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っちょ!これ! 私の想像してた異世界転生と違います!  作者: 神籠神社
私、スーパーなマリコになりました。
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摩利子大地に立つ!!

前回の土下座のヒロイン摩利子ちゃん

神様のお婆ちゃんにチート転生してもらう。

 土下座の体勢で転生してしまった私は、ゆっくりと立ち上がり、バッバッバ! っと手で砂を払う。


 とりあえず辺りを見回すと、草や木がこんもりと茂っていた。森スタート。

 四方が10メートルほど開けた所に転生したらしい。

 ここら先に進むとなると鉈とか欲しい、手や足で枝とか掻き分けるとか服汚れそうだし……。

 そもそも、無駄におめかしモードだったのが恨めしい、気合入れて寒いのに生足でスカート姿。防御力とか皆無だよ。


 しかし、無いものねだりしてもしかたが無い、頭を切り替えよう! そうチート! お婆ちゃん曰く、スーパーな摩利子ちゃんらしいので、身体能力のアップとか魔法とかバンバン使えそう!

 でも、魔法の使い方とかさっぱり解らない。とりあえず身体能力を確認してみよう。まずは、垂直ジャンプからかな。


「えい!」


 ビュン! と、小気味良い音とともに飛び跳ねる私……。

 なんか五メートルほど普通にジャンプしてしまった。うわぁ……ヤバイ、チートマジヤバイ、転生したばかりだけど、早くも人間辞めてる感が半端無い。

 次は、少し助走をつけて全力でジャンプしてみよう、もしかしたら森の外の地形とか見えるかもしれないし。


 タタ! と助走して再度ジャンプ! 今度は全力ジャンプだ!


「すご…………」


 ジャンプした私は、十メートルくらいの高さまで達している。大きな木があり、森の概要は把握できなかったけど、自身の脚力にビックリである。

 スカートがバタつき、パンツが見えそうになってるので手で押さえる。人はいなくとも淑女は見せない。これ大事。

 しかし、こんな脚力で力いっぱいモンスとか蹴っても大丈夫なのだろうか? 逆に脚が折れたりしないか、ちょっと不安でもある。


「チート……マジヤヴァイ」


 ちょっと発音良く言ってみた。意味は無い。

 でもこれは本当に凄い。お婆ちゃんへ感謝し、そして喜びに打ち震える。


 その時、ガサガサガサ! パキパキ! と茂っていた草を掻き分けてくる音が聞こえてくる。すぐ近くだ。

 早速モンスのお出ましだ! テンションMAX! 絶好調の有頂天!


 私はそっと目を閉じる。初陣だ! そうだ! 決め台詞とかなんか言いたい!

 そして一呼吸……。ッカ! と目を開く!


「私の名は摩利子! 武神摩利支天様からお名前を拝領せし巫女! 魔の者を打ち祓わん者!」


 スバババっと腕を振り、くるりと横に一回転してビシ! と華麗にポーズを決めて大地に立つ!

 おぉ……加護のおかげかなんかソレっぽい動きが淀みなくできた。ちょっとした感動。しかし目の前にでてきたソレを見るまでは……。


「あ……えー、その、マリコさん? 初めまして……わたしはカノン、この近所に住んでて……。えーと、狩りとかして生活している者だよー」


 赤面しつつも平静を装い、相手を観察する。さっきのは、無かった事にしよう。

 申し訳なさそうに歩み寄ってくるのは、私と同世代くらいの目鼻立ちの整った金髪碧眼の美人さんだ。

 いかにも異世界の人って格好だ。だってビキニアーマーだもん。日頃からビキニアーマーで出歩く人とか絶対日本に居ないし。

 ビキニアーマーに気をとられたが、もうひとつカノンさんに特徴があった。耳が尖がってる。

 これはエルフってやつなのでしょうか? エルフなのか聞いてみたいけど、それよりも先に済ませておきたいことが……。


「すみません……。出会うところからもう一度やり直しては頂けないでしょうか? 最初の出会いがアレなのは……その……アレなんで……」


 私は深々と誠意をもって頭を下げる。


「へ? あ、あぁ……。あれ……」


 少し悩んだ表情を見せるも、察してくれたらしく、茂みに戻っていくカノンさん。この人優しい人? で良かった……。

 そして、しずしずと茂みに戻ったカノンさんは、一拍おいてから茂みでガサガサっと草木を自ら手で鳴し、再度私に歩み寄ってきた。芸が細かい。


「私は摩利子、その……気が着いたらこの森に居ました……。貴方は誰?」


 ちょっとおしとやかに怯える素振りをしてみた。カノンさんが一瞬ビクっとするが笑顔で挨拶してくれる。


「こんにちはマリコさん! わたしの名前はカノン、ここらで狩りをしてました! マリコさんは何してたんですかー? っあ! 魔の者を打ち祓ってるんだっけ?」

「それは忘れてー!」


 せっかくやり直したのになんか台無しだ。チクショー。

 カノンさんの身長は、私より少し高いくらいなので160センチ位、バストサイズは私の方が上っぽい、私がCカップなのでカノンさんは多分Bの強位とみた。スレンダーな美人さん。

 でもあんまり頭は良くなさそうだ。美人さんなのに……エルフなのに……。


「なんと言ったらいいか、これには訳がありまして……」


 んーしかしこれは、いけない……。このままだと私、頭のおかしい人もしくは、中二病認定されること間違い。

 いっそ「貴方の住んでる世界とは違う世界から転生してきましたー」っと話したいが、突然そんなこと言われたら、普通にコイツ頭のおかしい人、って思われそう。

 まぁ、すで色々やらかしてるし。うん、まぁ話せば解る! 多分!


「私……実は! 貴方の住む世界とは違う……異世界から転生してきたの!」


 思いつめた表情で言い切ると同時にキリ! っとした表情に切り替える! キリリ! ってしていれば大抵なんとかなる……はず。


「確かにマリコさんって、わたしと違う世界に住んでるっぽいよねー。なんか夢に生きてるっていうかー」


 なんとかならんかった! なんか普通に回答されちゃった! 呆れ顔してるよ! コイツ頭ヤヴァイとか思ってそう。


「んっもーー! 異世界人だって言ってんですよ!」

「はいはい、マリコさんは異世界人……って、黒髪の黒い瞳……もしかして、本当に異世界人!?」


 呆れる様な表情が一変しキラキラした瞳で私を見ている。


「I am Japanese!!」


 誤解が解けたっぽい、嬉しさからなんかノリで英語がでた。

 しかし、黒髪黒目ってだけで異世界人認定されるってことは、過去にも転生した日本人がいるっぽい。


「じゃぱにず? そんなことよりもマリコさん! 異世界人ってことは勇者なの!?」

「いや勇者じゃないと思うんだけど……。神様のお婆ちゃんの加護は頂いてますのでそこそこ強いっぽいです……」


 エルフ英語だめなん? そんなことよりも、今度は勇者認定されたっぽい。

 転生して、いきなり勇者はなんか……正直、重い。勇者ってアレでしょ勇気ある者でしょ。私、勇気ゼロキログラムだし。


「神様から加護をもらってるとかそれ完全に勇者だよー! うっわーすっごー! 握手! 握手してー!」


 私の手をにぎにぎしてくるカノンさん……。

 ほんの数分前まで、残念な人を見る様な態度だったのが、急に憧れの芸能人に会ったファンみたいになってる。勇者人気マジ半端ない。


「勇者ってそんなに凄いんですか?」

「もちろん! 異世界からきた人で、歴史に名を残した偉人もいるし!」


 マジか……。私、なんか歴史に名を残すかもしれん……。


「立ち話もなんだし、我が家に行こー。もうじきお昼ご飯だしご馳走するよ!」

「っあ、はい。お邪魔させて頂きます。転生したばかりなので色々教えてもらえると嬉しいです。」


 丁度いい、こっちの世界のこと全然解らないし色々と教えてもらおう。手持ちも何もないのでご飯とか有り難い。ラッキー。


 道すがら色々お話する。すっかり意気投合。

 カノンさんは、やっぱりエルフらしい。

 二週間前に、森近くの空き家を借りたそうで、それまでは冒険者として生活していたらしい。

 帰り道の茂みも私が通り易いように、鉈で丁寧に処理してくれるし、か細い腕に似合わず意外と逞しい。


 私は、異世界に来て早々友達ができたことに喜び、感謝を込めてご尊母様に祈る。


 カノンさんいい子だし、私の異世界ライフは、少しやらかしたが中々良いスタートができた。

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