメンバーもキラキラして白ビキニっぽいものになってる。最初っから魔改造巫女服だったカノンちゃんだけ変わってないけど。

 これヴィナス様のみわざなん!? 変なサプライズされちゃってるよ!


 私が動揺してもマリコマジックは進行中、持っていた神楽鈴のマイクから光の玉が出て照明とスピーカーがセットされる。

 何時までも動揺してられない。やるしかない! 私は腹をくくり前のライブ同様に叫ぶ。


「あああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


 私が叫び演奏が始まる。ほぼ同時に私達の上に爆炎が放たれる。

 ボニーさんが広範囲の攻撃魔法を空に撃ったのだ。打ち合わせ通り。

 観客から歓声が湧き私とカノンちゃん、カタリナちゃんのキレッキレのユニゾンダンスが始まる。直に観客もノリノリになってくれる。よし! 私のメンタルも回復してきた!


 一曲目を滞りなく終え調子が出てくる。

 今日のベースソロではボニーさんが自分の真下に土属性魔法で舞台をせり上げる。

 即席お立ち台を作って演奏。ちっちゃい二体の人形がボニーさんの左右でキレッキレのダンスを踊る。可愛い。

 ベースソロが終わるとメル姉さんが例によって激しいドラムを叩く。

 メル姉さんの白ビキニ姿……。腹筋がエイトパックに割れてる。ヤヴァイ。

 曲の最後の方ではヘドバンしている人達が居た。多分前回のライブに居た人だ。私も負けるかーっと頭をブンブンする。

 その時広場の端っこの方から少女の泣き声が聞こる。


「あぁーん。お母さーん見えないよぉ」


 本来なら聞こえないはずの声だけどマリコイヤーは地獄耳。

 このままでは式典での少女の思い出が悲しいものになってしまう。ここはお姉さん本気出さざるを得ない。

 カノンちゃんに近づき「キノコ二本お願い!」っと言いキノコを出してもらって貪る。六メートル級マリコ登場! 会場からは地鳴りにも似た今日一番の歓声が。

 泣いてる少女の方を向いてキメポーズをして手を振ると「見えたー! お母さん大きいお姉ちゃん手ーふってるー!」っと喜んでいる。良かった。


 六メートルだとこの舞台に対してデカ過ぎ。四メートル位の大きさに戻しややデカ状態で三曲目に入る。

 私がシャウトし曲が始まる。

 メル姉さんの激しいドラムのリズムで巨人ダンシング!

 なんとなくノリでデカイまま踊ってしまった。地面が揺れるのでコレは控えた方が良さそう。

 激しく明滅する照明の中、元の大きさに戻し、カノンちゃん、カタリナちゃんが「ハイ! ハイ!」っと観客を盛り上げ曲はメル姉さんのドラムソロに入る。


 カノンちゃんが突然舞台の端っこまで走って行く。打ち合わせと違うのでサプライズ演出かな?

 舞台端っこからカノンちゃんがダッシュする。途中でくるっと廻りながらジャンプして桜の花びらみたいのを撒いている。

 どっかで拾ったのを収納魔法で出してるのかな? 綺麗だけど掃除大変そう。

 そしてドラムソロも終わり曲の最後のサビを歌う。


 最後の締めはボニーさんが爆炎を放ち、私は口に含んだ蒸留酒を霧状に噴射! 魔法で着火して口から火を吐く。マイゴッド! 巫女は異世界で火を噴きます!!


 全曲終わってメンバー全員が舞台の中央に集まる。手を繋いで腕を上げ歓声を浴びる。

 私が「皆ーありがとー!」っと叫ぶと照明が消え、キラキラエフェクトが出て衣装も元に戻る。ふー無事終わってよかったー。舞台袖戻ろーっと思った時それは起きる。


『マリコさーん。巫女神楽確かに頂きましたー。マリーシュさんから聞きましたけど巫女神楽って神を引き寄せる儀式なんですって? よって、サプライズ光臨しちゃいまーっす』


 そう頭の中に声が聞こえた後、舞台の中央にあるヴィナス様の石造が七色に光り出す。それが次第に白く美しい人の肌の色に変わる。

 長いブロンドの髪が胸を隠し右手に持っている槍が下腹部を隠しているけど全裸。全裸の神様が光臨。背後には後光が煌き、何処からともなく白い鳩が飛んでくる。マジゴッド……。

 思わず土下座でガクブルしてしまう。神様と対話!? 無理無理無理無理!


『皆さーん。顔上げても大丈夫ですよ? 見えてませんからー』


 見える見えないの問題じゃないよ! っと突っ込みたいけど無理だ! 神様に突っ込みは無理!

 後ろをチラ見すると信者の人達が涙を流し「神が光臨なされたー」っとかなってるし。ヴィナス様、影響力あり過ぎだよ。これどう収拾つけるのさ?


 私が目を開き前を見ると石造の台座に立っていたヴィナス様がジャンプする。

 槍をヒュンヒュン回しながら着地。無駄にカッコイイポースをキメる。隠してるようにすら見えない! でも見えない! 全裸の極みだ!

 一歩一歩ゆっくりと私に歩み寄ってくる。


 そしていつの間にか舞台に上がっていた司教のアリエンヌさん。全裸でヴィナス様の側に行く。

 両足をクロスした状態でしゃがみ、左手で胸を隠して右手を差し出すポーズをする。お祈りポーズだ。

 ヴィナス様はアリエンヌさんの横まで歩くと持っていた槍を左手に持ち替える。 そして差し出されていた手に触れてニッコリと微笑んで言う。


『全裸って最高に自由だよね!』


 だからなんだーー!! もーこの世界の価値観! 可笑しいって絶対!

 私が心の中で突っ込みしていると手を取られたアリエンヌさんが「ありがとうございます。ありがとうございます。神が……神が……。私にお声を……微笑んでくださった……」大粒の涙を流して両手で目を覆う。それでも肘の部分で胸は隠している。プロだ!


 私の目の前まで来たヴィナス様は立ち止まる。やや斜めの状態で片膝を地面に付ける。無駄に絵になるカッコイイポーズで私を見据える。まっすぐ立つと見えちゃうんですね。


『マリコさん魔王捕縛ありがとう。魔王を操っていたのは邪神です。復活のために新たな布石を打つかもしれないですよ。でもそれまではこの世界で愉快に、そして自由に! 人生を謳歌してください!』


 私は正座した状態だったのでそのまま三つ指付いて頭を下げる。


「ひゃい。かしゅこりました……」


 噛み噛みだ……。無理無理無理無理。私のライフポイントもうゼロだよ。

 恐る恐る顔を上げるとニヤリと半笑いのヴィナス様。噛んだのが地味にツボに入ったらしい。


『あとマリコさんにコレを差し上げますよ。 伝承では槍で戦うところばかり伝えられているけど本当の使い方はこうですよ!』


 ヴィナス様は槍を舞台に突き立て光り輝く右手で槍に触る。

 槍から布地が現れアルファベットでMariesh(マリーシュ)と文字が書かれている。


『これは旗。ずっと昔の話だけど平和の旗を掲げて仲間と一緒に走りまわったんですよ。マリコさんにも平和の旗を。文字は貴女の神、マリーシュさんの名前入れときましたよ。大事に使ってね!』


 っちょ! マリーシュは、神様がネットゲームで使ってるハンドルネームだ! でも神様に突っ込みは無理ッス。

 立ち上がった私は、舞台に刺さっている旗を引き抜いて掲げる。噛まないように気をつけて言う。


「謹んで頂戴いたします!」


 返事をすると素敵な笑顔で私に微笑む。近くで見ると本当に美しい神様。物凄い美人が全裸で平和をお願いしたから、世界が平和になったって言われても、ちょっと納得してしまうほどの美しさ。


『じゃーマリコさんにお礼もできたし帰りまーす。光臨するのってかなり力使うから長時間は無理なんですよね。でもやっぱり地上もいいよねー。全裸に風が気持ち良い! それでは! 我思うがままに自由に! 皆の人生が豊かであれ!』


 ヴィナス様がそう言い、ジャンプして石の台座に戻る。無駄にカッコイイポースを取るのは忘れない。

 そしてさりげなく左手で見えてはいけない部分を隠し斜め上を向いた状態で眩い閃光を放つ。目がぁ、目がぁぁー!

 光が収まり台座を見るとヴィナス様は石造になっていた。帰ったらしい。


 舞台の上には感動で「おぉぅ、っおっおぅえぇっおえ!」っと吐きそうな声で咽び泣くアリエンヌさん。

 舞台袖の聖騎士さん達も抱き合って「神がー神がー」って泣いてるし、バンドメンバーももらい泣き状態……。これどないせいと……。

 私はヴィナス様に貰った旗を持ったままカノンちゃんに近づく。

 そして肩をトントンっと叩いて言う。


「撤収ーー!!」


 速攻で楽器を片付けて舞台袖に逃げ込む。すれ違った博物館の館長に「後は貴方におまかせします!」っと無茶振りしていく。


 舞台袖も駆け抜けて控え室に戻りやっと平静を取り戻す。

 落ち着きを取り戻した私はため息をつく。


「はぁ……」

「マリコちゃんが奇跡を起こした……。マリコちゃんを選んだわたしの直感に狂いはなかったー」

「マリコこれはどういうことなんだ? 説明してくれ」


 カノンちゃんは体験した出来事に興奮。メル姉さんは私に説明を求め。他のメンバーも私の言動に注目してる……。このままでは私、奇跡の人にされてしまう。

 私的には「神様の気まぐれですー」で済ませたいけどそれで納得してもらえる気がしない。

 とりあえず異世界から来たって言ってそれっぽくまとめよう!


「皆さんの事は信頼しています。本当の事を話しましょう……。カノンちゃん、カタリナちゃんには話してありますが、私はこの世界とは違う世界から来ました! この黒髪と黒い瞳が証拠です! その時に神の恩恵を受けました!」


 知らなかったメンバーが驚愕の表情を浮かべる。そしてベリンダさんが言う。


「異世界の住人に神の恩恵……。まるでおとぎ話のようだ。しかし実際にマリコは奇跡を起こした。認めるしかないな」

「そうなんです! 異世界の住人なんです! だからこの世界の事ってまだ全然分かってないんです! 例えば……。そう! お祈りしている時のポーズの意味とかダンジョンの一番奥がどうなってるかとか」


 カノンちゃんが「うんうん」っと私を肯定してから言う。


「そういえばお祈りのポーズの意味ってなんなんだろー。聖書にも挿絵はあるけど意味って書いてないよねー。ボニーさん知ってるー?」


 ベリンダさんが「今はそんなことよりも――」っと言っているけどボニーさんが答える。


「分かりませんわ。きっとヴィナス様が食べ物を施し、それを受け取る信徒の姿を模したものですわ。ヴィナス様は「人は食べ物があれば裸でも生きていける」っとお言葉を残しておりますもの」

「そうなんだー。わたしはお金拾ってラッキーって感じだと思ってたよー」

「いやカノンちゃん流石にそれはないよ。お金拾っても掲げないって」


 その時トントンっとドアがノックされて白ビキニ姿のアリエンヌさんが入ってくる。


「マリコ様、今日は神が光臨するという奇跡を――」

「アリエンヌさんすみません! ひとつ教えて頂きたいのですが!」


 あっぶなー。なんかまた奇跡の人っぽい扱いをされそうだったので割り込んで話を潰す。

 やっと雑談ムードっぽくなったのに奇跡の人とか話を戻されては困る。

 奇跡の人とかいわれて祭り上げられるのはごめんです。

 それに丁度いい、この人なら司教だし私の疑問にも答えてくれそうだし。


「お祈りの時にするポーズってどんな意味があるんですか?」

「聖書に書いてあるお祈りのポーズのことだよー」

「あー、一般的には伝わってはおりませんね。最古の旧聖書に記述があり。ヴィナス様と全能神との出会いの一節をあらわしています」


 ゴクリ……。なんかまた別の神様でてきた。変なフラグ立ててないよね? 心配になってきた。

 私の心配を他所にアリエンヌさんが続ける。


「現在聖女の岬と呼ばれている場所。幼い頃のヴィナス様が風を浴びていました。その時、神器を落としそれを探しに来た全能神が現れます。ヴィナス様は落し物を一緒に探しました。そしてそれを見つけ全能神に差し出し言いました「コンタクトありましたよ」っと……。その時のポーズが――」


 うぉぉぉい! 何で全能神なのにコンタクトしてるんだよ! 全能なら治せー!

 私が心の中で突っ込んでいるとマイゴッドの声が頭に響く。


『マリリン……。どんまい!』

「って! またそれだけかー!」

※次回更新は、15日(日)の20:00更新を予定しております。


 そろそろ日々更新が厳しくなってきました。

 書くのは楽しいので更新自体はしますのでご安心を。

 単純に時間と体力の問題ですので。


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