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っちょ!これ! 私の想像してた異世界転生と違います!  作者: 神籠神社
私、異世界で信者ができました。
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貴族お宅訪問

前回のお遊び感覚でダンジョンを探検したマリコちゃん

ギルドで依頼を受ける。変態が御者する馬車で貴族の家に向かう。

「おい! そこの怪しいヤツ! 止れ!」


 馬車が貴族様のお屋敷前に着くと早速止められてしまいました。

 やっぱダメですよねー。妖怪麻袋のカイさんが御者ですもん。

 ギルドの使いである事を説明し何とか中に入れることになった。

 カイさんは馬車を移動させてその場で待つそうなので私達三人は、執事さんについて行ってお屋敷に入る。生執事さんである。きっと名前はセバスチャン。


 案内された待合室は、格調高い調度品が並びセンス良くて素敵。

 ふかふかソファーに座りメイドさんの入れてくれたお茶をいただく。

 ちょっとリッチな気分に浸っているとベリンダさんがやって来た。

 今日はドレスアーマーじゃなくて普通のドレスを着てるので前とちょっと印象が違う。貴族っぽい。


「やぁ三人ともご足労、すまないな」

「いえこちらこそお招きありがとうございます」


 反射的に立ち上がりペコリと頭を下げる私。最近力は強くはなったけど権力とかそういうのは相変わらずめっぽう弱い。小心者は中々変わらない。

 そんな私にベリンダさんは笑顔で私に言う。


「共に酒を酌み交わした中じゃないか。畏まる必要はないぞ」

「いえ、私はお酒は飲んでませんからね。ジュースだけですよ」

「はは、そうだったな、では父の準備ができたので着いてきてくれ。積もる話はあるが待たせるとうるさいからな」


 そんな感じでベリンダさんの案内のもと執務室に案内される。領主さんお出まし。

 見た目は三十台後半位で短髪茶髪のナイスミドルでお洒落な髭とキッリッとした眉毛が印象的。なかなかの貴族感だ。

 領主さんが「おぉ来てくれたか」っと立ち上がりこちらに来る。


「私はシモン・ダラだ。此度はダラの防衛戦での奮戦、娘から聞いた。君達に心から礼を言いたい。町を救ってくれたありがとう」

「はい、皆の尽力で町に被害が及ぶことが無く良かったです。私はマリコと申します」


 私に続きカノンちゃんとカタリナちゃんが名前を言うとシモンさんがカノンちゃんに視線を向ける。


「君が荷物持ちのカノンか娘がいつも世話になっている。君の話は何度か聞いているよ。これからも仲良くしてやってくれ。ベリンダは友達が少ないのでね」

「んなぁ! お父様ひどいです! 近衛の者にも仲の良い者もいます!」

「近衛は友というか部下じゃないのか?」

「っく……」


 カノンちゃんがちょっと涙目になってるベリンダさんに言う。


「ベリンダちゃんは友達いっぱいいるよーこの前の打ち上げも皆で楽しく過ごしてたよー。メル姉さんやアンネさんにジョーさんにーボルボンボさんに……」

「うぅ……ありがとうカノン……」


 ベリンダさん俯いてる。この人メンタルは弱いっぽい。

 そういえばあの黒幕っぽいヤツはどうなったんだろ? 聞いてみよう。


「ベリンダ様ひとつお聞きしたいのですがお渡しした黒幕と思われる人物はその後どうでしたか? 何か判りましたか?」

「お父さ……父の前だからと言って畏まる必要はないぞ。いつも通り呼んでくれ。あの男は魔族だ。南大陸から西に行った島国の者でそれ以外は何も分かってない。他の町に調査に行っていた冒険者達の報告でこの町程ではなかったが他の町でも魔物の襲撃があった。首謀者は捕らえられなかったが魔族が関与してるかもしれないな。捕まえたアイツはとりあえず牢屋に入れてある。キノ王にどうするかお伺いを立てている所だ」


 んーなんか魔族に悪いヤツがいるかもね位しか分かってないようだ。

 そんな事を考えているとシモンさんが眉毛をキリッとさせて言う。


「ベリンダその件は先ほど王側から連絡が来た。こちらで尋問調査して構わないそうだ。王側からもこちらに人員が派遣される。あと情報共有のためダラかも防衛戦に参加した者を送って欲しいそうだ。その際に最後に現れた黒い巨人を一部でいいから持ってくるようにとの要請だ。ベリンダ、キノ王への報告頼めるか?」

「畏まりましたお父様。カノン、黒い巨人まだ持ってるか? できればキノ城まで持ってきてもらえると助かるんだが」

「どうだろー。さっきギルドでキノ城下のギルドに行くクエスト受けたんだよー」

「いやカノンちゃんギルドのクエストのついでに行けばいいよ?」


 ん? キノ城って言う位だしキノ城下の近くだよね? 私変なこと言ってないよね? なんか心配になってきた。


「あーそうだよねー。なんか難しい話してたからボーっとしてたよー」


 カノンちゃんボーっとしてただけか。心配して損したよ……。貴族の前でもカノンちゃんフリーダム。カタリナちゃんは完全に無言モードだねぇ。

 そんな私達にベリンダさんがにっこりしながら言う。


「では共にキノへ向かうとしよう私がギルドと調整する」

「はい分かりました。よろしくお願いします」


 話が纏ったところでシモンさんが「渡すものが有ると」言って棚から子袋をとりだし私の前に置く。


「金貨十枚だギルドからの報酬とは別に私からの礼金だ受け取ってくれ」


 さらっと出されたけど金貨十枚で百万円なので大金だ!

 私は「お心遣いありがとうございます」っと言いササッと手に取り袋をカノンちゃんに渡す。

 カノンちゃんも大金の持ち運びにも馴れたのか素直に収納してくれた。


「私からは以上だ他に何か用ができたら追って使いの物を送る」

「はい本日は貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。それでは失礼いたします」


 席を立ち屋敷から出る。ベリンダさんも早速ギルドに向かうそうなので馬車に誘ったが自分の馬ので行くとのことなのでここで一旦分かれる。

 私達は、カイさんの御者する馬車でギルドに向かう。

 ギルドに寄らずに我が家に帰っても良かったのだけどカイさんが衛兵さんに職務質問されて時間をくってしまい夕方になってしまったのでそのままギルドで夕食を食べることにする。


 ギルドの酒場に入るとジョーさんとトカゲ仲間二人が居たのでご一緒させてもらう。相変わらずっぎゃっぎゃ言ってて賑やかで楽しい。

 酒場のお姉さんを呼び各自食べたいものを適当に追加注文する。

 その時突然背後から二本の腕が私の体を拘束した!


「ひゃぅ!」

「マーリーコー。この前は石鹸ありがっと」


 アンネさん登場。私結構な力持ちのはずなのにこの人に拘束されるとマジで動けない。ちょっとした関節技みたいになってるみたい。ってそれどころじゃない! 耳元に息を吹きかけられてる。


「っあぅアン、ネさん、耳! み、み止めてくださぃ」

「うぅーん石鹸の香りもいいけどやっぱり本物の香りの方がいいねぇ」


 今度は耳の後ろ辺りをクンクンしてるらしく。耳がこちょばい。

 貞操のピンチだ! っと思っていたらカノンちゃんが言う。


「マリコちゃんいい臭いだよねー。私も同じ石鹸使ってるけどなんか違うよねー。ほれほれー」


 カノンちゃんがアンネさんに頭を突き出して「違うでしょー?」って言うとアンネさんは私の拘束を解いてカノンちゃんをクンクンする。


「カノンも中々いい香りだな! 新しい発見だ!」


 なんか発見されていた。

 カタリナちゃんが怯えた瞳でアンネさんを見つめていた。ちょっといじわるしてみよう。


「アンネさんカタリナちゃんもいい香りしますよ。香り嗅がないんですか?」


 カタリナちゃんがビクゥ! っとするがアンネさんはなんか申し訳なさそうな顔になって言う。


「うーん。その子は綺麗過ぎるし冗談が通じそうに無いからちょっと控えてしまうなぁー。それにちょっと謝らないといけないこともあるしな」


 アンネさん既になにかカタリナちゃんにやらかしてるらしい。謝罪ならむしろ私にして欲しい感じもするんですが。


「アンネさん何やらかしたんですかぁ?」

「いやねこの子の劇団に火を着けたの私の弟なんだよ。ごめんな。必ず見つけて殺すから」

「そんな……。でも殺す必要は……劇団の皆は命こそ奪われませんでしたか……謝罪して欲しい。皆で一生懸命作り上げた劇団を一瞬で奪ったのだから!」

「分かった。捕まえたら謝罪させる……」


 やってもうた。軽い気持ちで聞いたら重たい内容だった。カタリナちゃん泣いてこそいないけどプルプルしてる。

 そんな時に空気読まな酒場のお姉さんが注文の品を持ってくる。


「ご注文のウンバボのサイコロステーキ、ウズラの串焼き、季節野菜のサラダになりまーっす」

「っとっとりあえず食べよっか? 冷めちゃうと美味しくなくなっちゃうし。っあ! アンネさんお酒飲みますよね!? すみません追加でお酒適当に持ってきてください!」

「畏まりましたー」


 重たい空気をなんとかしたいのでせっせとみんなの小皿に食べ物を盛っていると「カノーン」っと声が聞こえ振り向くとこちらにメル姉さん、ボルボンボさん、マスター、ベリンダさんがやってくる。

 マスターがテーブルのウズラの串焼きを勝手に手に取りながら言う。


「飯食ってるところ悪いな! 礼の件大体きまったぞ。メルとエラとベリンダとお付の二人が同行してくれることになった。御者はカイとあともう一人だな。あぁーダンお前暇か? キノ城下まで御者件馬車護衛のクエストやら無いか? 往復で五万円でどうだ? お願いします!」

「暇だぎゃ。行くぎゃー。いつ出るぎゃ?」


無言で食べたトカゲ族が話す。この人がダンさんかトカゲ族は見分けが着かない。でもジョーさんは不思議と分かるようになったので馴れの問題かも。


「ちょっと待て! マリコ、キノ城下にクエストに行くのか? 私も連れてけ!」


 なんかアンネさんが食いついてきた。マスターがもっちゃもっちゃ串焼きを食べながら言う。


「カノンの護衛数日で五万円だけどそれでいいならいいぞー」

「よし!」


 ガッツポーズをするアンネさん。ガッツポーズって異世界共通だったらしい。

 マスターが「ありがとうございます!」っとお礼を言うと、ベリンダさんが「日程はどうする? こちらは何時でも大丈夫だ」言いメル姉さんも「私も平気だな」っとウンバボのステーキを食べる。

 マスターが「じゃー明日の朝ギルド前集合でいいか? 向こうでの作業はエラに任せるが三日位かかると思うから時間余ったら自由行動な。あとは適当に任せる。よろしくお願いいたします!」と言って食べ終わった串焼きの串を置いて受付のエラさんの所に歩いて行く。

 明日出発になったけれどキノの町ってどんなんだろう。


「カノンちゃんキノ城下ってどんなところ? 自由時間とかもあるみたいだけど観光名所ってある?」

「大きい町だからいっぱいあるよー。マリコちゃんよりもおっきーお城がかっこいいよー。有名なのは円形闘技場のキノッシオだねー。一部有料だから入ったこと無いけど。女神教の教会も世界で五本の指に入る規模でダンジョンもあるよー」

「私を建物の大きさに例えないでよー。でも時間あったら観光するものいいね」

「キノッシオか懐かしいな、去年は私がキノ王祭で優勝したんだぞ、まぁその前の年は兄さんに負けて二位だったが」

「流石に兄として妹に負ける訳にはいかないな。あそこは年中何かやってるから行ってみるのもいいかもな」


 キノ城下は、結構観光地っぽい。それにしても戦闘民族、ウンバボ族のふたりは過去にバトルマンガっぽいイベントで戦ったらしい。メル姉さんとボルボンボさんのガチバトルは見てみたかったなー。

 そんな感じでキノ城下で何して遊ぶかワイワイ話しながらご飯を食べる。

 途中カタリナちゃん居なくなったと思ったらギルドに居たお父さんを発見したらしくシモンさんから貰った礼金の自分の取り分をお父さんに渡していた。良い子や。

 食べ終わった頃には酔っ払いも数人居たのでジョーさんにお金を渡し支払いをお願いして早々にお暇することにした。


 我が家に帰ってお風呂に入る。お風呂で少しぼーっとしながら考える。

 明日は初めてのクエストだー。カノンちゃんカタリナちゃん以外と出かけるのはなんか新鮮だなぁ。

 アンネさんの弟が劇団襲ってたりとフラグが立って心配だけど、皆で楽しくキノの城下が散策できたらいいなぁ。


 お風呂から出たあとは明日の準備をする。っといっても結局カノンちゃんが元々収納してるし近場なのでチェストに仕舞ってた着替えと歯ブラシとか出しっぱなしの物を忘れないように注意するだけだった。

 準備を終えた私達はそのまま就寝。

 わくわくしてなかなか寝付けない。遠足前の子供みたいだよって思ったら我ながらひとり小っ恥ずかしい気持ちになった。

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