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っちょ!これ! 私の想像してた異世界転生と違います!  作者: 神籠神社
私、異世界で信者ができました。
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食いしん坊

前回の護衛依頼なのに護衛対象と遊ぶだけのマリコちゃん

幌馬車に乗る。盗賊ボコる。あっち向いてホイで負ける。

 翌日、ダランの宿屋で目を覚ますとカノンちゃんとメル姉さんが顔を洗っていたので私も一緒に洗う。

 外も薄暗いというのにこの二人は早起きだ。

 まだ起こす必要は無いけどカタリナちゃんだけ寝かせとくのもあれなのでいたずらして起こそう。

 この前アンネさんにやられたみたいに耳に息を吹きかけると艶かしい声を出しながらカタリナちゃんが起きる。相当くすぐったかったらしく耳を手でくいくい拭いて「マリコさーん止めてくださいよもぉ」っとぷんぷんして可愛かった。

 朝からじゃれ合う私達をメル姉さんが散歩に誘う。


「朝食もまだできてないし良い所があるからちょっと散歩にいかないか?」

「そうですね。今日も馬車で座りっぱなしですし体ほぐしときましょう」


 一応に護衛対象のカノンちゃんを外に連れて行くので出る前にベリンダさん達の居る部屋をノックするとコゼットさんしか起きてなかったので「ちょっと散歩してきます」と告げてから四人で外に出る。


 メル姉さんの案内のもと十分程歩くと一面の白い花畑が見えてくる。近づいて見ると白いユリの花っぽい。

 「すっごーい」っとテンションの高くなったカノンちゃんが草で作られたこ汚いござを敷きみんなでそこに座る。

 カタリナちゃんが花を見つめる。可愛い、絵になります。


「この花、確かダンジョンにも咲いてませんでした?」

「カタリナちゃん正解ー。この花はダンジョンの五階層に咲いてるよー。ウンバボ族の好きな花なんだよねー。メル姉」

「そうだ。ウンバボ族の住むグンマに沢山咲いている花だ。子供の頃はよく摘んで家に飾っていたもんさ。南大陸だとこの辺とダンジョン位しか咲いてないからあまり見る機会はないけどな」


 そういえばメル姉さんのベルトのお洒落バックルもこの花のデザインっぽい。


「それでカノンちゃんはその花のデザインのプレゼントしたんだね」

「うんうん。去年のメル姉の誕生日にダンジョンで採った花束と一緒にプレゼントしたんだー」

「あぁ……このベルトは私の宝物だよ」


 メル姉さんがベルトのバックルを手でさすっているとカノンちゃんが「持って帰って我が家で育てよー」っとボロボロの木の器と錆びたナイフを取り出して土を掘り花をゲットする。

 しかしここでトラブル発生。

 カノンちゃんが収納しようとしたところ何故か仕舞えない、もともと無限収納は生き物が入れられない、でもジャガイモとか野菜はOK。

 花も大丈夫かと思ったけど無理らしい。花は生きてる判定されてるのだろうか?


「花は生きてる判定されるのかな? そのまま馬車乗せる?」

「うーん、花束作った時は入ったのになー。土に生えてるとダメなのかなー」


 そう言いって手でブチンっと花を根元から千切り再度収納を試すといつもどおり収納できた。生えてるとダメらしい。微妙判定だ。

 摘んだ花を再度取り出してカノンちゃんが残念そうにする。


「あーあもったいないなー」

「カノンちゃんそのお花私もらってもいい? ちょっと試したいこともあったし」


 カノンちゃんが「いいよー」っと花を渡しそれを私がパクリと食べる! 皆が「「っえ!?」」っと驚愕する。

 花のお味は……苦い美味しくない……。まぁそうだよね。

 でも私はキノコを食べるとデカクなる。あの横スクロールの主人公は花をゲットすると火が飛ばせるようになる。もしかしたら私も……。


「マリコちゃん!? 大丈夫!? 髪の毛カタリナちゃんみたいに銀髪になってるよ!」

「おぉ! やっぱりそうなった!? キノコだとデカクなって花だと白くなるっぽいよ!」

「髪の色が変わるだけなんですか!?」

「ちょっと待って今試してみるから」


 私が右手を空にかざして火の玉でろーっと念じるとポンっと音を鳴らしバスケットボールくらいの大きさの火の玉が空へと飛んでいった。やっぱりでた。


「マリコお前攻撃魔法も使えるのか……」

「いえ今初めて使えました。お花パワーでファイヤーマリコです」

「わたしも食べたら攻撃魔法使えるかなー?」


 カノンちゃんが花を摘まんで口に入れ「マズ」っと言いながら食べるけど特に変化は無い。私だけの力っぽい。


「残念、カノンちゃんは無理っぽいね」

「むー、わたしもそのうち練習して攻撃魔法覚えるからいいよー。多分」

「マリコさんこの花どうします? 家に持って帰りますか?」

「そうだね。少し摘んで持って帰ろうか?」

「あと我が家で育てる分も欲しいよー」

「今馬車に乗せるよりも帰りに寄った方が多分いいんじゃないかな?」

「そうだな、それに朝食もできてる頃だろうし少し摘んだら戻ろう」


***


 そんな訳でお花を少し摘んでから宿屋に戻って朝食を食べていると起きて来た騎士さん達とも合流。

 銀髪になった私を見たアンネさんが歓喜しながら抱きついてきた。まぁ多分銀髪になってなくても抱きついてくるよね。

 ご飯が食べ終わる頃に髪の毛の色が黒に戻る。なんか時間制限があるっぽい。

 ベリンダさん達が「それどうやったんだ?」っと聞いてきたのでキメ顔で「マリコマジックです」っと適当に返事する。


 朝食を食べ終わり宿を出ると昨日の盗賊達が自警団の人に二列に並べられていた。彼らも徒歩でキノ城下へ向かうらしい。

 下っ端Aと私が勝手に名づけてた人の左腕を見るとカタカナでメルメナメヌナとタトゥが彫られていた。

 メル姉さん昨日名前間違えられた時に「体に刻み込んでやる」っとか言ってたけど本当に体に刻んじゃったようだ。怒ったウンバボ族マジ怖い。


 馬車に着くと麻袋のカイさんにエラさんがローキックを連打していた。朝から仲が良いです。キックの朝練お疲れさまです。

 ふたりの世界を邪魔しないように馬車に乗り込みダランの町を出発。


 移動中は暇なので簡単なマジックを披露する。

 右手の中指をリボンで指輪みたいに縛って中指と薬指を伸ばした状態にして残りの指を折り曲げる。

 そして「マリコマジック!」っと言いながら腕をッシュっと動かしその瞬間に人差し指を伸ばして薬指を折り曲げる。

 リボンが右から左に移動したように見えるのでカタリナちゃんが「マリコさん凄いです! 転移魔法ですか!?」っといいリアクションをしてくれる。

 アンネさんは、指を入れ替えるのが見えたらしく鼻で笑っていたけど他の皆はどうやったのー? っと不思議そうにしていた。しょぼいマジックなのにギャラリーの反応がいい。テンション上がる。

 調子に乗って他にも指が伸びて見えるやつとかを披露する。

 私の持ちネタが尽きたのでので今度は指相撲大会だ。

 これまたメル姉さんのひとり勝ちで悔しかったので私がずるして人差し指で抑えたけどびくともしない。

 カノンちゃんなんか両手でメル姉さんの親指を倒そうとする始末。こんなん勝てるかー。次は何か頭脳で競う遊びを考えよう。


 そんな感じで馬車の中で遊び倒し、夕方にキノの城下に着く。

 途中衛兵さんに「そこの怪しいヤツ止れ!」っとカイさんが呼び止められエラさんが説明して開放してもらいエラさんはカイさんにキックを食らわせる。彼女はキックの練習に余念がない。


 その後は、何事も無く城下のギルドに到着。

 ぶりっ子モードのエラさんがキノ城下ギルドの人と話をしに行って騎士のコゼットさんも王城に到着を連絡するため一旦別れる。

 私達は丁度夕食の時間帯だったのでギルドの酒場で食べることにした。


 食べ終わった後は、エラさんに呼ばれてギルドの解体所に行く。

 カノンちゃんが無限収納から荷物を取り出す。

 今日は出発前に預かった追加の荷物とダラの防衛戦で倒した巨大みみず三匹だけ。みみずの皮は加工すると良い素材になるらしい。

 大量のモンスは他に準備した解体所に持っていくそうで人員の確保が今日はできないので明日持って行くことになった。


 滞在中の宿泊先は、キノ城下のベリンダさんちの別邸の客室を好きに使って良いとのことで四人部屋を昨日と同じメンバーで使わせてもらう事にしたら、アンネさんが「マリコと一緒がいーいー」っとブーブー言い出す。

 結局自由時間に遊びに行く時には、声を掛ける事を約束して納得してもらい、そのまま部屋で遊びつつ順番にお風呂に入って明日に備えて就寝する。


 翌日、朝のカタリナちゃんいじりをしてたらメイドさんが朝食の準備ができたと呼びに来た。

 皆と一緒にダイニングの長いテーブルに座とメイドさん達が簡素なパンとスープとサラダを持ってくる。貴族さんちの食事だけあって美味しい。

 食べ終わるとベリンダさんが今日の予定を言う。


「今から解体所に行き魔物を納品する。納品後、そのままキノ城へ向かい王と謁見だ。カノンは依頼済みだがメルメナメヌナとマリコも王から召集がきたので着いてきて欲しい」

「っえ? 私も王様に会うんですか?」

「昨日コゼットが王城に報告した際に興味を持ったんじゃないか? マリコ達は、私みたいにキノ国の家臣ではないから無理にとは言わないが。まぁ来てくれると嬉しい」


 内心は、きーてないよーって感じだよ。小心者に王様はキツイ緊張する。

 でもメル姉さん「分かった」っと二つ返事だし断れる空気でもないので諦める。


「はい、分かりました。お手柔らかにお願いします」


 その時、何時もの無言モードだったカタリナちゃんが椅子から立ち上がりプルプルしながら言う。


「私もご一緒させてください! 私はマリコさんの従者ですから!」

「カタリナはマリコの従者なのか? まー従者と言えば問題ないと思うぞ」

「っはっはっは! わたしもマリコちゃんの従者だよー」


 カタリナちゃんがほっとした顔で椅子に座り、カノンちゃんが胸を張り自慢げに私の従者アピールをする。止めて下さい恥ずいです。

 メル姉さんも「そうだったのか。カノンをよろしくな!」っと私にサムズアップする。

 とりあえず私もサムズアップして返す。多分笑顔が引きつっているとベリンダさんが話しを戻す。


「では準備ができたら屋敷の前の馬車に来てくれ! 解散!」


 部屋に戻り服を着替える。

 王様が無茶振りして大きくなれとか言うかもしれないので念のためホットパンツをスカートの下に履いておく。ノットパンチラ。

 着替えているとカタリナちゃんが嬉々としてカノンちゃんに言う。


「カノンさん、王様との謁見です。恥ずかしくないように従者の服を着ていきましょう!」

「おぉー! そうだ従者の服! マリコちゃんに恥ずかしい思いをさせないためにも今日はカッコイイ服装にしなきゃだね!」

「…………」


 ヤヴァーイ。すっかり忘れてたよカノンちゃんの魔改造巫女服。

 これはもう覚悟を決めるしか……「その服着てる人が隣に居ると恥ずかしいです」っとは流石に言えない。

 水を差すのも悪いので「よろしくお願いします。私の従者さま」っと言う。

 ふたりはご機嫌で服を着替える。魔改造巫女服エルフ少女のカノンちゃん再び。

 カノンちゃんの髪の毛を束ねて白いリボンで結ぶ。私が巫女をする時は紙で束ねて水引で縛ってたけど物がないのでリボンで代用。

 私もついでなので久々に髪を白リボンでしばる。服装は白いコートですが。

 カタリナちゃんも物欲しそうな顔でこちらを見てるけど貴女の髪はショートボブ位しかないので結べません。

 メル姉さんからは「おーふたりとも似合ってるぞ」っとお褒めの言葉を頂く。異世界人には魔改造巫女服はOKなようだ。


 服も着替えて準備も整い馬車に乗り出発する。

 結構近くだったので案内された解体所に直に着いた。

 解体所は大きな倉庫が三棟で中には百人近い人が集まって準備をしていた。

 管理者のおじさんとエラさんが話をし、指示されたカノンちゃんが大量にモンスを置いていく。

 エラさんはモンスが置かれるたびにメモを取る。ちゃんと仕事してる。今日も特に何もしない私。給料泥棒状態。

 作業するカノンちゃんの後ろに着いていき一応仕事してますアピールをする。

 お昼前に管理者っぽいおじさんが「お嬢ちゃんすげーな……もうこれ以上置けそうにないな」っと言いここで一旦納品を中止する。

 カノンちゃんが「残りあと少しだよー」っと言うとエラさんがダラに帰る前に立ち寄って置けそうだったら置きダメならダラの町で引き取ると話をまとめる。

 とりあえずの納品クエストはこれで完了とさせてもらった。


 その後は、昼食にはちょっと早い時間帯だけど皆で食べに行く。混むの嫌だし。

 解体所のおじさんが「キノ城下の東側は海に面してるから海鮮料理がお勧めだぜ」と言うのでおじさんお勧めの食堂で食べる。

 私が適当に頼んだ料理はウツボみたいな怖い顔の魚をまるっと揚げたものだった。

 恐る恐る食べると普通に白身魚で下味もついていて美味しかった。

 皆の料理も海の幸満載で食べ比べする。ダラの町は海に面して無いから干物とかしかないので久しぶりの魚介に大満足。


 昼食を食べ終わりエラさんはギルドのお仕事、アンネさんは「暇だし観光してくる」とのことでここで別れる。

 私達は、馬車に乗り王城へと向かう。

 馬車に乗り町並みを眺める。ダラの町で見たことの無い亜人さんや獣人さんが沢山いる。

 そして異世界の王様と謁見。変な強制イベントとか発生するのかな? なんかファンタジーっぽい。

 そんな緊張とわくわくが混在する私を麻袋が運転する馬車が運んでいった。

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