全裸がヤヴァイ
前回の貰ったお金を舞台女優に貢いだマリコちゃん
劇団の再立ち上げに協力する。ライブの出演依頼を受ける。
エラさんも帰ってきて皆そろったところで夕食のお時間に。
今日もメイドさんが料理を運んできてくれる。
ダイニングのテーブルに色とりどりの料理が大皿に盛られ、各自で好きなものを小皿に取る今日は立食バイキングだ。
おいしそうな食べ物を小皿に乗っけていると横に居たベリンダさんにエラさんが話しかけていた。
「あーそういえば今日でギルドの仕事は大体片付きましたよー。後は帰りにキノ城下ギルドでカノンさんに荷物集荷してもらうだけですー。まぁ私も休みをよこせってマスターに言ってあるんですよー。三日後の朝ダラに出発でいいですかー?」
「そうか思ったよりも早く終わったな。では三日後にキノを出るとしよう。エラもそれまでゆっくりするといい。用があれば家の者に相談してくれていいぞ」
ふむどうやら三日後に帰るらしい。明日はライブだし明後日は自由っぽい。買い物行きたいなー。
馬車に乗りながら町並みを見た感じ、雑貨屋とか多そうだったし。可愛い服とかも売ってるかも。
そんな事を考えながら夕食を食べる。
夕食を食べ終わった後はお風呂。昨日と同じ四人で一緒に入る。
昨日はやり過ぎて職業がヘチマーになってしまったので大人しくしている。これ以上なんかやったら職業がカリスマヘチマーとかさらに変なのになるかも。
お風呂から出た後は部屋でまったり過ごす。
数日ぶりにカノンちゃんにハーブティを煎れてもらう。心落ち着くひと時であります。
少しするとお風呂から出てきたアンネさんが部屋に入ってくる。
酒盛りを始め「ハーブティー!」っと叫びながらお酒とハーブティーを混ぜて飲み始じまる。心落ち着くひと時、終了であります。
ベリンダさん、お付の二人、エラさんも部屋に入って酒盛りに参加。広めとはいえ四人部屋なので結構な人口密度だ。
アンネさんが「マリコーなんか面白いことやってー」っと無茶振り。
私も「カタリナ先生お願いします」っとスルーパスするとカタリナちゃんが劇場でやってた銀猫姫を一人で演じる事になる。ダイジェスト版だ。
ナレーションと演技を一人でやるカタリナちゃん。即興でできるとかホント凄い。
最初のうちはお酒片手にわーきゃー言いながら見てたアンネさんも途中から劇に見入って静かになる。劇の終わりには、一滴の涙を流す。
ベリンダさんも静かだ。酔いつぶれている。ただの屍のようだ。
ベリンダさんをお付の二人が千鳥足になりながらも自室へと運んでいく。宴もたけなわなので今日はここでお開き。
***
翌朝、目が覚めてから朝食を食べお出かけの準備をする。
今日は女神教の教会でライブだ。
従者の二人は「正装しなきゃね」っと巫女服もどきに着替える。ボニーさんも女神教徒の格好ということで白の三角ビキニ。
私がお気に入りの白コートを羽織っていると頭に声が直接聞こえてきた!!
『おはよーマリリン。今日ライブやるんだって? そっちの世界のヴィナスさんって神から連絡きたぜー』
「はい?」
っえ? 神様同士って電話で連絡取れるの? ってそれに私のライブの話とか何がどうなってるの!?
私は混乱しているけどマリーシュさんは続ける。
『マリリンそっちで魔王捕まえたんだって? ヴィナスさん喜んでたぞー。今日のライブでサプライズしてくれるってよ』
「えぇぇ!?」
私魔王と戦った覚え無いんだけど!?
『あとヴィナスさんそっちの世界で凄い信仰心集めてるめっちゃパワーある神だから怒らせんなよー。怒らせるとヤバイタイプだ。んじゃライブ頑張れよー。生中継楽しみにしてるぜー』
「っえ!? っちょ! っま!」
頭の中に受話器を置く音が聞こえ通話が途切れる。
カノンちゃんが心配そうに私に「マリコちゃん大丈夫?」っと聞いてくる。
「カノンちゃん……今私の信仰してる神様の摩利支天様から連絡があったんだけど今日の演奏会でヴィナス様がサプライズしてくれるらしいよ……」
なんちゃって女神教信者なカノンちゃんの目が見開く。流石にビックリしたらしい。
そして敬虔な教徒なボニーさんは私の前で両足をクロスした状態でしゃがみ左手で胸を隠し右手を私に差し出す。礼拝堂で信者の人がやってたやつだ。私拝まれてる……。
それを見たカタリナちゃんも同じポーズを取り。メル姉さん、カノンちゃんも私を拝みだす。
「っちょ! っちょと止めて! 私は神様じゃないんだからね!?」
そう言うとカノンちゃんとメル姉さんは立ち上がってくれる。
拝みっぱなしなカタリナちゃんをデコピンしボニーさんを持ち上げて立たせる。
私がぎゃーぎゃーしているとベリンダさんが入ってくる。
「何を騒いでいるんだ? そろそろ出発するぞ」
「マリコさんが神託を受けましたわ」
「そうなのか? 後で詳しく教えてくれ。取り合えず出発するぞ!」
そんな訳で馬車に乗り女神教の教会に向かう。神託騒ぎもうやむやになったし助かった。
っと思ったら教会の入り口でベリンダさんが信徒の人に「仲間が神託を受けたそうだ」っと言っちゃう。
大騒ぎになって教会内の個室に案内される。私これからどうなっちゃうの?
案内途中にチラ見する。この大陸最大規模の教会というだけあって色んな施設があるみたい。結構な人数の信者が集まってる。
私達は案内されたソファーに座って待つ。
しばらくするとトントンっとドアを叩く音がして「入ります」っと女性の声が聞こえ中に入ってくる。
その女性は、髪に銀細工を着けた美人秘書っぽい感じの人でナチュラルに全裸……。
普通に歩いているようで見えてはいけない部分は決して見せない。プロの全裸だ。
プロの全裸はひとり掛のソファーに足を組んで座り両手を胸の位置であわせる。全裸なのに絶対に見せないの技術が凄い。
「皆様本日はご足労ありがとうございます。女神教南大陸司教のアリエンヌと申します」
全裸なのに普通に話だすアンタがありえんヌだよ! っと突っ込みたいけど我慢する。司教って偉い人っぽい。
「午後の演奏よろしくお願いいたします。ところで信徒の者から神託を受けたと報告がありましたが神のお声をお聞きになったのですか? どのような内容でしたか?」
ベリンダさんが「神託を受けたのはマリコだ。マリコ話してくれ」っと言う。話して大丈夫なの? 私祭り上げられたりしないよね?
「えー、まずお話しないといけないのは、聞こえた神様の声は私の信仰している摩利支天様の声であってヴィナス様のお声ではありません。摩利支天様のお話では私自身まったく身に覚えが有りませんが魔王を捕まえたことになっていてヴィナス様がそれを喜んでいるそうです。それで演奏会で何か驚くことをしてくれるそうです」
話を聞いたベリンダさんが「おい……それって家の地下牢に閉じ込めてるアイツじゃないのか? 普通の牢なんだが魔王って閉じ込めておけるものなのか?」っとちょっと慌てだす。
いや流石にアレが魔王とは思えない。私が脅しただけで失禁してたし。
「マリコ様……南大陸をお救い頂きありがとうございます……」
アリエンヌさんが深々と頭を下げる。それ以上体を傾けると胸が見えちゃうっていうところで姿勢をキープする。プロだ。
「特に魔王に何かしたって訳じゃないですからね私! それにまだ魔王って確定してませんし!」
「いいえそんな事はございません。マリシシテン様と仰いましたか? 無知故に存じ上げませんでしたが神がおっしゃっていたのであれば確かでありましょう。なんとお礼を言ったら良いか……」
司教のアリエンヌさんが土下座しそうな雰囲気になった所で扉がノックされ「失礼します」っと言いながら白のハイレグビキニの人が入ってくる。
綺麗なブロンド髪の私よりちょっと年上っぽい可愛い子。革ベルトに長剣を携えてる。
その子を見たメル姉さんが立ち上がり拳を突き出して言う。
「おめでとうフィオナ。聖騎士とは、また腕を上げたようだな」
「ありがとうございますメル様。いずれ追いついてみせます」
フィオナさんも拳を突き出してコツンとぶつけニヤっと笑ってからアリエンヌさんの方を向いて言う。
「司教様、式典の準備が整いましたので最終確認をお願いいたします」
「あらあら主役の貴女がここまで連絡しに来るとは、他の信徒達は何をしているのかしら……」
「予定していたよりも信者が集まってきているそうです。総員で入場制限をしながら交通整理をしております」
「そうでしたかそれでは私も戻ったほうが良さそうですね。皆様申し訳ありません。礼拝堂へ向かいますのでご一緒願います」
「ではご案内します」
フィオナさんが扉を開けて私達を先導する。
一番後ろにはいつの間にか白ビキニを着たアリエンヌさん。一瞬目を離した隙に着たのだろうか?
私が「いつの間に服をお召しになったのですか?」っと聞くと「ふふふ。修行の成果です。マリコ様も一度教会の訓練所に入ってみませんか?」っと言う。
私は「いえ、お断ります」キッパリお断り。ナチュラルに入信勧誘されても白ビキニは結構です。
礼拝堂の二階部分のバルコニー席に案内されアリエンヌさん、フィオナさんと別れる。
礼拝堂は、王様の謁見の間よりも広くて格調高い感じ。下のフロアは、水着姿の人が一杯か……。
しばらく待っていると静まり返った教会内に流れるピアノの旋律、どうやら式典が始まったらしい。厳かな雰囲気だ。
正面入り口から昨日会った隊長のルチアさん、その一歩後ろにフィオナさんが付いて祭壇へ向かう。
祭壇に着くとなんか儀式っぽいのが始まる。膝立ちしてるフィオナさんにルチアさんが銀の髪飾り付けたりとか。
途中信者の人達が一斉にお祈りポーズをする。皆がやるから私もやる。典型的な日本人です。
最後は、祭壇前でアリエンヌさんが両手を掲げ眩い光で礼拝堂が満たされる。
私には一瞬見えた……あの人光った瞬間全裸になった! マジ、アリエンヌさんや。
眩しかったので目をそらす。光が収まり再度アリエンヌさんの方を向く。白ビキニ装着済み。早業だ。
アリエンヌさんが前を向き拍手をする。他の人達も立ち上がり拍手と歓声が礼拝堂に鳴り響いた。
なんか式典終わったっぽい。私も拍手する。おめでたい。
歓声の中ニコニコしたフィオナさんが元来た道を戻って外へと出て行く。外から湧き上がる歓声。お披露目パレードでもするのかな?
そんな事を考えていたら信徒の人が私達を呼びに来た。
案内されるまま着いていく。
ヴィナス様の石造を中心に扇状の石で出来た舞台。ここでライブか、緊張する。既に人が場所取りを始めてるし。
私達は舞台裏の控え室で出番を待つ。
飲み物や食べ物が一杯置いてある。好きに食べていいそうなので遠慮なく頂く。カノンちゃんや持って帰るのは、はしたないから、収納するのは止めたまえ。
あとは昨日話し合った演出の最終確認をしてまったり出番を待つ。
博物館の館長さんが「そろそろお時間です」っと呼びに来る。今日もこの人が前説とかしてくれるのかな?
舞台袖に行くと舞台に立っていたルチアさん、フィオナさんがお辞儀して舞台袖に入ってくる。
ルチアさんがすれ違いざまに「よろしくお願いいたします」っと言う。
私達は舞台に出る。広場の前は人で溢れかえっている。ヤヴァイ、緊張する。
カノンちゃんがマイペースに楽器を渡し皆が定位置に立つ。
舞台の端っこで館長さんが立ちマイクをトントン叩いている。この光景前にも見たんですが……。
そして案の定、頭の中に声が聞こえてくる。
って! この声マリーシュさんじゃない!? 女性の声だ!
『信者の皆さんこーんにーちはー。いつもニコニコ自由の象徴! 全裸のヴィナスですよ!』
っちょ! 行き成り神様キター!
広場に居た信者達も混乱する。石造の方へ手を差し伸ばして拝みだしたり、舞台袖のルチアさんが泣きずれ、最前列にいたアリエンヌさんも全裸になって泣いてる。一気にカオスに。
『今日はフィオナの式典のお祝いありがとー。楽しんでいってね。そこに居るマリコさんは、なんと先日魔王を捕縛した南大陸の救世主なんですよ。マリコさん居なかったらきっとこの大陸ボロボロにされちゃってたんだよ。みんなもお礼を言おう! せーの! ありがとー』
神託に従う信者達がちらほらと「ありがとー」っと言っているけど殆どの人が放心状態。そりゃ自分の信仰してる神様から行き成り話しかけられたら焦るって。
ヴィナス様が再び『声が小さーい! もう一回! ありがとー』っと言い広場にいた信者達の視線が一斉に私に集まり「「「ありがとー」」」っと大地が揺れるんじゃないかってくらいの声で叫ばれる。
ひぃぃいぃ。何ですかこの状況、私のライフポイントはもう限界です。
しかし私がこんな状態でも神様はお構いなし。
『よくできましたー。それではマリコさん巫女神楽! お願いします!』
よし! それでは演奏をって、できるかー!
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